441Hz-Tsubasa Ambassador

Tsubasa Ambassador ピアニスト、ドラマー、作曲家、画家、詩作家、…

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Tsubasa Ambassador ピアニスト、ドラマー、作曲家、画家、詩作家、小説家、エッセイスト ■Instagram https://www.instagram.com/tsubasa_ambassador_441hz/

マガジン

  • 夢日記

    僕は小さい頃から沢山の夢を見てきました。ここ5,6年では夢を日記として書いています。さすがに個人の名前などは仮名にしますが、とても面白い内容だと思っているので公開していきます。

  • 短編小説集

    僕が作った短編小説をまとめたマガジンです。

  • エッセイ集

    僕が書いたエッセイ集です。

  • 自己紹介

    僕自身のことや、アーティスト活動全般、作品の大きなコンセプトの紹介などをまとめたマガジンです。

最近の記事

【夢日記】不完全な創世記

 かつて彼の双子の兄に絞首台に送られた彼は、稲穂が黄色い音を互いに擦り付けている間、鈍い笑い声をあげていた。彼が笑えば笑うほど、ピアノを聴かせようとしていた彼の手は冷たくなって、関節と関節との間が硬くなっていく。その目はガラス玉のようで、そこに映る生体というのもはどこか機械じみているのであったが、このようにアイツの冷血で楽しそうな様子は、僕にとっては嬉しいものだった。  彼は依然として音楽が好きだったため、靴の裏の金属とアスファルトとをぶつけて、火花を散らしながらコンサートに

    • Puddle Galaxy

      I looked out at the city lights from the intersection. It was raining, multicolored neon lights were bouncing around in puddles. People without umbrellas mix these lights The puddles, all white, are like the moon on the black asphalt, illum

      • For sweet tooth

        The candy will melt in time. The more heat there is, the more When it all melts, the sweetness disappears, and a feeling of emptiness will set in. Sooner or later, you will look for a new candy. Repeating this, you think, "No more candy!"

        • Dislike Spring

          When I listened to the music I’ll take you to anywhere Like the king of underworld. Exposed to the memories of you, I was pushed over a cliff, deeper,deeper. In my conscience helplessly inebriated, Watchdogs play friendly. You hope the spri

        マガジン

        • 夢日記
          16本
        • Poem
          4本
        • 短編小説集
          7本
        • エッセイ集
          4本
        • 自己紹介
          1本
        • 届けられなかった手紙
          7本

        記事

          Sweet Headache

          When you have a headache, what do you usually do? I'll shake my head . Then… It gives me more headache. Is it fanny, right? ? Even if I had medicine, I wouldn't take it. Because the medicine will take the pain away from the next headache,

          【小説】真っ赤なマニュキア

           窓から朝日が溢れる中に揺れる埃のように、僕は満員電車の中で揺れていた。昨日の夜は良く眠れなかったから、視界がぼんやりと歪んで、世界が光の霧の中にあるようだ。僕はその埃を払うように人の香水の匂いや、前に立つ女性の髪の毛、寝不足の気だるさを全て払った。だが、払った埃は空へ舞うものだ。自分の香りがついた他人の匂いが空気中に撒き散らされて行く気がして、僕はくしゃみをした。すると側の人々は苛立ち、不機嫌な様子で僕を睨みつけてくる。  だが僕はもうこんなことには慣れてしまった。この東京

          【小説】真っ赤なマニュキア

          【小説】僕の炎

           月が最も天高く上がる時間には、外には誰もいない。街では信号機の点滅の他に動くものはないし、僕が多少叫んだって、走ったって、街の静寂は変わらない。この静寂はある種の安心だ。僕は毎日、この静寂に向かってランニングをする。深夜1時半になるとランニングウェアに着替え、部屋で柔軟体操を始める。  外へ出るのは寒いから少し躊躇ってしまう。だが、ドアを開けて冷たい風に当たると、鼻がツーンとして、涙が出ると、「ああ、僕の季節がやってきた」と思うのだ。少しばかりしみじみした後にアパート脇の小

          【小説】僕の炎

          【夢日記】神様の言うとおり

          今日はね 神様の夢を見たの 僕はね 22のうちの18まで直感したの 神様はね ビックリしてたよ 残りの4つは 一緒にいた人2人が犠牲になって 神様が2つ埋めてくれて ついに僕はあの場所へ渡っていった。 2002年5月11日

          【夢日記】神様の言うとおり

          【夢日記】僕のカタチ

           僕はテロリストかもしれない。なぜ僕がそう考えるようになったかと言えば、たくさんの人から追われるようになり、温泉付きのラブホテルを隠れ家にして、ひっそりと生活をしていたし、テレビをつけてニュースをかけると、僕の殺害方法についてコメンテーターが議論しているからだ。どうやら、僕は射殺か爆死かのどちらかになるとのこと。  暫しの潜伏期間に飽き飽きして、僕は実家に旅行に行くことにした。実家への長旅を終え、昔のセーフルームに入り、僕はいつの間にか寝てしまった。暫くしてテレビの音がうる

          【夢日記】僕のカタチ

          【夢日記】強張った赤

           海辺の研修所での夜、切れかかった照明の点滅に晒された門口からから僕は抜け出し、砂浜に向かおうとしてた。真っ暗な視界には恐怖を感じたが、蝉と鈴虫が鳴いている声が光の代わりに世界を形作ってくれた。そんなことを考えると砂浜に向かう目的を忘れそうにもなったが、一世一代の思いを告げに行くことを思い出した。  砂浜に着くと黒い人物の影があった。きっと誰かがここにいる、と予め知らなかったらば、恐怖でしかないだろう。影はナジェーテの影だった。彼女はバンドの練習で忙しそうだったが、砂浜に立

          【夢日記】強張った赤

          【夢日記】朧げな注射痕

           昔、重度の糖尿病を患った女の子と付き合っていた、という記憶がある。でも、顔も名前も、どうやって付き合うに至ったのかも、なぜ別れてしまったのかも、一切思い出せない。本当に付き合っていたのかさえ分からない気がする。唯一思い出せるのは、彼女の雰囲気と、彼女がインスリン注射する姿だけだ。  彼女は大阪に住んでいて、僕が住む東京と大阪の中間の熱海や小田原でよく会っていた。初めて彼女と食事に行った時、彼女は平然と指に針を刺し、血が指から滴ると、ある機器を取り出しそこから伸びる細い紙に

          【夢日記】朧げな注射痕

          【エッセイ】幸せジャンキー

          タバコと幸せはよく似ている。  他人がそれを持っていると、心の中では嫉妬の炎が燃え始める。ただ隣の煙は煙たいし、臭くてたまらない。自分の好きな匂いしかいらないのだ。だからこそ、それを謳歌する場所を制限したがるし、皆肩身の狭い思いをするのだ。区画を制限され、部屋を制限され、時間を制限され、幸せはほぼ完全に自分の空間でしか許されない。  でも昔を振り返ってみれば、それはどこでも見られた。駅でも、家でも、オフィスでも、どこでもそれは立ち上っていた。多少臭くても、迷惑を感じても、

          【エッセイ】幸せジャンキー

          【小説】命を燃やす我が子

           また手から命が溢れていく。命が溢れていく音がする。決して知らなかったわけではないが、命も時間も有限だ。いつからそれが無限だと勘違いしていたのだろうか。いや、きっと人はそれを失う時に初めてその価値を発見するのだ。  今から約5年ほど前、僕の体はひっそりと傷ついていて、痩せ細っていた。1週間を300kcalで動く低燃費さには、おそらく宇宙にあるどのエネルギーだって勝てない。むしろ食事は拷問のようにさえ感じたものだ。僕にとっての食事とは、少量であれば趣味で、一定量は義務で、許容

          【小説】命を燃やす我が子

          【自己紹介】アーティストとしての活動について

          Preface/はじめに アーティストとして活動を始めてから約半年が経って、初めて自己紹介をさせて頂きます。Tsubasa Ambassadorと申します。なぜこのタイミングで自己紹介かといえば、この半年間で自身の活動の意味・意義などある程度固まってきたと思ったからです。今回は、僕のアーティストとしての活動のコンセプト・背景などをここに記して、自分の活動の意義・目的を宣言したいと思います。 Reason/アーティストになろうとしたキッカケ  正式にアーティストになろうと

          【自己紹介】アーティストとしての活動について

          【小説】帰れない大人

           「次は、新宿。お出口は右側です。」  車内アナウンスは、イヤホン越しに微かに聞こえる。車輪と線路が擦れる静けさの中で、僕はカフカの『変身』を読んでいた。昼下がりの日差しが、ビルの隙間から本の文字の空白を白飛びさせ、文字が浮かんで見えるようだった。  僕はイヤホンをつけると落ち着く。それもノイズキャンセリング機能が付いていると尚良い。なぜかと言えば、僕が大嫌いな人間臭さは、目でも鼻でもなく、一番耳から臭うからだ。逆に言えば、耳を塞いで仕舞えば目に映るのは人形劇であり、糸で操

          【小説】帰れない大人

          【エッセイ】たまらなく愛おしい死

           死への憧れを持つことは、不幸な人間の特権ではない。死は実際、これまで愛したどの女性よりも美しく、優しく、魅惑的なはずである。  死は無をもたらすが、何も聞こえず、何も見えない完全さは、全ての実在から刺激と緊張を奪い、自然と一体となることを許容する。また死において、思考はもはや不要で、脳内の喧騒は、深夜の住宅街の静けさを帯びる。つまり、無とは即ち忘却の許可であり、忘却は人間にとって唯一の不可能性そのものであり、人が天国としてイメージするものに根本的に近しい。  たしかに一般的

          【エッセイ】たまらなく愛おしい死