2022年7月の記事一覧
水車になってどこにも行かない 【エッセイ】
妄想がしっくりと来てしまうことがある。
老後を想像する。
身も心も衰えて介護施設に入所している。その一室の陽が斜めに差す片隅で、つまらない詩やくだらない物語を書いている。衰えているから、そこそこの期間を経てもノート一冊分にもならない。そのノートは葬儀の時に祭壇に飾ってもらえるのだけど、誰も手に取らないし見向きもしない。それなのに「変な人だったわね」と言われ、見送られるのだ。少ない弔問者の冷たくも
伝説の武器は嫌いだ、僕は棍棒を振り回したい 【エッセイ】
通勤に車で1時間ほどかかるため、車内ではYouTubeを音声のみで流していることが多い。お気に入りやおすすめがランダムで流れていくのだが、往年のゲーム解説がよく出てくる。「伝説の武器◯選」とか「入手困難な武器◯選」とか。
7歳頃に家庭用据え置きゲームで遊び始めて、高校卒業と共にやめているのでおよそ10年弱。その頃、友人たちとゲームの話をするたびに妙な違和感を覚えていた記憶がある。
僕は周囲の子ど