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☆学級経営62☆全体へのアプローチと個へのアプローチの考え方 その1

学級や子どもたちに伝えたいことがあるときに、どのようにアプローチをするかということを考える先生方は多いことと思います。

「この件は、学級全体に向けて話した方がよいのか?」
「ひとりひとり個別に話をした方がよいのか?」
「特定の子への指導だけで様子をみてよいのか?」
と考えることが日々あるのではないでしょうか。

よく行う方法として、学級全体に向けて一斉に伝えたり、問い掛けたりする全体へのアプローチの仕方と、

特定の子どものみ、または、ひとりりひとり別々に伝えていく個別のアプローチの仕方があると思います。

伝えたい内容や目的によって、どのアプローチの仕方がよいかは変わってくるのではないかと思い、今回は考えをまとめてみることにしました。

全体へのアプローチ


全体へアプローチをすることが有効であるのは、次の3つのような状況ではないかと考えました。

「共通理解する」場面

「これは皆で共通理解しておきたい」ことは様々にあります。

一日の予定を伝達するような基本的なことから、学級や学校のルールやシステムを説明したり、集団生活における基本的なマナーを伝えたりするなど、一部の子どもだけ知っていればよいわけではないことを、全員で理解したいような場面です。

「深める」場面

上記の「共通理解しておきたいこと」も含め、子どもたちが既に知ってはいるが、その価値や理由を皆で考え、深めていくような場面です。

「友達と仲良くする」ことや「学校のルールは何のためにあるのか」など、常日頃から耳にして、子どもたちにとって既に知っている・分かっていることは多々あります。

しかし、それらが抽象的な理解にとどまっていたり、概念的なものになってしまっていることで、それらがないがしろにされ、行動に結び付かないこともあります。

また、発達段階に応じてそれらの理解をより高度なものに深めていくことができるのに、そうされていない場合もよくあります。

そのように、ひとりひとりの考えや意見を出し合い、話し合うことで、物事について理解を深め、本質的なところに目を向けていくことを目指すような場面では、全体へのアプローチが有効であると考えています。

個人内で、その価値を見つめ、より深く自分の内面に落とし込むことを目的とする場面とも言えると思います。

「厚くする」場面

上記の「共通理解する」場面は、基本的な伝達を行うレベルのことですが、共通理解しただけでは実践行動に移していくにあたって、十分でない場合があります。

単純に伝達レベルの共有をしただけでは、知識として理解はできているかもしれませんが、個人として、または、学級としてどのような態度でその物事に向かっていくのか実践的な意欲にまでは結び付いていません。

実践的な行動に移していくために、個人としてどのようにその物事と向き合っていくか、集団としてどのようにまとまって取り組んでいくかなどを考え、気持ちや意欲を高めるために伝えたり、話し合ったりする場面でも、全体へのアプローチが有効であると考えています。

行動として、どのように表に出していくかを考え、意欲を高めていくことを目的とする場面と言えると思います。


次回は、個別のアプローチについてまとめてみようと思います。みなさんは、全体へアプローチをどのようなときに行いますか。ぜひ教えてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。