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リトリート詐欺の詩

狂った国に来てしまった
寄ってらっしゃいみてらっしゃい
私に依存してください
広告は同じ音を奏でる
もし「ここだけは安全」と思ったら罠だよ

人々は、はだかの王様に手を叩く
うわずみだけがきれいなプールで
ゆらゆらバタ足、目をつむる
病におびえていたら病になる
貧乏におびえていたら貧乏になるよ

王様は叫んだ
「がん保険なんてがんに向かっているようなもの」
「どうせ銀行はつぶれるから今のうち(わたしの店で)買っておけ」
「きっとこれであなたは変われる」

王様は風をすくうように
お前の感受性を奪う
城壁のはがれ落ちる音がしても
皆この国で暮らすため
何も聞こえていないふり
たしかそう「自分の感受性くらい」
自分で守ることはできるはずだったのに

私はうばわれた
仲間はずれは腹を殴られるより痛く
詐欺に遭うのは腕を切られるより痛い
私の足はひどく冷たく
身体ははなから
この国に来ることなど望んではいなかったと知る

誰のせいにもできない
正しさから行うことは大概まちがいだし
私はわたしがうばわれるものに
私の力を使ってはならないと学ぶ
それしては高すぎる

ーーー

会社ぐるみのリトリート詐欺に遭った時の詩です。
私も私で、実力もないのに大風呂敷を広げて引っ越してしまったような気もするし、その反面、ただの捨て駒にされただけのようにも思う。人を思うがままに雇ってが解雇したり、自費で離島に飛ばしたり。「完全にナメられてる」と、怒りでおかしくなってしまいそうになったこともあった。怒りは酸となり、私は病気にまでなってしまいましたから、本当気をつけないといけませんね。

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