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仕事と家族、友達と恋愛、お金と愛はどちらが大切なのか?

大抵のものは、どちらが大切なのか決められないことばかりである。
仕事と家族、友情と愛情、恋愛と友達、愛とお金、健康と仕事など。
人は何かしらの選択を迫られたとき、どちらを大切にするべきかで悩むことがよくある。
よくドラマや映画などで見る「私と仕事どっちが大切なのよ!」問題である。

だが、そもそも「〇〇と〇〇のどちらが大切か?」という問い自体、ナンセンスである。
というのもの、人生の時期によって優先すべきものや大切なものは常に変わるからだ。

たとえば、10代の頃は友達や恋愛といったものの価値が最大であり、その一方でバイトや健康といった価値はそこまで高くない。
お金は社会人になって就職すれば稼げるし、10代の頃はそこまで体に気をつかわなくても健康で、あらゆる病気のリスクは低くなっている。
10代の頃は感受性も高い時期であり、この年代で友達や恋愛といった感情を揺さぶる経験を多くしていればいるほど、大人になってからの後悔も少なくなる。
つまり、青春を謳歌することが10代で一番価値が高いことである。

20代になると、今度は仕事の重要性が増してくる。
社会人になればまずは一通り仕事を覚える必要があり、今まで遊んでいた時間の多くが仕事に取って代わるようになる。
1日のほとんどの時間を学校や友達と過ごしていたものが、今では仕事と職場に生活のほとんどの時間を捧げるようになるだろう。
20代はまだまだ体も若く、向上心や好奇心、記憶力や行動力も高いため、この時期に仕事を通じてさまざまな事柄に触れ、自分の価値観を固めるのが良い。

また、将来結婚したいという人は、人生で一番モテる時期は20代なので相手を見つけておくのもいい。
30代や40代で結婚できない、モテないというわけではないが、人間は若い遺伝子と繁殖成功確率が高いパートナーを欲しがるものなので、若さは結婚可能性にダイレクトに影響する。
それと同時に、世界一周などの旅や、お金がないとできない経験などもこの時期に経験しておくと人生の経験値が溜まり、人間力の向上につながる。
まとめると、20代は人生でもっとも貴重な時期だと言っても過言ではなく、この時期にどれだけの経験や知識を積み、行動するかで人生の道が大きく変わるだろう。

さて、30代になると今後は健康の価値が増してくる。
20代で健康に投資していなかった人は30代で一気にツケがまわり、体のさまざまな部分に障害が出る。
運動不足は肥満や糖尿病を引き起こし、間食やアルコールなどの暴飲暴食は肝臓と膵臓を痛めつけ、寝不足とストレスは心血管イベントのリスクを著しく向上させる。

20代は人生でもっとも大切な時期なので、多少無理してでも色々なことに挑戦するのは大事だ。
だが、30代では健康に気をつかわなければ、後の人生を病院のベッドですごすリスクが高くなる。
最低限、毎日筋トレと有酸素運動をし、ほどほどにお酒を楽しみながら、タンパク質中心の食事をすることで、健康問題の多くを解決できるだろう。
私は今30代だが、優先順位的に言えば健康がリストの一番上にあり、仕事や人間関係はその下である。

40代~50代になってくると、ますます健康の価値が増す。
また、友達などの人間関係の価値も10代と同じぐらいにまで高まり、一方で仕事や恋愛といったものの価値はそこまで高くない。
仕事はある程度ひと段落し、性欲も落ち着いてくる時期だ。
人生の後半に差し掛かり、残りの人生をどのように楽しんでいくかをイメージする時期でもあり、そのためには健康と人間関係が欠かせない。
仕事を退職し、社会とのつながりが薄れ、毎日孤独になるのは苦痛だろう。
あくまで個人的な意見ではあるが、人生で友達が大事なのは10代と高齢になってからであり、そのほかの時期は仕事や恋愛で埋め合わせできる。

このように、人生の各年代によって優先すべきものや大切なものは変わる。
一貫して何かを大切にするという生き方もかっこいいが、現実問題、人生はそんなに単純なものではない。
10代の頃にバイトに明け暮れていれば、友達との思い出や甘酸っぱい恋愛を経験せず、大人になってから孤独を感じたり恋愛をこじらせたりする人が多い。
20代の頃に仕事もせずに毎日ダラダラしていれば、30代になってから一生懸命仕事をしていた人や、経験に投資してさまざまなことをしていた人と人間力に差が出るだろう。

仕事を大切にする時期もあれば、家族を大事にする時期もある。
友達が大事な時期もあれば、恋愛のほうが価値が増す時期もある。
お金を貯めるのが大事な時期もあれば、経験や浪費のほうが大事な時期もある。
「〇〇と〇〇のどちらが大切か?」というのは、問題を短絡化しすぎであり、一概にはどちらが大切なのかは言えない。
強いて言うなら、「今は〇〇のほうが大切」という答えになるだろう。

0か100かを求めるのは間違いであり、価値は常に変動している。
仕事と家族の割合は10:90かもしれないし、30:60かもしれない。
でもいずれは90:10になる時期も来るのだ。
人生の一部分にフォーカスし「どっちが大切なの?」と問うのは、「今日は何を食べたい気分?」と聞いているのと変わりがない。
答えは常に変わっているのだ。

考えるべきは、今の自分はなにを大切にすべきかであり、今大切だと思うものに集中することである。
すべてのものを大切にするほどの時間やエネルギーは私たちにはない。
だからこそ、常に今の自分に必要なもの、大切なものに集中して生きていくしかないのだ。

年末となり今年も終わりを迎えているが、来年何を大切に生きていくかを考えるのにはいい時間である。
何も失わずに何かを手に入れることはできない。
人生には取捨選択が必要だ。
間違った選択をしないためにも、スマホの画面ではなくしっかりと自分の人生と向き合い、どう生きていくのかを決めてみよう。


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