見出し画像

鮮やかな夏のサウナ

サウナは冬に楽しみながら温かるものだと思っていました。
しかし、この私の固定概念は、打ち砕かれることになりました。


青空が広がり、さわやかな風が吹く6月のある日。
池の横のサウナに入ろう!と提案され、夕方16時過ぎに薪に火をくべる。
気が付いたら、サウナは十分に温まっていた。
窓から入る光が明るい。
彼女は、すでにサウナの中でストーブに水をかけていた。
話す。汗が噴き出る。壁のマツのヤニのしずくも琥珀色に輝いている。
池に向かう。素足に触れる地面の湿り気がやわらかい。
池の表面には、シラカバの花粉が黄色く浮いている。
水は、心地よい冷たさ。
池を眺めながら、裸体で座る。
ボートが遠く先を横切る。もくもくとした雲が流れる。
水面がきらきらと光る。
森の新緑が目に染みていく。
優しい気温が体を包み上げる。


夏のサウナは、とてもみずみずしく、鮮やかでのんびりとした時間が流れていました。
目の前に広がるのは、池と森のみ。こんなに静かで、平和な空間があることに深い感謝の気持ちでいっぱいになりました。
フィンランド人が夏にもサウナを楽しむ理由がようやく理解できた瞬間でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?