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レントよりゆったりと〔随想録〕

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2022年7月の記事一覧

詩の神さまに顔向けを 【エッセイ】

詩の神さまに顔向けを 【エッセイ】

少し前に、とある詩誌をめぐっての諍いを目撃した。僕はその雑誌に投稿したことがなかったので傍観していたのだが、テーマ自体は看過できないものだった。
概要はこうだ。詩誌Aで詩人Bの作品が受賞した。詩人CがBの作品について「あれは詩ですか?」とSNS上で疑問を投げかけた。Bがそれに気づき、まずCと穏やかに議論していた。そこに詩誌Aの運営者が割り込んできて、Bを擁護しつつCにやや批判的な言葉を投げた。そこ

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水車になってどこにも行かない 【エッセイ】

水車になってどこにも行かない 【エッセイ】

妄想がしっくりと来てしまうことがある。

老後を想像する。
身も心も衰えて介護施設に入所している。その一室の陽が斜めに差す片隅で、つまらない詩やくだらない物語を書いている。衰えているから、そこそこの期間を経てもノート一冊分にもならない。そのノートは葬儀の時に祭壇に飾ってもらえるのだけど、誰も手に取らないし見向きもしない。それなのに「変な人だったわね」と言われ、見送られるのだ。少ない弔問者の冷たくも

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勝手に禁書認定 【エッセイ】

手元にある書の装丁があまりに美しく、そのせいで未だに開けないでいる。「さっさと読めよ、本なんだから」なんて無粋なことを言わないでほしい。装丁には魔力が込められている。それは持ち主の手を取って強引に開かせもすれば、逆にその手を頑なに拒むこともある。

「ちゃんと整えてから開けよ?」
そんな風に言われている気分だ。

整えるとは、心をか? 思考をか? それとも生活をか? じっと見つめ返してみるが、書は

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伝説の武器は嫌いだ、僕は棍棒を振り回したい 【エッセイ】

伝説の武器は嫌いだ、僕は棍棒を振り回したい 【エッセイ】

通勤に車で1時間ほどかかるため、車内ではYouTubeを音声のみで流していることが多い。お気に入りやおすすめがランダムで流れていくのだが、往年のゲーム解説がよく出てくる。「伝説の武器◯選」とか「入手困難な武器◯選」とか。

7歳頃に家庭用据え置きゲームで遊び始めて、高校卒業と共にやめているのでおよそ10年弱。その頃、友人たちとゲームの話をするたびに妙な違和感を覚えていた記憶がある。
僕は周囲の子ど

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男の日傘推進委員会勇退と新任務 【日記】

男の日傘推進委員会勇退と新任務 【日記】

Twitterにも書いたことですが改めて。

2018年頃より「男の日傘推進委員会」として、毎年「日傘は涼しいんだYo!」「日傘は男が差してもカッコいいんだYo!」と言い続けてきました。
そして2022年6月の酷暑の中で確信しました。

男の日傘が普及し定着している!2020年シーズンより兆しは見えていたのです。街でちらほらと日傘を差すメンズの姿を確認していました。2021年は明らかにその頻度が増

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