シナモンパン

毎週、シリーズものと読み切り作品を、1つずつは更新していく予定です。 気ままに書くので…

シナモンパン

毎週、シリーズものと読み切り作品を、1つずつは更新していく予定です。 気ままに書くので、皆さんも気ままに楽しんでください。 今のところは全作品無料で公開する予定ですが、気が向いたらお金をせびるようになるかもしれません。 僕の気が変わる前に最新話まで追いつくことをお勧めします。

最近の記事

学会遠征編ショート版 第39話 トゥクトゥク

エメラルド寺院を求めて  無事全員の発表が終わったので、これにてこの会はお開きだ。夕食を共に過ごすパーティーなどは無いので、現地で解散である。荷物を揃えて帰ろうとしたとき、僕に1人話しかけてくる人がいた。その人は日本の学生で、我々の教授のことを知っている人だった。学会ではこういう出会いがある。違う大学の研究室だろうと、研究テーマが似通っているので学会の場ではよく会う人となるかもしれないのだ。残念ながらその人はこの3月で卒業なのでこれで最後だが、徳島で会った人たちはこれから先

    • 学会遠征編ショート版 第38話 タイでの発表本番

      発表の順番  やってきてしまった。自分の発表である。あれだけ緊張してないと言っておきながらも、いざ発表者の席に座ると迫力は全然違う。これからしばらくは英語しか通じないのか。そういった緊張感である。だがしかし、これは高揚感と捉えてもいい。昔の自分にこれができただろうか。今やろうとしていることを挑戦する気になれただろうか。自分のレベルアップには最適なイベントである。そう思って前向きに立ち向かうことにしたが、さっそくトラブルが起きた。USBの認識に時間がかかったのである。直前が休

      • 学会遠征編ショート版 第37話 バンコクのホテルビュッフェ

        昼食  12時を回り、昼食の時間となり、参加者は2Fに招待された。どうやら、こういう1ホテル貸し切りタイプの学会は昼食までついてくるらしいのだ。軽食用に持ってきたパンはこれにて役立たずとなる。もっと先に知りたかったという後悔とは裏腹に、お高いホテルのランチがタダで食べられるというハッピーイベントに胸を躍らせていた。CRAZYは昼食があることを知っていたらしい。さすが、ドクターなだけあって国際学会については十分慣れているようだが、それならそれで教えてくれてもよかったじゃないか

        • 学会遠征編ショート版 第36話 国際学会の始まり

          前回のあらすじ  昨日(学会遠征編 5日目 バンコク上陸|シナモンパン (note.com))に、タイのバンコクに上陸した。人生初海外で湧き上がる中、まずは1日CRAZYと一緒に観光した。熱帯の蒸し暑い気候や金ぴかの寺院、汚い川にスパイシーな料理など、日本しか知らない自分にはどれも刺激的で目新しいものばかりであった。 朝食  前日の夜に朝食は買っておいた。今日は出発が朝の7:30なのでそんなに時間がないからである。ホテルに朝食を付けたとしても、開始時間が7時では十分に食

        学会遠征編ショート版 第39話 トゥクトゥク

          学会遠征編 5日目 バンコク上陸

          前半のあらすじ  名古屋市在住の大学院生が学会発表のために出張へ。発表は2本あり、1つは徳島、もう1つはバンコクで行われるが、その2つの学会の開催日が近かったのと、中部国際空港でうまく飛行機の予約が取れなかったことを理由に、途中で帰らず連続で行くことにした。前半では徳島に行き、徳島大学にて無事発表を終えることができた。また、少しできた時間を使って徳島県観光したり、ヤケクソで淡路島に行ったりと旅行を満喫してきた。そんな今は関西空港にてバンコク行きの便を待ち構えている状態。人生

          学会遠征編 5日目 バンコク上陸

          学会遠征編ショート版 第35話 タイの夜遊び

          バッポン通り  ひときわぎらついた通りがこのバッポンだ。ソフトに言えば夜市を開く場所となるが、もっと踏み込めば夜の要素がふんだんに含まれた場所ともいえる。なんというか、はじめて歌舞伎町を見た時のような感じだ。激しい騒音と昼より眩しい光が夜の世界を構築している。ここはゴーゴーバーという夜のお店が有名であり、下半身に脳を支配された男たちが多数吸い込まれていく。どんな場所なのかというと、若い女の人がたくさん踊っていて、一緒にお酒を飲んだり、持ち帰ったりするのだ。お店がいかつすぎて

          学会遠征編ショート版 第35話 タイの夜遊び

          学会遠征編ショート版 第34話

          シーロム通り  このシーロムの通りをもっと東に進むと、とても文化的なスポットがあるという。それが、バッポン通りだ。辛さの余波にヒィヒィしながら歩いていると、突然誰かが自分に声をかけてきた。はいはいタクシーね、と最初は無視したが、それでも声をかけてくるので振り返ると、全然知らない人が歩いて近づいてきたのだ。顔ぶれを見るにタイ現地の人ではなさそうだ。スリかもしれないと警戒しつつ、少し英語で会話することにした。周りにグルはいなさそうだ。念の為貴重品の入っているウエストポーチには手

          学会遠征編ショート版 第34話

          学会遠征編ショート版 第33話

          食べに行こうか  夕食の場所を探す前に荷物を整理することにした。これまでは財布に日本円もタイバーツも一緒に入れていたが、これでは支払いのときに困るということで分けた。ちょうど、路上で買ったゾウさんの小銭入れがある。これにバーツとクレカ、キャッシュカード、ホテルキーを入れて持ち歩くのだ。自分用に買ったお土産が早速有効に使えて嬉しい。あとは洗濯物を持っていくことにした。少し歩くが、外にコインランドリーがあるらしい。その道中で良さげなレストランも探すという作戦だ。  早速出発した

          学会遠征編ショート版 第33話

          学会遠征編ショート版 第32話

          高級ホテル  預けていた荷物を回収し、ホテルのキーももらった。僕の部屋は12階だ。エレベーターまではホテルの人が案内してくれた。なんというおもてなしの精神だろうか。こうして自分の部屋までたどり着いた。カギの開け方はわかる。カード挿入口にシュッと一瞬入れればいいのだ。CRAZYのホテルで学んだことである。そして部屋に入って一つ目の感想。高級すぎないかと思わんばかりに興奮した。初めての海外旅行でホテルの衛生面には覚悟を決めていたところだったが、一瞬でその心配は吹き飛んだ。先ほど

          学会遠征編ショート版 第32話

          学会遠征編ショート版 第31話

          汚い川  上の階から出ると、謎のオブジェが外にあったので記念撮影をしておいた。CRAZYは向こうだと言って歩道橋を渡ろうとしていたが、最短で買えるなら渡らない方がいい。とはいえ行きに通らなかった側の道なので面白そうだと思い、そちらを歩くことにした。確かに、道路から見て左側を歩いていると路上のタクシーに乗らないか?としつこく付きまとわれるので右側を歩くのは手かもしれない。またもや謎の寺院を見つけた。ここはここで名所の一つらしい。結局もっと歩いた先の歩道橋で横断しなおすことにな

          学会遠征編ショート版 第31話

          学会遠征編ショート版 第30話

          服を買おう  上の階へ。エスカレーターを上がった先の2Fは品出しされる前のような、段ボールで山積みの状態の店が窮屈に存在していた。人がぎりぎりすれ違える程度の細い通路だけ残し、2Fにはどこにも入るなと言わんばかりに3Fへのエスカレーターへと誘導されたのだ。3Fでは、見える景色が更新されたかのように思えた。日本でよく見る大型ショッピングモールと言えば、吹き抜けのような形になっていることが多かったりするだろうが、ここは違った。2Fまではそのようになっているが、3Fで一度また広い

          学会遠征編ショート版 第30話

          学会遠征編ショート版 第29話

          巨大施設  午後の観光は自分たちのホテルから遠くないところで行けそうなところということで、アイコンサイアムに行くことにした。空港で出会った男性に教えてもらったところの一つだ。歩いて向かったのだが、道中にも様々な寺院が存在していた。2人ともタイ語も仏教も歴史にも詳しくないのでありがたみがよくわからないが、金ぴかで何か凄そうということだけはひしひしと伝わってきたので、お参りしてみたくなってしまった。中に他の観光客がいたので大丈夫だとは思うが、本当に入っていいのかわからなかったの

          学会遠征編ショート版 第29話

          学会遠征編ショート版 第28話

          現地の飯  荷物も軽くなったところで食事処を探すことにした。前述のとおりマクドナルドなど有名なチェーン店ならどこにでもあるが、ここまできたなら現地のタイ料理を食べてみたい。何が有名なのか、下調べが浅かったのは要反省だが、ここまでの道もそうだが歩けば飲食店はいくらでもあった。バンコクは人口の多い首都なのでそのあたりに関しては心配いらないだろう。ただ、Googleマップを見たところでタイ語でしか書かれていないのでどこが何の店なのかわからない。実際にその店の前にある展示物やメニュ

          学会遠征編ショート版 第28話

          学会遠征編ショート版 第27話

          CRAZY TIME  今ここにいる僕のホテルは、シーロムの通りにある、明日の学会会場から600mで道一本の好立地だ。対してCRAZYが予約したところはここからもっと西にあるところである。とはいえ2km以内なので全然歩いて行ける。CRAZYの荷物も預けたいのでそちらに向かうことにした。またもや猛烈な暑さの中をかぎ分けるのである。南の方角に歩いていると、そこでは多くの人が路上で物を売っていた。こちら側も向かい側も食べ物や衣服が数多く売られている。中でも我々の目を引いたのが小道

          学会遠征編ショート版 第27話

          学会遠征編ショート版 第26話

          タイの景色  またタクシー地帯を通り抜け、空港の中に戻った。よく見れば電車の駅への道を示す看板があったのだ。なんだ、やっぱり地下にあるじゃないか。ということで地下に降りた。降りるときはエスカレーターというよりかは、長くて緩い坂のベルトコンベアだった。少しゆっくりできる。CRAZYは自分のスーツケースに腰かけてニヤニヤしていたので、「息子が見たらどう思うだろうな」と皮肉交じりに行っておいた。CRAZYはこれだけ周りを振り回すわんぱく小僧だが、それでも故郷に妻子がいるので立派な

          学会遠征編ショート版 第26話

          学会遠征編ショート版 第25話

          入国審査  飛行機を降りた瞬間から蒸し暑さがやってきた。これに備えて飛行機にはそんなに厚着せずにいたのだが、もっと薄くてもいいだろう。その服はスーツケースに入っているので荷物回収をスムーズに実行したい。その前に入国審査を済ませる必要がある。長い長いベルトコンベアの途中でCRAZYと再会した。いつも通り元気そうだ。彼は僕以上に出入国には慣れていると思うのでわざわざ言うまでもないが、君はビザも必要だと言っておいた。ケニア人なので入国にはビザが必要である。その後看板の指示通りに移

          学会遠征編ショート版 第25話