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インド留学記

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2020年から2022年のインド留学記。グジャラート州にある大学の社会学/人類学の修士課程に所属。留学中の出来事と2023年からはインド関連の出来事を不定期更新。
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記事一覧

謎の提出物 no.3:"Letter"

このnoteはインドの大学院にいたときに提出するように言われた書類の中で、「なんだこの書類は?」と思ったものについて書いている。 第1回目はMigration Certificate、第2回目はAnti Ragging Formのことを書いた。今後、インドに留学に行く学生の助けになればいいなと思う。 そうは思っているが、時代の流れやその時々の出来事で提出書類は変わる。 「前回はこれが必要だったよな!」と思って準備していいても、「今回はこれは不要になりました。これとは違う

謎の提出物 no.2:Anti Ragging Form

前回は「Migration Certificate」のことを書いた。 インド以外の国に留学をしたことがないため、他の国や地域の大学でどんな書類が求められるのかはわからない。しかし、この書類仕事のようなものはその国や地域の土地柄のようなものを表しているように思う。 例えば、インドの観光ビザだ。インドのビザを申請しようとすると、父親の生誕地・職業などを記入する欄がある。私自身がインドに行くわけで、父親の生誕地や職業は関係ないだろ!と言いたいのは山々だが、インド的には知りたい基

謎の提出物 no.1 :Migration Certificate

インドの大学院に留学している間にいろいろな提出物があった。このnote「謎の提出物」では大学事務に提出した書類の中で、入手することや提出するのに理解が難しかったものを紹介する。 Migration Certificate第1回の今回は「Migration Certificate」だ。 これは1番苦労したのだが、結末はやや悲しい。 結論を先に書くと、事務方と何度も連絡を取り合った結果「提出不要」となった。インドの教育システムの中で学歴を積んできたインド国籍の人にとってはとても

帰国の途〜インドから日本への入国〜

7月で大学院のコースも無事に修了し、8月に日本に帰国した。 私が住んでいたインド、グジャラートはすっかりコロナ禍状態からは抜け出していたため、帰国に際して日本の「水際対策」への準備をしなければいけなかった。 このnoteは今回の出入国時にやったことの記録だ。 日本のCovid-19への「水際対策」はそろそろ変化が起きそうだ。 8月22日に岸田首相はオンラインでの記者の問いかけに対して、「新型コロナの感染症法上の措置の見直しや水際対策の緩和などについて、専門家などの意見を踏ま

雨のはなし in Gujarat, India

こちらインドはグジャラート。夏はすっかり終わった。 グジャラートの季節は、冬、夏、モンスーン、秋の4つだ。 最初から話は逸れるのだが、日本の特徴として「日本には四季がある」とよく言われる。しかし、もちろん四季があるのは日本だけではない。もし日本にしか四季がなかったら、季節を表す単語は世界共通で「Haru, Natsu, Aki, Fuyu」なってい流のではないだろうか。とか。 グジャラートの天気7月はモンスーンの季節だ。 一般的なグジャラートの暦は次のようになっている。

洗濯のはなし in INDIA

モンスーンになってから、少し前までは全く雨が降っていなかったが、さすがのグジャラートにもついに雨が降っている。 私の住んでいる地域では、夕方から夜にかけてよく雨が降るようになった。 雨が降るようになると困るのは洗濯物だ。 これまでは、いつの時間帯に干しても3時間から5時間くらい(朝干して昼ごはんのときには取り込めるくらい)で大体のものはカラッと乾いていたが、洗濯の時間にも気をつけないといけなくなっている。干す場所がベランダだから尚更だ。 さて、本題にすすもう。 洗濯には2

暑い。朝から夜までずっと暑い。

ここ数ヶ月ずっと暑い。 インドに来てからずっと暑いのはそうなのだが、 ここ数ヶ月は毎日燃えるように暑い。 12月中旬に冬服で日本から飛び立ち、数時間後には半袖の季節になった。 その頃はお昼の12時くらいは28度くらいの気温だった。 午後の授業に向かうために、1キロ程度歩いて大学のバスの通り道に歩いて行くのが暑くて暑くて、「外を歩く時間じゃないな」「これからは朝1番のバスで出かけよう」と心に誓っていた。 この頃は、私だけ夏の装いだったため同僚や先生から「暑く感じるのか?」と

ヘアオイルとインド生活

男性の同僚らとチャイ屋でダラダラ喋っている時はもっぱら政治の話になることが多い。私の前だからそうなのか、これが通常運転なのかはわからない。 男性らみんなが政治の話が好きなわけではない。その場に居合わせたから応答しているだけの場合もあるし、支持政党を問うてくる人に対して「あまりにプライベートな話だからそういうことは聞くべきではない」と諫める人もいる。 女性らといるときは食べ物の話を一通りしたら、大体次は髪の毛の話だ。 こちらも私の前だからそうなのか、これが通常運転なのかはわか

映画館の「with コロナ」

先日、授業後に同僚らと映画館に行った。 タイトルは「RRR」。南インドの新作アクション映画だ。 今回のnoteでは映画のレビューではないので、日本で公開されたらぜひみてほしい、とだけ言っておこう。主人公2人は人間じゃないレベルの強さでめちゃくちゃおもしろい。 映画館の「with コロナ」 映画館の入り口で事前にネットで購入したオンラインチケットをスマホで見せて、検温をして入場する。 金属探知機のゲートをくぐって、ボディチェックをする。食べ物は持ち込み禁止のため、ボディ

インドの韓流ブーム小話。

こちらインドでもK-popと韓国ドラマは流行っている。 近年凄まじい勢いで韓流ブームが世界を席巻しているのが、インドにももれなくこのムーブメントは来ている。 一番人気はBTS 言わずもがな一番人気はBTSだ。 BTSが国連で初めて演説をしたのは2018年でそのときは「Speak yourself」と言っていた。2021年のテーマは「Love Myself」だった。 日本でも話題になったが、この2018年のナムさん(RM)のスピーチは本当に世界を震撼させていたようだ。

「一言語 = 一国家」ではないインド

インドは大きな国だ。地域が変われば、話す言語も文字の形も全く違う。 3月9日、第1セメスターの学生向けの式典が大学の庭で行われていた。 私と同僚ら、その他の友人らは式典が行われている庭と少し離れた木の下のベンチに座って、寮行きのバスの出発を待ちつつダラダラと時間を過ごしていた。式典が終わるまでバスは出発しないとのことで、最終的には5時間ぐらいなんでもない話をしながら過ごしていた。 私は日本語が母語だ。そのとき一緒にいた同僚女性はテルグ語が母語、ふたりの同僚男性はマラヤー

目的地までどのくらい?

「ここからマートまでどのくらい?」と尋ねると、「10キロだね」と言われる。「マーケットまでは?」と尋ねると、「2キロだね」と。 こちらに来たばかりの頃は「いやいやそうじゃなくて、どのくらいの時間がかかるか教えてほしいのよ」「何キロ離れてるか言われても、わからんて」と思っていた。 最近、ようやくその感覚が掴めてきたような気がする。 このくらいで1キロか、ここまでくると10キロか、そういう感覚だ。しかし100キロとか途方もなく遠くなると、どのくらい遠いかは理解できず、ただ「遠

コロナ禍での留学:留学の醍醐味とは、、、

3月1日から第4セメスターが始まっているが、授業は第2週目月曜から始まる。第3セメスターの終盤は大学が閉鎖していたため、多くの学生らが実家や家族のいる家に戻った。私が今住んでいる大学の寮では、2月後半から続々と学生たちが戻ってきていて、学生寮らしい感じになってきている。 学生寮らしい音がある。早朝のガサゴソ出ていく音、遅刻しそうな人が思い切り扉を開け閉めする音、洗面所で水を流し続けてお湯を待っているだろう音、授業が終わり友達らとおしゃべりしている声、どこの階からか聞こえてく

オンラインでの試験方法  [第3セメスター]

2月第2週目に第3セメスターの最終試験があった。 オミクロンが流行する以前の予定では、第3セメスターの中間試験の時期からオフラインで授業と試験を実施し、最終試験もオフラインですることになっていた。しかし、中間試験は私がインド渡航後の自己隔離期間のためにオンラインで参加し、最終試験は大学のシャットダウンによりオンラインでの実施になった。 さて、私の大学ではどのようにオンラインで試験をしているのか記録しておこう。中間試験と最終試験では試験方法が異なる。中間試験は担当教諭と学生