#zephyrの手帳
moon maiden
今日は月のことを想う
隠された乙女の秘密はそこにある
彼女の鈴の音には
ずっと耳を傾けていたいと願った様に
いつの日か
月を見て涙を流した貴方の頬は
月光に照らされて
透き通る青白い肌はまるでドールだった
さみしげに照らされ映された輪郭の
その完成しすぎた曲線を
また眺めてしまうのは私
水鏡さえも虜にした
幻想の乙女ほど
記憶の栞にしたいと願ってしまう
水の泡のごとく消
romanticist
僕はロマンチストだ
大分前からそれを自覚しているし
だからどうということも無い
むしろ道行く人達に
僕はロマンチスト!と耳元に囁きたいくらいなんだ
街灯に照らされた恋人達は
きっと愛の告白をしているし
なんて事ない顔をして黙々と仕事をするあの人は
ウエイトレスを横目に
恋心をときめかせているに違いない
湖の畔では年老いた老夫婦が
仲良さげに手を組んで
今日だけの景色を眺めて
窓の額縁 滲んだ水彩画
窓の額縁
水彩画の滲んだ夕焼けの先は
無垢な少女の
亜麻色の眼 紅く染まった頬
とても美しかった
色はあらゆるものを彷彿とさせる
そんな奥行きのあるものだと思う
どうしようもない空白を感じたら
想像をはたらかせ色を操る
私はそういう感覚で繋いできた
夏は終わった
秋の訪れを囁いた風が
色づいた木の枝の上で踊っていたあの日
あの日の夕暮れは涙がでるほどに美しかった
無垢な少