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堅物な地方公務員、エルフと邂逅する『公務員、中田忍の悪徳』感想

公務員。

つまりは、公共サービスを執行する職員のこと。

私も一応、図書館で司書の仕事をしているので。

公務員といえますね。

とはいっても。

絵本の読み聞かせ、といった仕事をしていると。

「これ、公務員の仕事なのかなぁ」という思いが、時々あったりもします。

でもまあ、好きでやっているから、良いんですけどね!


さて。

というわけもあるのですが。

本日、ご紹介するライトノベルは、立川浦々先生の『公務員、中田忍の悪徳』(2021年9月刊行)です。

今回は、公務員が主人公のお話です。



あらすじです

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

 未知との遭遇ーー地方公務員×異世界エルフ。

 区役所福祉生活課支援第一係長、中田忍(32歳独身)。
 トレードマークは仏頂面、責任感が強く冷酷で誠実、他人に厳しいが、自分自身にはもっと厳しい男である。
 無感動、無愛想、無慈悲の三拍子揃った生き様は、他の職員に“魔王” “爬虫類” “機械生命体“などと評され陰口を叩かれているが、忍はどこ吹く風であった。
 ある日の深夜。
 仕事から帰宅した忍は、リビングに横たわるエルフの少女を発見した。
 濡れタオルで鼻と口を押さえつつ、知恵の歯車を回し始める忍。
 仕方あるまい。
 忍は、地球の危機を悟ったのだ。
 異世界からの来訪者と遭遇した際、まず警戒すべきは“異世界の常在菌”である。
 仮に異世界エルフの常在菌が、人類絶滅系の毒素を放出していた場合、焼却処理では間に合わない。ダイオキシンの如く、半端な焼却処理が土壌を侵し、その灰が風に乗り雲になり、毒の雨となって大地に降り注ぐ可能性も否めないのだ。
 ならばエルフを即座に、極低温で凍結し、最善で宇宙、あるいは南極、最悪でも知床岬からオホーツクの海底へ廃棄するしかない。
 必死に足掻く忍の前で、エルフの両瞼がゆっくりと開きーー
 第15回小学館ライトノベル大賞優秀賞を受賞した、紛うことなき問題作。

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というわけで。

今回のテーマは、「堅物な公務員が、エルフに出会ったら」です。



堅物ゆえに、変な方向へ……

さて、この作品について書いていくのですが。

なんといいますか。

非常に変わったタイプの作品となっております。

一言で、本作を表すのなら。

「堅物公務員が、エルフという生命体にファーストコンタクトをする」お話となります。


まず主人公である、公務員・中田忍についてですが。

職務を全うする上で、愚直なほどに真面目な男となっており。

まあ一言で書くのなら。

「超がつくほど、真面目な堅物」と説明できます。

そんな彼が自宅に戻ったら、あら不思議。

エルフの少女が、横たわっていました。


突拍子のない出来事でしたが。

彼は思考を巡らせます。


その結果、彼がまず思いついたのが。

異世界の「菌」についての存在でした。


もしも、異世界での「菌」が、現代世界では毒となり。

世界各国に蔓延したらどうなるのか。

おぞましい結果を想像した中田は。

ならばと。

エルフをすぐさま冷凍しようとします。


そのため友人に、液体窒素と冷凍コンテナを手配するよう、電話するのですが。

その際に、エルフが目を覚まして――。

というのが、話のあらましです。



この話の面白い所について

公務員であり、主人公の中田忍の真面目なズレ加減かと。

エルフとのコンタクトを試みる中田でしたが。

日本語が話せないエルフとのコミュニケーションは非常に苦労します。

そんな中で、様々な仮定や認識を1つずつ説いていき。

エルフとは、どのような種族なのかというのも。

中田の友人や、職場先の後輩(女性)との会話劇で。

楽しませてくれる作品となっております。

というよりも、この作品。

舞台設定が、中田の職場と自宅だけという。

突拍子のないものとなっております。

そこの所、尖っていて良いね!



この作品の欠点について

とにかく、中田の自宅で起きる。

エルフとのコンタクトに趣を置いた作品であるため。

事件性が、ほとんど無いことがマイナスポイントかと。

あとは、会話劇なのですが。

仮定や実験的な内容が大半なので。

読んでいる側にとっては。

退屈に映るかもしれません。



最後に

とはいうものの。

ライトノベルの新人賞らしい。

非常に尖った作品となっておりますので。

ワンパターンなライトノベルばかりを読んできた人にとっては。

中々に新鮮に映る作品ではないかと思います。

なので。

こういった場所で、宣伝してみたりするのです。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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