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エッセイ

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文章をまとめています。 トピックは、様々です。 意識の状態の良いときに生まれてくる、呼吸の通った文章を残せるようにと思っています。
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2023年6月の記事一覧

カラスに認めてもらった

カラスに認めてもらった

猫のトラは、私が療養のために実家へと帰らせてもらったその年の春に与えられました。

まだ生まれて数ヶ月、小さな身体。

その可愛さに思わず、餌付けしてしまいました。

身体の特徴からしておそらく、向かいの家の猫の子。

茶トラで、ビー玉みたいに綺麗な薄いエメラルドグリーンの瞳。

優しい性格で、人見知り(猫見知り?)をする。

うちでは昔、犬も飼っていましたが(芝犬)、犬みたいに一緒に近所を散歩も

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使徒

使徒

私の地元の酪農家に嫁いだ友人とは、私が大学院にて手痛い挫折を経験し、

療養のために故郷へと帰らせてもらった、27歳の時に出逢った。

彼女は、もとはまったく違う生き方をしていた人だった。

お嬢様。

韓国の出身で、才女。頭が良く、それでいて豊かな人生経験とその霊格の高さにより、思いやりにあふれた人だ。

私はこれまで、彼女の存在に、どれだけ助けられてきたことだろう。

私が人生のどん底にいた時

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自分が不在

自分が不在

だれかを憎いと思う時、そこには自分が不在になっていることが多いと思う。

自分が不在になる、というのは、自分の取りえた(でもやらなかった)行動にたいする責任だとか、自分がなにかのメリットと引き換えに選んだデメリットの、そのメリットの部分を"忘れて"、

一方的にデメリットの部分だけを見て、その責任を相手に一方的に転嫁してしまう、ということ。

問題をすり替えている、ともいえる。

だれかが自分をみ

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関心をもってもらうことなしには、喧嘩もできない

関心をもってもらうことなしには、喧嘩もできない

むかし、江原啓之さんがご自身の著書のなかで、こんなふうにおっしゃっていた。

「意味があるから生きるんじゃない。生き抜くことに意味がある」

江原さんの本は、私が人生の迷い子となっていた時期(生きてる限り、人はいつも迷い子と思うけれど)、よく読んで勉強させていただいていた。

講演会にも、2回足を運んだ。

時代の寵児となられていた方なので、色々と人からの念もたくさん受けたりして、大変なこともおあ

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"絶望"がひらいてくれる新しい世界

"絶望"がひらいてくれる新しい世界

自分の個性を否定される人ほど、可能性に満ち満ちているのではないかと思う。

最近まで、ある都内のホテルの最上階のラウンジで給仕の仕事をしていた。

と、過去形なのは、この仕事で得られるメリットよりも、デメリットの方が上回った、と私自身感じたから。

この理由については、置いておく。

この仕事の面白かったのは、やはり、人間観察。

これに尽きる。

飲食の仕事をしていて、一番面白いのが、これ。

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"ふつう"を信じていない人のほうが面白い

"ふつう"を信じていない人のほうが面白い

"ふつう"の枠内において自分がいかに優れているか、みたいなことを自慢してくる人って、多い。

でも、私が救われるのはいつも、"ふつう"ではない人たちの方だ。

"ふつう"なんて、本当は存在しない、

そのことを知っている人たち。

自分の育った家庭環境しかり、学歴とか、人生における"失敗"とか、人から踏みつけられた経験とか…。

そういう、"ふつう"じゃない経験をしている人たちの方が、自分の頭でも

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