マガジン

  • 取材ふりかえり

    今なお印象に残っている取材について書いています。

  • ライターになるまでの歩み

    なぜライターという職業を選んだのか。幼少期から学生時代までの経験を断片的に振り返ってみました。

最近の記事

『当事者』ではない自分にできること。

こんにちは。物語のアトリエの安藤陽子です。ライターとして働きながら、ひとり出版社を立ち上げて絵本の制作に取り組んでいます。 第1弾の企画テーマは、「ユニバーサルツーリズム」(高齢や障がい等の有無に関わらず、すべての人が安心して楽しめる旅行)。著者は、車いすユーザーの夫・寺田ユースケさんと共にYouTubeチャンネル「多様性バラエティ寺田家TV」を運営しつつ、インクルーシブな社会に向けた講演やコラボイベントを全国各地で開催している寺田真弓さんです。 出版企画を立ち上げて以来

    • To use,or not to use,that is the question. (使うか、使わないか、それが問題だ)

      こんにちは。物語のアトリエの安藤陽子です。今年秋、ユニバーサルツーリズムについて考えるマルチリンガル絵本『ほんとうにだいじょうぶ?』を出版するため、日々制作に励んでいます。 さて、シェイクスピアにあやかって英語のタイトルをつけてみましたが……今回のトピックスは【ユニバーサルツーリズム】という用語についてです。 用語を使うと「境界」が生まれがち 「ユニバーサルツーリズム」という用語をどのように使用するかについては、絵本の制作がスタートした当初から何度となく議論を重ねてきま

      • イラストレーター森のくじらさんにオファー

        こんにちは。物語のアトリエの安藤陽子です。今年秋に、ユニバーサルツーリズムについて考えるマルチリンガル絵本『ほんとうにだいじょうぶ?」を出版するため、日々制作に励んでいます。 前回は、著者・寺田真弓さんとの出会いと、その後に繰り広げた「ひとり経営会議」のことを書きました。今日は、もう一人のチームメンバー、イラストレーターの森のくじらさんについて、ご紹介したいと思います! その日その時の気分を投影できる線画 前回の記事では、等身大の自分ができることを基準に考え(つまりは制

        • 著者・寺田真弓さんとの出会い

          こんにちは。物語のアトリエの安藤陽子です。 現在、ユニバーサルツーリズムについて考えるマルチリンガル絵本『ほんとうにだいじょうぶ?」の出版に向けて、制作に励んでいます。 この企画は、2023年11月末、私がビジネスエアポート青山主催のイベント「出版のイロハ講座」に登壇した際、そこに参加して下さった寺田真弓さんとの出会いから生まれました。 バリアをなくすよりも楽しんで越えたいという寺田家のまぶしさ 寺田真弓さんは、車いすユーザーである夫のユースケさん、息子のたびくんと共

        『当事者』ではない自分にできること。

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        記事

          ひとりだけど、ひとりじゃない出版社、はじめます。

          こんにちは。物語のアトリエの安藤陽子です。 今年こそ絶滅危惧種に指定されるのではないかとビクビクしながら、「AIにはできないライティング」を日々模索している、しがないライターです。 22年間、一途に磨いてきた「文章を書く」という技術を応用して、紙媒体やウェブメディアの記事制作、ウェブサイトやビジョンブックのコピーライティング、ライフストーリーブックの制作、対話ワークショップのファシリテーター、文章コーチング、国語や小論文の指導などなど、細々と色々なお仕事に挑戦しております

          ひとりだけど、ひとりじゃない出版社、はじめます。

          【クリエイターEXPO2022】ライターブースに出展して感じたこと。

          2022年6月29日から3日間、東京ビックサイトで開催された「クリエイターEXPO」にライターとして初出展しました。この記事では、①出展した理由、②当日までの準備、③開催期間中の様子、④出展の成果、⑤ライターとして感じたことについて書こうと思っています。 結論から言うと「出展して最高に良かった!!」と思っていて、何が・どう良かったのか、もっと早く言語化しておきたかったのですが、出展してからの下半期は怒涛の毎日で、気づいたら今日はもう12月31日……。 ひとまず、思いついた

          【クリエイターEXPO2022】ライターブースに出展して感じたこと。

          起業×子育てのタイムマネジメント術③

          こんにちは。物語のアトリエの安藤陽子です。 じつは、このnoteは午前4時すぎに書き始めています。 普段、子どもたちと夜8時半に寝てしまうので(本当です笑)、熟睡すると夜中2時とか3時台に目が覚めてしまうのです。 子どもたちが小児喘息と闘っていた丸5年間(2014〜2018)は、1〜2時間おきに子どもが咳き込んで目が覚める…というグロッキーな毎日が続いていたので、3時間以上続けて眠れるようになるまでに数年かかりました。 そのため、6時間続けて眠れた日は「あ〜、ぐっすり

          起業×子育てのタイムマネジメント術③

          起業×子育てのタイムマネジメント術②

          こんにちは。物語のアトリエの安藤陽子です。 昨日に引き続き、私自身が実践してきたタイムマネジメントの工夫について数回にわたり書いてみようと思います。 1日1分の時短=毎月30分を生み出せる 私がタイムマネジメントに目覚めたのは、じつはライターになる前、大学生の頃です。 大学に入学すると同時に、何か新しいことをしようと思い、私は重度の障害をもつ子どもの在宅ケア(有償ボランティア)を4年間してきたのですが、その中で身体介護のスキルをもっと磨きたいと思い、三幸学園に通いホーム

          起業×子育てのタイムマネジメント術②

          起業×子育てのタイムマネジメント術

          こんにちは。物語のアトリエの安藤です。 連休明けから、クリエイターEXPOに向けた準備に没頭しています。 近い記憶から遡っていきますと…… 外注していたロゴデザイン案の修正 小冊子サンプルの色見本を発注 ペライチでランディングページ制作 上記のためのオンライン無料相談会に参加 サービス価格表の作成 目的別メールアカウントの作成と設定 lifestorybook制作モニター募集用フライヤー制作 (フォトグラファーさんとコラボで8月実施予定) 上記のためのテスト

          起業×子育てのタイムマネジメント術

          きれいな仕事をするためには。

          こんにちは。物語のアトリエの安藤です。 ライターとしての自分をもっと磨いていきたくて、2年前に起業しました。 やりたいことの方向性が少しずつ見えてきたので、今年の夏から新しい活動を始めようと準備中です。noteでは、事始めにこれまでの20年をじっくりと振り返っています。 働くこと自体に幸せを感じられる人 地域情報紙のお仕事は、肉体的にも精神的にも私にとってはハードでした。 広告収入ほぼ100%のタブロイド紙(4p)を完全に一人で編集し、隔週発行していたのですから当然と言

          きれいな仕事をするためには。

          黙々と働く人の美しさ。

          こんにちは。物語のアトリエの安藤です。 ここ最近、いまも心に残っている人物取材の記憶をふり返っています。 もう17、18年前のことですが、鎌倉の漁師さんのお話を聞かせて頂く機会がありました。生産者の人たちは『人間にとって都合の良い時間』では働いていないので、アポイントを取るのがなかなか難しく、どうしたらまとまった時間をもらえるだろうと、いつも機を伺っていたのです。 この年(2004年)は、日本全国に接近した台風の数が、1960年、1966年に並ぶ歴代最多を記録した年だった

          黙々と働く人の美しさ。

          相手が聞かれたくないことに触れる怖さ

          こんにちは。物語のアトリエの安藤です。 ライターとして歩んできた20年の振り返りで、今でも鮮明に覚えている取材のエピソードを綴っています。【ライティング:他者の話を聞いて書く】に興味のある方にとって、何か参考になることがあれば嬉しいです。 2000人以上取材した中でも決して忘れられない経験 前回の記事では、まったく知らないジャンルの取材をどう乗り越えてきたかについて書きました。今回は、相手が触れてほしくないことについて質問をしてしまった……というエピソードです。 タウ

          相手が聞かれたくないことに触れる怖さ

          どうする?まったく知らないジャンルの取材

          こんにちは。物語のアトリエの安藤です。 前回の記事では、最新の取材について振り返ってみました。そこで今回から数本にわたり、いまも記憶に残っている取材の振り返りをしてみようと思います。【ライティング:他者の話を聞いて書く】に関心がある人の、何かの参考になれば幸いです。 「私はまだ何も知らないんだ」という自覚を大切に。 時々、まったく詳しくないジャンルの取材をするのは怖くないのですか?と聞かれることがあります。答えはもちろん【怖い】です。でも、それ以上に新しい世界に触れられ

          どうする?まったく知らないジャンルの取材

          人生初の英語取材を終えて。

          こんにちは。物語のアトリエの安藤です。 今日は、人生で初めて、英語でのインタビューに挑戦しました。 お相手はイタリア語話者なので、通訳の方を介しての取材だったのですが、日本語で問いかけて、イタリア語に通訳するよりも、少しでも耳なじみのある英語で問いかけてイタリア語に通訳していただいたほうが理解が深まると判断。質問項目を日本語・英語・イタリア語の3種類用意して事前に送っておき、本番に臨みました。 インタビューは準備が9割 私は英語が堪能ではないので、その場で生まれた質問を

          人生初の英語取材を終えて。

          映画と演劇が教えてくれた文章の立体感。

          こんにちは。物語のアトリエの安藤です。 人生の物語に光をあてる文章制作と、対話ワークショップの企画運営に取り組んでいます。このnote では、はじめの一歩として、私自身が【ライター】という職業にたどり着くまでのプロセスを振り返りながらアウトプットしています。 さて、今回のテーマは、大学在学中に没頭した映画と演劇についてです。 【他者の話】を聞いて書くには、映画や演劇をむさぼるように観てきたことが大きな糧になっていると思うからです。 私が夢中になったのは1960-1970

          映画と演劇が教えてくれた文章の立体感。

          望みどおりの進路ではなかったからこそ。

          こんにちは。物語のアトリエの安藤陽子です。 4月も残すところ、あとわずか。大人になるとすっかり感覚が薄れてしまいますが、学生さんたちにとっては、新学期がはじまって、まだ間もない時期なのですよね。学校にしても、就職先にしても、望みどおりの場所に行けた人と、そうではない人がいると思います。 私自身も、望みどおりの進路には進めなかった一人です。悩んだ末、最終的には「自分で選んだ」という実感があるので、後悔はゼロです。それどころか、10年、20年と年月を経るにしたがって、「ああ、

          望みどおりの進路ではなかったからこそ。