#ショートショート
ショートショート「可笑しな夢」
早く寝ると当たり前だけど早起きしすぎてしまう。
今日も変な夢を見たのだけれど、とっさにメモを取りたいクセがぬけず、それはそれでよいのだけれど、タイピングの変換の間に私の細胞から鈴のような音を出してそれらははじけていってしまう。それらは独立して分裂し成長してあらゆるものの中に溶けていってしまう。それらは、くるんと丸まって膝の上にポトンと小さく落ちた巾着袋のようにまとまってしまった。
袋の中には何
ショートショート 『穴』
何だか最近 完全になると円に成るんじゃないかと思いついた。
いや、多分生まれた頃は完全でそこからどんどん欠けていくんじゃなかろうか。そんな気がしたのは人の言葉が吹き出しに入っているようで、カサカサと歩いている気がするのを見てしまったことによる。
影は吹き出しをメモを散らし落としていくように人々の思考を丸い付箋のように貼り付けている。
完全になりたいと、私は思った。この命がけで生きてきた絵画に
ショートショート 『梟の砦』
今日という日が、どんなものであっても、食べ物を与えるため生き抜いて帰宅しなければならない。
出来るならば、正直に生きたいものだ。しかしそれは自分の心の中でだけ叶う儚いもののようである。
あたりは、目線という矢が飛んで暗闇にも糸が張り巡らされ、毎日が緊迫している。
何かの、ふとした自分の無防備さがきっかけで目の前を急に暗幕が閉じることがある。そんな時私は言葉の大海に飛び込んで浸水してしまうんだ。
反転する世界に落ちているもの
日常が飽和していってしまう。
全て何かに飲み込まれて何か大きな一つの混沌になる。
そのために私はキータイプをして散漫な文章を書き発信している。モールス信号を送るようにネットの世界に発信をしているんだ。
ここはもう磁気が意識を持って支配されている。こんなことを書いている自分でさえ意識が奪われて混沌の一部になっていってしまう。
ここ というのは、自分の座っている何の変哲もない部屋の、散らかった
夜の森は闇よりももっと深くたどり着いてかすめるのは魚。
夜の公園で私は暗闇に足を取られた。満ち潮のように眼の中に群青色を取り込み眼球の奥は冷たい火花が飛んだ。夏の夜。
今、この足を踏み入れたところから世界がひっくり返ったんだ。そう思った。私は近日にいろいろな感情と相撲を取って、自分の中の長テーブルに大層な燭台が並んでたくさんの人たちが会議をしていたのだ。それは夜を歩くことによって行われる。疲労感に夢遊に近いものを感じて見えないものたちに挨拶をして進む