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インドの韓流ブーム小話。

こちらインドでもK-popと韓国ドラマは流行っている。

近年凄まじい勢いで韓流ブームが世界を席巻しているのが、インドにももれなくこのムーブメントは来ている。


一番人気はBTS

言わずもがな一番人気はBTSだ。

BTSが国連で初めて演説をしたのは2018年でそのときは「Speak yourself」と言っていた。2021年のテーマは「Love Myself」だった。

日本でも話題になったが、この2018年のナムさん(RM)のスピーチは本当に世界を震撼させていたようだ。ある女子学生は、このナムさんのスピーチを聞いて心打たれたことを私に話してくれた。


BTSが好きな彼女たちは「英語の曲より韓国語の曲の方が好き」だという。やはり英語の曲はK-popとBTSへの入り口で、そこから韓国語の曲に魅力を感じたりK-popの深みにハマったりするようになっているんだろうなと個人的には思う。


Zoomというインドの若者向けエンタメニュースを配信しているYouTubeがある。その中にK-popアイドルやボリウッド俳優、世界中の芸能人(Global Celebs)とインタビューをするプログラムがある。この番組も最初の頃はボリウッド俳優がよく出ていたようだが、2021年についにBTSがオンラインでのインタビューに登場する。BTSの他にはドラマ「梨泰院クラス」の主題歌を歌ったGAHOが出ていたり、「イカゲーム」のアリ役アヌパム・トリパティや最近はEXOのKAIもインタビュー登場していた。


韓国ドラマブーム

このインタビュープログラムにGAHOやアヌパムが出ていることからわかるように、韓国ドラマもよく見られている。

彼女たちはスマホのアプリ(OTT*)から見ている。
ヒンディー語吹き替え版を見ている場合もあるが、ほとんど英語字幕で見ている。ヒンディー語吹き替え+英語字幕で見ている人たちもいる。

ドラマで見る「あのチキン」「あのビール」「あのソジュ」「あのラーメン」「あのトッポッギ」を食べてみたいと。「あの鍵のところ(南山のNソウルタワーの愛の南京錠のこと)」に行ってみたいと。


「秘密の楽しみ」としての韓国エンタメ

このインドでの韓国ブームは「女の子たちの秘密の楽しみ」でもある。

日本でも少し前までそうだったが、親や友だちに「好きだ」と公言できる楽しみではない。こっそり楽しむものだ。

それだからこそ、BTSのファンを見つけたときや韓国ドラマをみている人に出会ったときには大盛り上がりする。「あの時のあれ、よかったよね!」「これみた?」「この曲いいよね!」「ライブに行ってみたい」「誰が推しなの?」とファンがファンに会ったときに最初にする話をするのだ。


話はやや脱線するが、私は日本人でとても「東アジア系」の顔や服装をしている。そのため大学内や寮内で全く違う専攻の女子学生が声をかけてくれるとき、彼女らは少なからず「韓国出身なのかな?」の期待をしている。

しかしながら、私は日本人だ。しかもアニメを見ないタイプの日本人だ。
「日本からきたよ」と答えると少しがっかりされ、その次に「日本といえばアニメだけど、なにが好き?」と聞かれる。「アニメは小さい頃は見てたけど最近は見てないね」と答えると、さらにがっかりされる。

そこで、「K-popが好きなの?」と聞いてみる。すると彼女らは満天の笑顔をこちらに向ける。そこからはK-popと韓国ドラマの話だ。

私がもし韓国出身だったら、彼女たちはもっと大盛り上がりしてただろう。
大邱出身だったら「Vと一緒じゃん!!」とかそういう話に進んでいたのではないかと思う。


学生たちはインドのいろんな地域から集まっているため、「女の子たちの秘密の楽しみ」であるこの韓国ブームはインド全土で起きているのだろう
しかし、インドは広い。そのため「いやいや私の周りでは流行っていませんよ」というのもあるだろう。

年齢層や英語に親しみがあるかどうかも関係している。そもそも英語に親しみがなければ、SNSやOTT上の韓国エンタメは楽しめないし、検索できないし検索上位にも上がってこないだろうしな。


BTSもEXOもインドに来ることはまだまだ先になるだろうし、来ないかもしれない。彼女たちがライブで彼らに会える日がくればいい。彼女たちが親世代になる頃には、韓国コンテンツも「秘密の楽しみ」ではなくて、ハリウッド映画やマーベルのように国外エンタメのひとつとしてみなされるようになるといいなと勝手に思っている。


*OTTはNetflixやAmazonプライム、YouTube、Disney+HOTstarなどのオンラインストリーミングサービスのこと

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