檸檬水

40才からの文章表現。

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最近の記事

ていねいな暮らし好きなくせに草してごめん

私は『北欧、暮らしの道具店』でお買い物するのも大好き。『チャポンと行こう』も聴いているしYouTubeもほぼ観ている。 昔からていねいな暮らしをお届けする方や、マガジンハウス系の出版物、『&premium』『天然生活』『暮しの手帖』なども大好き。 だけど正直な気持ち。ちょっとツッコミを入れたくなる時がある。無害系コンテンツ「ちょっと無理」になる時が。 古民家、カフェで暮らす真冬の朝、 モーニングルーティンとかしょうもな これってただのモノ自慢ですよね 上級国民のお戯れじゃ

    • スーパー主婦戦隊Gレンジャー

      都内某所 ここは5人の主婦が勤める「スーパーやよい」の休憩室。 今日は、バイト休憩の合間に誰かが持ってきたせんべいで食っちゃべっていると、ロッカーの隅にGが出た。 しっかり者のバイトリーダーが、履いていたスリッパを片手に持つ。いつもは気が弱い勤続3年の葉子も、知らず知らず片手にスプレーを掴んでいる。最近アルバイトに入った鉄子は、ホウキとちりとりを両手に。3人は目を見合わせ、一斉攻撃。 プシュー! バシン! 鉄子がそれを、さささっと片す。 「ふん、こんなのなんてことない

      • 選民意識とデザイナー

        会社に、とても仕事のできるグラフィックデザイナーがいる。名前はRさん。私よりも年下だが、大きなプロジェクトをひとりで任されて、広告賞も獲って、すごいすごい。 グラフィックを長年されている人は、基本、目がいい。微細な違和感にすぐ気がつき、突き詰める視覚的なポイントが、やはりWEBとはちがうなと思い知らされる。WEBデザイナーは、合理的に設計するのが役目だから、見た目の微細さでいうと、どうしても劣る。(それで、あからさまに下に見てくるような人も中にはいるけれど、役目がちがうのだ

        • エッセイ 小説を書いてみた

          病気になって、身体が思い通りに動かなくなってはじめて、思うことがある。 ああ、もっと表現していれば、よかった。 今日は見上げれば青空で、太陽は燦燦と輝いていて、やわらかな風が吹いていた。蛇口から水が出て、お風呂に入って、好きな服を着て、まずはコンビニへ行く。歩ける。しかし、人はそんなことで「生きている!しあわせ!」とは、なかなか思えないものだ。 そんなことは当たり前。っていうか料理も掃除も面倒くさい。仕事ができるのも当たり前、仕舞いには「お給料が安い」とか「同僚がどうの」

        ていねいな暮らし好きなくせに草してごめん

          [コント] 寿司リチュアル・カウンセラー

          A 怖いほど当たる寿司リチュアル鑑定、やりませんかー? 宇宙の波動寿司、今だけプレゼントしてまーす B こんにちは、見てもらえますか A ヘイ、ラッシャイ!私、寿司リチュアル・カウンセラーのケイコ B 「ココは本物だ」って噂に聞いてきたんです A ありがとうございます、さぁどうぞ B 私、普段はこういうのあんまり信じないタイプなんですけど A その割に、数珠の数がすご! B ケイコさんは何ができるんですか? タロット、サイキック、アカシック? A 寿司リチュア

          [コント] 寿司リチュアル・カウンセラー

          [小説] おだやな暮らしを求めて

          【ストーリー概要】 憧れていていた編集者のもとで働くべく、東京から田舎町へ移住した鹿子。しかし、そのカリスマ編集者の紹介で半ば強制的に行かされたスピリチュアル系リトリートはまるで詐欺。のちにクビに追い込まれるも、そうした元スタッフ達が何百人とのぼりこの町が出来ていることが判明。それでもこの町の者は、この著名な編集者を持ち上げるばかり。40歳を目前に、田舎で職なし村八分、ひとり暮らしを続ける鹿子は、どのようにしてこの地獄から立ち上がるのか。スピリチュアル洗脳が溶けていくさまを描

          [小説] おだやな暮らしを求めて

          [漫才] ていねいな暮らし

          ※妄想で書いた、漫才の台本です。 A•••ボケ B•••ツッコミ A 僕、ていねいな暮らしやろ思てんねん B あー「て、い、ね、い」って平仮名で書くやつな A とりあえず、麻の服着てな B ベージュのな A 家中、籠だらけや B 古道具をヤフオクで落とすんやろ A (服の)脇とか穴が空いたら繕うんや B 感心や、物は大切にせなあかん A この靴下も10年前を買うたやつでな B 物持ちがええ、でもちょっと......みすぼらしいだけやないか! A そんなことない、このリネ

          [漫才] ていねいな暮らし

          拒絶の傷と母娘と癌

          仲間はずれにされても ニコニコニコ いじめられても ニコニコニコ 詐欺にあっても ニコニコニコ 癌になっても ニコニコ 私が今できることは これだけ そして皆が 私を拒絶すると 考えるのをやめること 私の家族先日、70代になる母がぽろりと吐いた。 「こんな家族だって知っていたなら結婚なんてしなかった」 「今さら何を言っているのだろう」と思うが話を聞いた。 数年前、父がボケてかつ双極性障害になった。 その時、父は自分の母親(私の祖母)に対する恨みつらみを噴出させた

          拒絶の傷と母娘と癌

          [コント] キューポラ

          先日のM-1に触発され漫才コントの脚本を書いてみました。初めての試みです。 ーーー A(手を前方にかざしながら) 「キューポラ、  キューーーーポラポラポラポラポラポラ」 B (通り過ぎのB、ひざをついてすくう、Bはその後ずっとすくうポーズ) 「ちょっとあなた、何かこぼれていますよ」 A「あん?キューポラや」 B「キュー・・・ポラ?」 A「キューポラはキューポラや」 A(手からキューポラの一部を拾って渡す) B 「ちょ、これ何っすか?!」 A「キューポラは.

          [コント] キューポラ

          憎しみをいっさいやめるポエム

          銭失いで人をうらんでいた ゆるします、もう忘れました、と言いながら ほんとうの所では、ゆるしてなどいなかった そしてその気持ちや感情は、ブーメランになって かえってきた 病気という形で、身体をめためたに傷つけることになった 病気は、私がわたしを傷つけてきた結果なのだ 怒ったりうらんだり絶望したり 死にたいと思ったり それは健康である特権 暇なのだった 私の目の前に「死」が突然やって来て はじめて 人を憎んで死ぬのはいやだと思った わざわざ自分を醜くしたまま いま私が考え

          憎しみをいっさいやめるポエム

          リトリート詐欺の詩

          狂った国に来てしまった 寄ってらっしゃいみてらっしゃい 私に依存してください 広告は同じ音を奏でる もし「ここだけは安全」と思ったら罠だよ 人々は、はだかの王様に手を叩く うわずみだけがきれいなプールで ゆらゆらバタ足、目をつむる 病におびえていたら病になる 貧乏におびえていたら貧乏になるよ 王様は叫んだ 「がん保険なんてがんに向かっているようなもの」 「どうせ銀行はつぶれるから今のうち(わたしの店で)買っておけ」 「きっとこれであなたは変われる」 王様は風をすくうよう

          リトリート詐欺の詩

          詩 | 間に合いますように 

          今日もおいしい野菜を食べました 人生ってちんぷんかんね あなたって、大丈夫じゃない時ほど大丈夫って言うよね 助けがいる時は助けてと 遠慮なくお願いすること 病は自然の流れで治ります 安心して暮らせるお家も見つかります 自分を励ましながら 一日を生きています 私がわたしを殺める考えをしてきたのなら こころからあやまります つらい仕事ばかり強いてしまった 性格がわるかったね、私 宝箱に大切な物がひとつも入ってなかったなんて 知らなかった 何度も星をなぞるひまなどなかったのだと

          詩 | 間に合いますように 

          疾病利得の詩

          私はさびしかったのかな ふり向いてほしかったのか それは病にならなければ できなかったことか 私ががんになってまで 私は期待していた あの人が謝ってくれる 大丈夫?って声をかけてくれる 大切に触れてくれる 愛してくれる 私は注目されようとしていたのか 自立したつもりの 一人暮らしの狭い部屋で まるでゴーストみたいに「いいね」を押して 返事を待った 身体は音もなく軋んだ 私が病気になったのは 「どうして私だけ」と自分を憐れむ精神性 「あの人のせい」と誰かを断罪する精神性

          疾病利得の詩

          姉と仲直りの詩

          魂上の仲直りの試み 私の姉は 親のすねをかじり続けながら 母を傷つける 私には無視を決め込む ドアをきつくしめる 不機嫌なら皿を割る それでも母に 自分の子のお弁当を作らせて 拾ってきた犬の散歩をさせる この、強欲傲慢な怠け者 ばかじゃないの、と私が言う 恥ずかしいからやめなさい それが火に油を注いだようで 今度はごみをベッドに撒き散らした 「しめしめ」なのか何なのか 「やってやったぞ」なのか何なのか 昔分けてもらえなかった愛情を 子ども時代の何倍もの期間をさいて 取

          姉と仲直りの詩

          手紙 | 隕石の操縦士

          空から隕石が降ってきた マンションの私の自室に 私の集めた大切なひとつひとつが 破片になった 台無しなった 「くそ、何で私が」と思ったら 隕石の操縦士は私だった 手に湿疹がでた時、症状が出たのは お父さん指とお兄さん指以外 子宮が被害に遭うということは 私の奥底に「被害に遭うのはいつも女性だ」という 怒りが流れているから 子宮が被害者なら加害者はどこ 私が知らなくていいことばかりだ 私は何度もからだに言い聞かせる 自分で創り出したがんなのだから自分で治せる 私はがんに手

          手紙 | 隕石の操縦士