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【下ネタの謎】瑛人の香水(タイ語)

最終更新 2024年

瑛人さんが、香水をタイ語でカバーされました。
すると、日本人からは、下ネタに聞こえるとかなり話題になり、
一方でタイ人からは、全く聞き取れない、と話題になりまして💦

どうやら、もう一度特訓して改めてリリースするそうです。
瑛人さん自身がタイ語で歌い上げること自体すごいのに、尚更びっくり。
でも最初聞いた印象としては、すごく上手だな、と思いました。

僕はタイ語を語れるほどできるわけではないのですが、タイの学校に通っていた時期があります。
タイ語は、声調というイントネーションの使い分けが必須です。
タイ人が聞き取れるようにタイ語を歌うことはかなりの至難の業です。

例えば、タイでは毎日2回国歌が流れます。
タイ語で歌えるとみんな喜んでくれるのですが、、、正しい発音で歌うのは本当に難しいのです。
身を持って経験しました(>_<)

そんな中、瑛人さんが歌う香水(タイ語バージョン)はかなり上質には聞こえました。
それでも日本人には下ネタに聞こえてしまい、タイ人には伝わりません(^^;

タイ語という馴染みのない言語を通じて少し考えてみました。




そもそもタイ語は簡単

と言っても、僕は日本語のようにタイ語を扱えるわけではありません💦
でもそう思う理由は2つです。

① 芋づる式に単語を覚えられること
② 動詞の変化がないこと

①芋づる式に単語を覚えられる
⇒タイ語の言葉は漢字と似ています。
「教室」という言葉は「教える」「室(部屋)」という2つの単語を知っていれば作れます。しかも漢字と違って読み仮名も変わりません。
「室(部屋)」さえ覚えれば、「水の部屋(=トイレ)」「図書室」「寝室」と応用できます。知らない単語でも予測することができます。

② 動詞の変化がないこと
⇒男性名詞・女性名詞もなければ、未来形・過去形、複数形もありません。
 英語で言うwill(する予定)やwant(したい)をつければ、他の単語を使い分ける必要はありません。

一方で難しさもあります。
例えば、英語の場合。
中学生英語は比較的簡単で、英語を学べば学ぶほどニュアンスやパラフレーズが難しくなっていく印象があります。

タイ語の場合は逆です。
最初のハードルが高いですが、そこさえ超えれば覚えるだけです。
ハードルを高くさせているものが2つ。
① タイ文字というゆかりのない文字
② 声調というイントネーションの重要性。

特にここの②が、下ネタに聞こえてしまう所以です。


【マンコーの謎】0:15

そもそもタイ文字は、゜が沢山ついている文字です。
手書きだとかなりギャル文字っぽくなり、書いているのが楽しくなります笑
…が、PCのフォントだとぐにゃぐにゃしていて食欲も失せるほど。

มันก็หลายปี ที่เราได้แยกทาง

「夜中にいきなりさ」の部分

ネットだと、「マンコーライピー」と聞こえると賑わっているそうです。
歌い出し、第一声から卑猥に聞こえるという恐ろしさ。
いちいち他言語のフレーズで、空耳を挙げだしたら枚挙にいとまがないのですが、、、

タイ人が発音しても下ネタに聞こえるか?

確かに、瑛人さんの発声では下ネタに聞こえなくもないです。
が、メロディーを排除して普通に読むならこうなります。

「マン(ヌ)ゴ、ラァ~イピー」

"マン(ヌ)"はお前とかソレとか芋とかいう意味。
"ゴ"は「~も」というようなニュアンスの言葉。
"ラァ~イ"はいくつかの、という表現で。
"ピー"はねんです。

つまり、「それから何年経っただろう」という意味となります。


「にほん」の「ん」は3種類!

日本語で、マンコーと発音してみてください。
無理やりローマ字にするならば、こうなると思います。
「mangkho」マン(グ)コー。

①ニホンゴ
日本語の「ん」には、実は3種類の口の形が存在しています。
一つ目は、「にほんご」や「マンコー」のような「ん」。
この時口の中は、その後に来る「ご・こ」を発音する準備が始まっています。
よって、ローマ字で書くと「ng」。
「g」を発音しないバージョンの「ん」、鼻に抜けていくような「ん」。
これを無理やりカタカナで書けば「ニホン(グ)ゴ」となります。

②ニホンバシ
二つ目は、「にほんばし」のような「ん」。
この時、口の中は「ば」を発音するために口を閉じています。
ローマ字で書けば「m」。
無理やりカタカナにするなら、「ニホン(ム)バシ」です。

③ニホンジン
最後に三つ目。「にほんじん」の「ん」
この時、「じ」を発音するために舌が上の歯の裏にくっついているはずです。
日本橋や日本語と言う時には、舌が歯の裏にくっつくことはありません。
この発音をローマ字で書けば「n」。
無理やりカタカナにするなら、「ニホン(ヌ)ジン」です。

タイ語の場合、音にはならないこの口の形を聞き分ける必要があるのです。
よって、日本人が「マンコー」と発音するとタイ人には①に聞こえてしまいます。
今回の「マン」の正しい発音は③なので、タイ人には"全く聞き取れない"単語になってしまいます。


息を吐かずにマンゴー

ここでもう1つのタイ語の発音で難しいところ。
それは息を出す音と、息を出さない音があることです。

日本人の場合、
「か行」を発音すると、息が漏れるのではないでしょうか。
口元にティッシュでも添えて発音してみてください。

日本語の場合、息を出そうが出すまいが聞き取りに影響がないのでかなり個人差があるとは思います。
一方で、「行」を発音する場合。
行」と比べると息の漏れる量はかなり減っていませんか??

今回のタイ語の場合、"ゴ"と書いたのは上記が理由です。
息を出さないで"コ"と発音すると、濁点がついたような音になるのです。

タイ語には「が行」がないので、"ご"と発音して差し支えありません。
よって、
「マン(ヌ)ゴ」と発音することで、下ネタに聞こえる懸念も減り、タイ人に通じる可能性も高くなると思います。



【オッパイの謎】1:38

続いて2番。
「可愛くなったね」口先でしか言えないよ。
ここが、おっぱいに聞こえるらしいのです。

耳で聴くとこんな感じ。
プロプーオッパイターコンワージャマイトロンガッパー

เพราะเผลอออกไปเธอคงว่าใจไม่ตรงกับปาก

「口先でしか言えないよ」の部分。

不思議なもので、僕はタイ語を読みながら聴くと瑛人さんの歌声もおっぱいには聞こえません。
無理やり、より正確にカタカナにするとこんな感じです。

プロプルーオー(ク)パイトュアーコン(グ)ワージャイマイトロン(グ)ガッ(プ)パー(ク)

タイの日常生活で、このオークパイというフレーズは非常によく使います。
意味は、出て行くという意味です。
オーク:出る
パイ:行く
非常に多用するフレーズだが、一度もオッパイと聞こえたことはありませんでした。

ちなみに「家」は「バーン」と発音するので、
「家出する」は「オッパイバーン」 Σ(゚Д゚)

瑛人さんの場合、純粋に歌い方で「オ」が短く途切れているように聞こえることが原因だと思います。
本来、この「オ」を短くいうことは決してありません。

絶対に短くないオーパイ

タイ語の特徴として、
母音を長く言うか短く言うかの区別があります。

例えば、
「アイ」だと咳という意味で、
「アーイ」だと恥ずかしがり屋という意味になります。

じゃあなぜ瑛人さんはオを区切ってしまうのでしょうか。
ここも予測はできます。

正確に発音すれば、
オーパイではなくオークパイです。
しかしタイ語の場合、単語の最後に来る「ク」とか「プ」とかは発声しません。

前の章で触れた「ん」と同じで、
声には出さなくても、口は「ク」の形を作らなければなりません。
よって、オークパイの「ク」を発音しなかったせいでオ、パイと聞こえてしまったのだと思います。

オじゃないお。

じゃないお、、、
なんて可愛こぶってしまったが、そうではありません笑

日本語の母音は、あ〜おまで5個しかありませんがタイ語は違います。
母音と呼ばれるもの自体は30個以上ありますが、簡単に言えば9個。

日本語のア〜オにプラスしてウがもう2種類、エとオがもう1種類ずつ加わります。

オークパイの"オ"は、日本語の"オ"よりも口を縦に大きく開いて発音します。
つまり、日本語のオで発音してしまうとタイ人には別の母音に聞こえ、通じなくなってしまうのです。

正直、微妙に発音が違っても推測出るのでは? と勘繰ってしまいます。
タイ人が意地悪でタイ語初心者に寄り添ってくれないんじゃないか、と。

なにしろ日本語なら、「箸」も「橋」も「端」もイントネーションが多少違っても推察できるじゃないですか・・・。
さらにもし「僕"は"」「僕"の"」など、助詞を間違えても意味が伝わります。

しかしタイ語は違うようなのです。
イントネーション(というかアクセント)は5種類あり、同じ言葉でも5通り考えられてしまいます。
さらに「あー」と伸ばすか「あ」と区切るか。これでも違って聞こえますし、母音の「う」一つとっても3種類あります。

推察してもらうことを前提に話すのはなかなか厳しそうですね…


終わりに 〜アナ雪の早口地獄〜

日本でも有名で、タイ語もある歌といえば、
アナと雪の女王の「ありのままで」があります。

タイ語だと、1つの音程で言わなければいけない文字量が非常に多く、早口言葉のようになります。

例えば、「少しも寒くないわ」という最後のフレーズ。
タイ語だとこうなります。
ความหนาว ไม่ทำให้เดือดร้อนซักเท่าไหร่
クワームナーオマイタムハイデュアットローンサックタオライ。

あのメロディの中でこれだけの文字量を歌い上げるのは相当ハードルが高いです。
こう考えただけでも、瑛人さんがタイ語バージョンを歌われるのは本当にすごい。

ちなみに、すごく残念なのですが、この歌に、マンコーもオッパイも出てきません。
「マン」単体や、「コ」単体、
「オー」単体や、「パイ」単体でなら5回ずつくらい出てくるのですが。。。 タイ人の発音を聞き比べられないのが惜しいです。

いずれにせよ、こちらの歌でも空耳がありそうですが、聞いたことはありません。
やはりタイ語の発音の問題なのでしょうかね。

ちなみに、タイ語の日常会話でかなり多用するものに、
チンチン
もあります。。

「チン」が「本当」「マジ」という意味で、
「チンチン(ホントホント)」と繰り返してよく使います。。

正確に書くとチン(グ)チン(グ)ですが、日本語話者とタイ語で話す時はなかなか使いづらいですね💦


【最後まで読んでいただきありがとうございます‼️】
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★他の国も勉強になりました!

★タイは性別が豊富でした。




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