![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144590740/rectangle_large_type_2_5cf7c04b75ebb5c72807261da1464419.jpeg?width=800)
世界各国に「家族」を持つことの大切さ。帰る家はたくさんあってもいい。
家族とは血のつながりだけではない
虐待するような親は、たとえ血がつながっていても「家族」とは呼べない。こういったことを、イタリアではよく聞く。
日本では、それでも自分を虐待していた親が高齢になったら、介護をするとか、お金を払って施設に入れるとか、そういったことが美徳とされるし、社会もそれを求めている。
日本の家庭の相互扶助・扶養の義務(民法877条)
1
直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2
家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
3
前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。
日本には、民法によってこのような規定があり、それは例外があるとはいえ、日本社会と言うのは親が老いたときにはこどもが面倒を見なさいということが常識となっている。
だから、親がたとえ虐待するようなひとでも、毒親でも、従わないといけないことだってある。
理不尽だと思うが、しょうがないとあきらめて過ごしてきた毒親サバイバーのことを思うと、恵まれた家庭で過ごしている私は胸が痛む。
イタリアで起きた2つの虐待死事件
この事件は、障害のある親を食事など必要なケアを残さずに、娘がバカンスに行くために置いてきぼりにして、結果親が亡くなったという事件だ。
これは18か月の赤ちゃんをほったらかしにして死なせた親の話だ。
このような話は、残念ながらイタリアにもあるし、虐待がない国というのは、人間が住んでいない宇宙くらいなのだろう。
イタリアの場合、家族とはもっとつながりが濃く、あたたかいものであることが多い
ただ、普通に考えて、虐待をするような親の数と言うのは、「まともな」親より少ないはずだ。私はそう信じていたい。
イタリアの場合、家族のつながりというのはほんとうに濃い。
ときに息ができなくなるくらいだ。
よくイタリアで話題になるのは、30代の娘に、親が「夜遅くまで遊ばないで。他人から貰った飲み物は飲まないで。どこに行くの。なにをするの」といちいち説教する、と言う話だ。
繰り返すが、娘は30代、親は50代だ。自立していても十分おかしくないが、イタリアの場合、失業率の高さと、ひとり暮らし用の家が多くないせいで(家が安いし広いため、大都市以外では学生はシェアハウスが一般的。ミラノやローマなどの大都市は日本と似ている)実家暮らしをしていたり、親の収入を頼ったりする中高年は多い。日本の「こどおば」とはまた事情がすこし違ってくる。
そのため、なにかあれば親にお金やアドバイスや助けを求め、こどもは愛情でそれを返すということがイタリアでは割と一般的だ。
留学して、イタリアの家族の一員になった
私がイタリアに留学して、シェアハウスをしていたとき、そこの大家さんは学生全員をまるで大きな家族のように扱ってくれた。
一緒に食事を食べたり、買い物に行ったりした。私は外国人だったから、これを買うといい、これはこうやって料理すると、なんでも教わった。
イタリアでは、女性の力が強い。
だから、「マンマmamma」(お母さん)や「ノンナnonna」(おばあちゃん)が料理をしたり、家計を切り盛りしたりするだけではなく、なにかあれば彼女たちが頼りになる。
なお、「マンマミーアmamma mia」とは「そのまんまの姿を見なさい」という関西弁ではなく、イタリア語で「私のお母さん」と言う意味のフィラーだ。これから見ても、イタリアのお母さんの力の強さ、頼られていることがうかがえる。
ノンナの料理は世界一ともいわれるほど、美味しいことが多い。実際振る舞われた料理はどれもとても美味しかった。手先が器用で、編み物ができるひとも多い。
留学して家族と過ごした時間はとても素敵なものだった。遠くから来た私が孤独に悩まずに済んだのは、マンマのおかげだ。
いまでもあそこは、私の家だ。
いざとなったら帰れる家の数を増やそう
友達の家でもいい。
行きつけの居酒屋でもいい。
結婚して新しい家庭を持つのもいい。
あるいは、海外に住んでそのような家を見つけてもいい。
いざとなったら、逃げられる場所。
それは多ければ多いほどいい。
家族とは血のつながりだけではないのだから、家族と呼べるほど親しいひとを増やそう。
世界はもっと近くなる。
留学資金などに使います。ご支援よろしくお願いします。 また、私が欲しい本を集めたほしいものリストも公開しています。 https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/9WBR0K7KWYX8?ref_=wl_share/