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NHK大河ドラマ『光る君へ』/『枕草子』

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2024年放送NHK大河ドラマ『光る君へ』および清少納言『枕草子』について取り上げた記事をまとめています。
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#大河ドラマ

【光る君へ】第23回「雪の舞うころ」

【光る君へ】第23回「雪の舞うころ」


座長が映ると今回は久しぶりに、そうイライラせず見られた。制作陣が故意に貶めて描く方針のキャラクターが登場しなかったためだろう。道長の言動もようやくブラック化してきたし。やはり道長には父親以上の「ワル」になってもらわなければ。

越前の松原客館や国府における、宋人や地元の役人たちの思惑の交錯も、それなりに見ごたえがあった。昔の大河ドラマならばメインパート扱いになるところだろう。異文化との出会いや、

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【光る君へ】第21回「旅立ち」

【光る君へ】第21回「旅立ち」


感涙にむせびたかったけれどウイカさんが「現時点での一生のお願いです。」と勧めていた「光る君へ」第21回。

『枕草子』起筆が描かれた。
本来ならば「感慨無量」と涙するところだが、なんでまひろ発のアイデアにするのかな~。まずそこでしらけてしまう。

作劇上やむを得ず、為時宅で油を売っている場面から発展させたいのならば、せめて清少納言が自ら思いつく筋書きにしてほしかった。

たとえば…

中宮が懐妊

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【光る君へ】第19回「放たれた矢」

【光る君へ】第19回「放たれた矢」


はじめにお礼ですSNSを見ていたら、「光る君へ」第17回・第18回についての本noteレビュー記事を紹介している方がいらっしゃった。過分にも、好意的なご感想をいただけていた。

no nameさん、この場を借りてお礼申し上げます。お目に留めてくださりありがとうございました。

平安時代や文学作品についてのわが知識は、はるか遠い昔の受験生時代のままで止まっています。今回大河ドラマで平安時代中期を取

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【光る君へ】第18回「岐路」

【光る君へ】第18回「岐路」

今回も簡単に済ませたい。

大石先生や制作統括さんは、道隆一家(中関白家)に何か個人的な恨みでもあるのだろうか?道長を少しでも良く描くために負のバイアスをかけなければならないという固定観念にとらわれすぎていないだろうか?道隆も道長も、当時の貴族の常識に則って政を進めていたはずである。

今回描くべきだったできごと伊周の「皇子を産め」暴言ハラスメントは正視に耐えなかった。前回の道隆は病身で余命いくば

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【光る君へ】第17回「うつろい」

【光る君へ】第17回「うつろい」

長文を書いて、消した。
思うところはいろいろとあるのだが。

かなふみをひとつ作った。
まずは楽しもう。

「ステラnet」のサイトで定子さまが、「もし(井浦)新さんがあんなふうに責めてきたら、自分の記憶を改ざんしそうですね。」と仰せになられていた。

せっかく素敵な役者さんを呼んでいるのに、演じていてそのような思いを強いる脚本って…どうなのよ。

井浦さんにプライベートで「ヴィラン(悪役)の関白

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【光る君へ】第16回「華の影」

【光る君へ】第16回「華の影」


1030年ごしに窘められる今回は「光る君へ」関連番組から紹介する。

まずは2024年4月20日放送「土スタ」。
藤原道隆役の井浦新さんがゲストで登場。

お話に入る前に流れた、番組スタッフが編集したダイジェスト映像「藤原道隆の歩み」は、主役がほとんど登場しないにもかかわらず見ごたえ十分。さすがは大河ドラマである。

井浦さんは「歩くマイナスイオン」と形容されていた。ひと目見るだけで穏やかで優し

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【光る君へ】第15回「おごれる者たち」

【光る君へ】第15回「おごれる者たち」


次回予告がトレンド入り!「光る君へ」第15回。(2024年4月14日放送)
今回は『枕草子』にわかファンにとって嬉しい内容だった。大好きなごちそうをたくさんいただいた気分。「腹をなでる女王」は出なかったが、よい意味でいっぱいになったお腹をなでたくなる。麗しい俳優さんが大勢登場、画面を美しく彩った。

ききょうの中宮定子拝謁と女房名「清少納言」下賜場面は、SNSでたくさんの人がイラストに描き、道長

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【光る君へ】第14回「星落ちてなお」

【光る君へ】第14回「星落ちてなお」


赤い月、赤い橋2024年4月7日放送「光る君へ」第14回を見た。
前半は藤原兼家の死を描く。
時に狡猾で憎まれ役でもあった兼家だが、強いリーダーシップと政治力で物語の序盤を牽引した。

兼家は息子たちを呼び、道隆を後継者にすると告げ、「今より父はないものと思って生きよ」と命じる。
座る時は何とか自力で動けたが、話し終えて立ち上がろうとするとよろけ、従者の肩を借りて、歌いながら去る。現代ならば車い

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【光る君へ】第13回「進むべき道」

【光る君へ】第13回「進むべき道」


アイドル登場「光る君へ」第13回(2024年3月31日放送)を見た。

前回、第12回を以て主人公まひろと道長の恋模様、および藤原兼家の権力掌握への道筋の描写が完了。舞台は4年後の990年に移る。

冒頭から成年役(今回は14歳)の藤原定子が登場。
定子さまについてはずいぶん心配していたが、明るく優しく愛らしく、華のある人で安堵した。

というか、出た途端場の空気感が清々しく一新された。第9回で

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【光る君へ第11回】取り返せる失敗、取り返せない失敗

【光る君へ第11回】取り返せる失敗、取り返せない失敗

人生には失敗がつきものである。
誰しも嫌な思い、悔しい思いを重ねつつ進んでいく。

失敗にも種類がある。
自らの努力や思考方法の見直しなどにより、後から取り返せる失敗。
そして、もう二度と取り戻せず、人生が終わるまで影を落とす失敗。

大河ドラマ「光る君へ」第11回(2024年3月17日放送)を見て、そのことに思い至った。

摂政と直接対面?第11回は、花山帝退位・懐仁親王(一条帝)即位により藤原

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【光る君へ】改めて、”直秀”を想う

【光る君へ】改めて、”直秀”を想う


最も成功したオリキャラ?2024年3月3日に放送されたNHK大河ドラマ「光る君へ」第9回で、辻の散楽演者・直秀とその仲間たち、あわせて7名が検非違使役人によって殺害され、遺体が鳥辺野に棄てられる場面が放送された。

この作品では今のところ、男性キャラクターがとても魅力的に描かれている。主人公のまひろがいろいろこじらせているせいでもあるが。その中でも直秀には独特の色気と男気があり、放送が進むにつれ

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「光る君へ」序盤雑感(第6回まで)

「光る君へ」序盤雑感(第6回まで)

面白い!
面白い!!
面白い!!!

大河ドラマ「光る君へ」は2月11日時点で第6回まで放送された。回を重ねるたび面白くなる。これはマニアにはたまらないだろう。私も『枕草子』に目を通したり、SNSやこのnoteで綴られる意見に気づきを得たり、お腹を抱えて笑ったり、「#光る君絵」タグの作品に感心したりと、日々勉強している。

このドラマは48~49回程度作られるだろうか。それを思えばまだ序盤。あくま

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