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ひとりだけど、ひとりじゃない出版社、はじめます。

こんにちは。物語のアトリエの安藤陽子です。

今年こそ絶滅危惧種に指定されるのではないかとビクビクしながら、「AIにはできないライティング」を日々模索している、しがないライターです。

22年間、一途に磨いてきた「文章を書く」という技術を応用して、紙媒体やウェブメディアの記事制作、ウェブサイトやビジョンブックのコピーライティング、ライフストーリーブックの制作、対話ワークショップのファシリテーター、文章コーチング、国語や小論文の指導などなど、細々と色々なお仕事に挑戦しております。

今回は、3年前からコツコツ準備を進めてきた「商業出版」のプロジェクトがようやく具体化してきたので、今年秋の出版に向けて、これまでの歩みと現在の進捗状況をお伝えしていければと思い、noteを再開しました。


初めての商業出版。テーマは「ユニバーサルツーリズム」

いま制作を進めているのは「ユニバーサルツーリズム」をテーマにした絵本です。「ユニバーサルツーリズム」とは、年齢や障がいの有無にかかわらず、すべての人が安心して楽しめる旅行のことです。(この企画が生まれた経緯については次回以降くわしくお伝えしていきます)

外出に不安のある人が出かけたくなる旅とは、どんな旅なのでしょうか?

そんな問いから、著者さんと対話を重ねて、紡ぎ出した物語です。

5言語を併記したマルチリンガル絵本

この絵本の最大の特徴は、5言語を併記したマルチリンガル絵本ということです。

「えっっっ???」

と思われた方もいるかもしれませんが、日本語・中国語・韓国語・英語・ポルトガル語の5言語を併記しています。において「バリア」となるのは、物理的な段差や勾配だけではありません。この絵本をきっかけに言語という見えないバリアについても、ぜひ思いをめぐらせて頂けたら嬉しいです。

5言語の翻訳をどのように進めているのかについては、また追って舞台裏をご紹介していきます。

ハードカバーとソフトカバーを同時に出版

もう1つの特徴は、ハードカバーとソフトカバーの2パターンを同時に出版するということです。初刷はそれぞれ小部数の限定発売となります。どんな印刷会社さんにお願いすることにしたのか、なぜ小部数なのか、どのように販売していくのか、採算は取れるのか・・・などについても、これから少しずつ、ありのままに、noteに書いていきたいと思います。

「世界観光の日」の発刊をめざして

この記事は2024年6月5日に書いています。この絵本プロジェクトがキックオフしたのは2023年12月初旬、ちょうど半年くらい前のことです。数日前に、この上なく素敵なイラストが完成し、翻訳も8割完成して、いよいよレイアウト作業に入るところまで来ています。このまま順調にいけば、2024年9月27日、世界観光の日(World Tourism Day)に出版できる予定です。

正直、何もかもが初めての工程なので、無事に印刷されるまでは、このように事前に告知して本当に大丈夫なのだろうか・・・と不安でいっぱいです。

でも、著者さん、イラストレーターさん、翻訳者さん、そして多くの協力者の方々に支えられて、ここまで進めることができたのだから、「ひとりだけど、ひとりじゃない出版社」なのだから、勇気を出してPRしていこうと思いました。

年に何冊も本づくりをしている編集者さんたちは、なんてすごいんだろう。
1冊1冊が生まれるまでのプロセスに想いを馳せると、これまで以上に本という存在の大きさを、ひしひしと感じます。そして、それを届けている書店や図書館など、本にたずさわるすべての人たちにも。

限りある紙幅に、時間と空間を超えた物語が表現されている「本」、手ざわりのある紙に印刷されて重みをもった「本」が、私は好きです。

次回は、著者さんとの出会いについて、書こうと思います。

(続く)