かわすみ ひかり

自然と人の繋がりを「食」のレンズを通してみたい。 森が好き。   日々の備忘録も兼ねて。

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最近の記事

きよちゃんのなた巻き

なた巻きは、山形に来て初めて食べたお菓子。もち米粉、砂糖、醤油、ごま、くるみの入った生地を笹の葉で巻いて、蒸したものである。 もとは、端午の節句に食べられるものだそう。今は、笹の葉が、大きいけれど柔らかい6月に作ることが多いらしい。 きよちゃんは、ここから歩いて5分くらいの所に住んでいる80代のおばあちゃん。私が働く店の94歳の大女将としゃべりに来ている。 女将は、去年からきよちゃんになた巻きと笹巻の作り方を習い始めたとのことで、今回は、私と京都から来たスタッフも参加させ

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      山形県西川町の植物【4月】Plants in Nishikawa town, Yamagata, April

      • 朝日新聞EduA掲載

        私の留学体験記が朝日新聞EduAに掲載されました。 縁があって、お声掛けいただきました。 想いを込めて執筆したので、ご一読いただけますと幸いです。 引き続きよろしくお願い致します。 ひかり

        • 野菜がない!山菜だらけの道の駅

          西川町の道の駅に行ってみた。もともと、道の駅が好きだ。地域ならではの作物や特産品が揃っていて、地域ごとのローカルさが面白い。 そこで、サイクリングのついでに道の駅に寄ってみた。温泉とサウナも隣に併設されていた。 さっそく店内に入ってみると、緑の野菜たちが目に入った。が、よく見ると野菜ではなく、山菜が所狭しと陳列していた。 ふきのとう、わらび、根曲り竹、青こごみ、赤こごみ、行者にんにく、うるい(オオバギボウシの若葉)、ぎんぼ(これもオオバギボウシ?違いがよくわからない)、に

        きよちゃんのなた巻き

          山形の山菜料理屋にて

          今年の4月から、山形県西川町にある山菜料理のレストランで働いている。 目的は、山菜という「食」文化を通して、人と森の繋がりを知ることことだ。 私が留学していた森林大国フィンランドにおいては、自然享受権のもと、多くの人が森でベリーやキノコを摘む。トウヒやシラカバの新芽を食べる文化もある。これもまた、紹介したい。 一方で、ゼンマイのようなものには、誰も目をくれていなかった。私は、これ食べれそう!と思いたち、1人摘んで家に帰った。フィンランドの山菜の素揚げが完成。ホストファミリ

          山形の山菜料理屋にて

          思い出を料理で伝える日&Anntiのシナモンロール作りの思い出

          2023年7月16日、フィンランドのライフスタイル体験プログラムにて、シナモンロール作りの講師として参加させていただいた。エラマ(Elämä)プロジェクトのイベントで、岐阜県の高山市で開催された。 私の役割は、当日のランチ作りと、シナモンロール作りのワークショップの担当。 前回、ゴールデンウィークに、高山に来た際に、公園でコーヒーを飲みがら話していたことを実現する機会となった。 ランチ作りは、石原家の野菜と米を使わせていただけるとのことだった。地元の食材を使いたい自分にとっ

          思い出を料理で伝える日&Anntiのシナモンロール作りの思い出

          岐阜でフィンランドの味を。

          フィンランドでAnttiから学んだプッラを、岐阜のパン屋さんに出させていただきました。 1年半に亘った、フィンランドでの経験が、形になって初めて世に出すことができた第一歩な気がします。 今回の機会に対し、ただパンを売るのではなくて、実は、いろいろと意識していました。 一つ目は、フィンランドの味を届けたい!という、自分の思いです。留学中の2年間、紆余曲折はありましたが、ご飯の時間は、常に私に元気をくれて、多くの料理を学んできました。そんな、愛の溢れる”食“を通して、私が過ご

          岐阜でフィンランドの味を。

          【食】フィンランドの森の恵み1・春

          森林大国フィンランドにおいて、木は人々の生活の一部です。寒い冬を乗り切るためには、木を燃やして暖を取ります。硬い堆積岩を加工することは困難なので、南ヨーロッパのように石を加工して家を建てることもできません。物を作るにも木材が必要です。平坦な地のフィンランドでは、林業が今日に至るまで盛んに行われています。 そんなフィンランドでは、春一番に木の新芽が芽吹きます。他の植物が育つまでの間に、フィンランド人が春の緑を食べないことがあるでしょうか。春一番の恵みは、食の形でも享受されてい

          【食】フィンランドの森の恵み1・春

          命をいただく瞬間を経て。

          フィンランドで、命のありがたみを改めて深く深く考えるきっかけとなった経験がありました。フィンランド人の友人の仔牛の屠殺をしました。彼らの姉が酪農家なので、そこで生まれた仔牛を彼らが買い取り、夏の間にサマーコテージの横の森で飼育していたそうです。そして、秋、わたしのホストファミリーに屠殺の手伝い依頼がかかったので、私も参加させていただきました。私のホストファミリーは、食べるの大好きで、何でも自分達でやったりする人々なので、手伝うのは、もちろんのこと、いかに無駄の無いように内臓を

          命をいただく瞬間を経て。

          何を食べる?【肉を食べるとは。】

          よく言われていることですが、私たちが食べているお肉は、どこから来ているのでしょうか。 フィンランドに来てからは、環境問題への影響の大きさを理由に肉を食べる機会がだいぶ減りました。 畜産業による環境負荷が多大なことは、今や広く知れ渡り、情報も調べればすぐに見つかるでしょう。なので、今回はそれについては長く書きません。 ただ、ヨーロッパでは、肉食の歴史が日本に比べて長いことや、環境問題への意識が高いことから、日本に比べてベジタリアンやビーガンの人がとても多いことに驚きました。

          何を食べる?【肉を食べるとは。】

          自然と食とわたし。

          はじめに 私が食に興味を持って、こうして記事を書こうと思った理由について、自分の中でまとめてみようと思います。 以前までは、森林をもっと深堀するぞ~と思っていたのに、今では食の世界に足を突っ込み始めています。このような大きな方向転換を可能にしてくれたのは、フィンランドで生活して、自分のやりたいことをやっている人々に出会えたからでしょう。 1.自然が好き  私は、食べることも大好きですが、自然も大好きです。一言で自然と言っても、漠然としていますよね。でも、多くの人がそうで

          自然と食とわたし。

          【食】フィンランドの春の味・ルバーブ

          長い冬が明けて、緑が急に湧き出す春。 そんなフィンランドでの春一番の果物は?と尋ねたところ、 「うーーん、ルバーブかなぁ。」と言われました。 フキに近い見た目の大きな葉っぱを持った植物です。和名では、ショクヨウダイオウと呼ばれるそうです。 食用部は、実ではなく(果実はできない)、フキのように茎の部分を食べます。 そのままでは、酸っぱいので砂糖をたっぷりと加えます。 砂糖を加えて加熱すると、繊維が崩れてみずみずしくて柔らかな、甘酸っぱい味が広がります。 今では、私の大好きな食べ

          【食】フィンランドの春の味・ルバーブ

          鮮やかな夏のサウナ

          サウナは冬に楽しみながら温かるものだと思っていました。 しかし、この私の固定概念は、打ち砕かれることになりました。 青空が広がり、さわやかな風が吹く6月のある日。 池の横のサウナに入ろう!と提案され、夕方16時過ぎに薪に火をくべる。 気が付いたら、サウナは十分に温まっていた。 窓から入る光が明るい。 彼女は、すでにサウナの中でストーブに水をかけていた。 話す。汗が噴き出る。壁のマツのヤニのしずくも琥珀色に輝いている。 池に向かう。素足に触れる地面の湿り気がやわらかい。 池の

          鮮やかな夏のサウナ

          フィンランドにてWWOOFing・2022春

          ヘルシンキ大学での留学を終え、現在はユバスキュラ市の近くにあるNukulaという農家兼ゲストハウスにてWWOOFボランティアをしています。WWOOFとはWorldwide Opportunities on Organic Farmsの頭文字を取った単語で、有機農家におけるボランティア交流の機会を提供するNGOです。私は、今回で人生で5回目のWWOOFerとしてボランティアをさせていただいています。 ここの農家は、フィンランドに来る前から連絡を取っていたので、3年越しに来るこ

          フィンランドにてWWOOFing・2022春

          私のヘルシンキ大学留学/visiting student

          ヘルシンキ大学は、1640年のオーボ・アカデミーを前身とするフィンランドで最大・最古の大学です。今回は、なぜ協定校でもない地方大学に通う私が1年半も留学することのになったのか、紹介していきたいと思います。 ヘルシンキ大学訪問学生ヘルシンキ大学は、訪問留学生(visiting student)として、協定校以外の大学生を受入てくれる仕組みがあります。どうしても、挑戦したかった私は、高校では赤点ぎりぎりだった英語の勉強から始めました。 私の場合は、ある森林科学部のある教授のも

          私のヘルシンキ大学留学/visiting student

          2022年あけまして。

          なんということだ。気が付いたらフィンランドに来てから、400日以上が経過している。(noteも、もっと更新するつもりだったのに...。)ただ不思議なことに、もっと昔からフィンランドに住んでいるような気もどこかでする。5か月間来るって聞いてたのに、1年半もいるなんてね!とホストマザーに笑われる始末である。 2021年を一言で表すことはできないが、多くの常識が覆された1年であった。文化が違うと言えばおしまいだが、生き方、考え方、改めて自分自身に問う機会が増えた。自分を見つめる機

          2022年あけまして。