#小説
ショートショート 『梟の砦』
今日という日が、どんなものであっても、食べ物を与えるため生き抜いて帰宅しなければならない。
出来るならば、正直に生きたいものだ。しかしそれは自分の心の中でだけ叶う儚いもののようである。
あたりは、目線という矢が飛んで暗闇にも糸が張り巡らされ、毎日が緊迫している。
何かの、ふとした自分の無防備さがきっかけで目の前を急に暗幕が閉じることがある。そんな時私は言葉の大海に飛び込んで浸水してしまうんだ。
反転する世界に落ちているもの
日常が飽和していってしまう。
全て何かに飲み込まれて何か大きな一つの混沌になる。
そのために私はキータイプをして散漫な文章を書き発信している。モールス信号を送るようにネットの世界に発信をしているんだ。
ここはもう磁気が意識を持って支配されている。こんなことを書いている自分でさえ意識が奪われて混沌の一部になっていってしまう。
ここ というのは、自分の座っている何の変哲もない部屋の、散らかった