【続・広報ノウハウ】広報担当者が知っておきたいメディアインサイト7選
企業の広報、PRコンサルタントが、各BtoBメディアを取材する【メディア解剖連載】もついに連載10回を達成しました!
本連載は、主催者のリープフロッグ代表 松田純子とPRコンサルタント/SPRing代表 高橋ちさのほか、ライターとして企業広報の4名(橋尾日登美さん、前田弥生さん、堤はるなさん、野内遥さん)、宣伝担当として広報コンサルタント村田知左さん、フリーランス広報PR 奥野絵里奈さんに参加いただいて実現しています。本連載の趣旨は、第1回記事の冒頭をご覧ください。
というわけで、今回は10回の取材のなかで見えてきた、広報担当者がメディアと良好な関係を築きながら、有効な情報提供を行うために「広報担当者が知っておきたいメディアインサイト」をまとめた記事の第2回です。
※第1回記事はこちら↓↓
【メディア解剖連載】の取材先メディア一覧
ASCII.jp
MarkeZine
ZDNET Japan
HRzine
日経クロストレンド
ITmedia エンタープライズ
月刊総務
番外編
・(第1弾)IT系メディア記者主催イベントのレポート
・(第2弾)IT系メディア記者主催イベントのレポート/本編
・(第2弾)IT系メディア記者主催イベントのレポート/QA編
(1)記者発表会に興味を持つ基準、有効な案内の仕方
自社が行う記者発表会にどうやったら多くのメディアを誘致できるのか? その疑問に上記記事で回答してくださっています。記者発表などのイベントは、どうしても日程、時間被りが発生するので、頻度が高い水・木・金を避けて設定するのが一つの有効な手です。
メディアが取材を優先するのは、「注目度が高い」企業・分野・テクノロジーまたは、その時に編集部が追っているネタとのこと。
そのため、メディアに記者発表会のご案内状を送る際に重要なことは、「あなたが取材したいことが聞けます」ということが分かるご案内文(ご案内メールのタイトル)を送ることが重要です。
ご案内する際は、「〇日に〇分野の記者発表をします」と言った漠然としたお誘いではなく、その記者発表で該当メディアが取材したくなる内容が話されることが分かる「キーワード」(※)をご案内のタイトル、案内文に入れると良いそうです。
(※)業界で注目度が高い企業名、分野や技術の名前、発表内容によってどんな影響(定性・定量成果)が出るのかなど、取材者が気になるワード。
単純に「勉強会をします」、「発表会をします」とだけ伝えても話を聞くメリットがあるのか(読者役に立ちそうな情報が聞けるのか、仕事の参考になる話が聞けるか)どうか判断しにくいためです。
(2)目に留まりやすいプレスリリースとは?
メディアの皆さんが口をそろえて最も大切とおっしゃるのが、プレスリリースの「タイトル」です。タイトルの中でも特に以下の情報を必ずチェックするそうです。
【タイトル】
・送り主名(社名、ブランド名)
・キーワード(※)
(※)上記と同じ。注目度が高い企業名、分野名、技術名など。そのメディアが注目しているワード
これらの要素を見て、メディアにとって気になる内容だったら始めてプレスリリースを開きます。また、MarkeZine編集長の道上さんいわく、読みやすい(良い)プレスリリースの体裁は以下の通りです。
★【読みやすいプレスリリースの体裁】
・(企業が)伝えたいことが分かりやすい
(どこに新規性や独自性があるのかなど、記事にする際のポイントがつかみやすい)
・コンパクトにまとまっている
(長文が続くと単純に読みにくい。長くなる時は「見出し」をつけて「段落分け」する)
・記事に必要のないことを書き過ぎない
(蛇足が多いと内容が分かりづらくなる)
プレスリリースからそのまま記事を作成するタイプのメディアでは、上記の条件を満たしていると記事化されやすいと言えます。(※もちろん、そもそも話の中身がメディアにとって取り上げたい内容になっている必要はあります)
そして、情報を送るタイミングも重要です。TECH.ASCII.jp 編集長の大谷さんいわく、求めている情報をタイミング良く送ってくれると「良い広報さんだ」と認識するとのこと。せっかく中身のある、読みやすいプレスリリースでも「今じゃない」(すでに同様の情報がたくさん溢れている、時期外れなど)というタイミングで送ると台無しということですね。
また、広報がメディアが求めている情報を知るためにはメディアの「読者研究」が何より大事ともおっしゃっています。
(3)ストレートニュースとして記事になりやすいプレスリリースの種類とは?
※プレスリリースをそのまま記事にするタイプ(ニュース欄など)の場合
先ほども書いた通り、メディアによってはプレスリリースの内容を編集して速報(ストレートニュース)として記事にして、「ニュース」欄などで配信するケースがあります。
そうしたケースでよく扱われる王道のネタとしては、「〇〇が始まりました」「ランキングネタ」「調査ネタ」があります。
ランキング、調査系のネタは広報部門が企画することで発信できる情報ですので、広報施策の一つとして有効活用したいものです。
(4)プレスリリースは何時に送るべきか?
多くのメディアの方が、午前11時が最初の山だとおっしゃっているので、その時間帯に出す企業が多いようです。もちろん、メディアは常に最新情報を追っているので、情報が古くなりやすい(メディアがプレスリリースを開くのが翌日になるかもしれない)夕方よりも午前中の方がベターなのは間違いありません。
また、上場企業の場合は、11時、13時、15時が慣例との情報も見られました。
ただし、11時以外はプレスリリースを確認しないということはないので、非上場で縛りがなければ「曜日」も「時間」も気にし過ぎなくてよい、とのことです。
(5)メディアと広報との新たな出会い方
メディアの方の話を総合すると、メディアの方と新たな繋がりを作るための方法は以下の通りに整理できます。
★【メディアとの新たな繋がり作りの方法】
①すでにメディアと面識のある仲間に仲介してもらう
②SNS、問い合わせ窓口などに、取材・情報交換などの提案(※)をする
③PR会社を通す
王道としては上記の3つが挙げられます。すでに記者と面識のある方を通すことで、記者の方も安心して情報が受け取れるようですね。
逆に面識がないはずなのに急にメールが来たら「どこでアドレスを知ったんだ!?」と怖くなるという意見もありました。
ただし、①②③どの方法であっても実際に返事が来るかどうか、取材に繋がるかどうかは広報が送った連絡(提案)の内容次第です。
個人的な経験から言えば、メディアが求める情報を的確に提供できさえすれば、SNSやメディアのinfo(問い合わせ窓口)への突然の連絡でもしっかり返信をもらうことができます。やみくもに「ご挨拶させてください」という、先方にとって会うメリットがあるのかないのか分からない連絡の仕方をすると返事が返ってこない可能性が高まります。
どのメディアの方も的確な情報(←ココ大事)の提供は「ウェルカム!」とのことでした。
※何が「的確な情報」なのかは、(1)(2)参照 (・ω・ノ)ノ
(6)編集会議での検討について
IT業界記者主催「IT 系メディアの側から見る企業広報への本音」イベントでは、上記の通りIT系Webメディアさんの編集会議は比較的金曜日が多いとお話しされていました。
もちろん媒体によってバラバラだと思いますが、少なくとも週1で行っている編集部が多いようでした。
つまり、広報から記者発表会や勉強会のお知らせをしても、タイミングが悪いと部内で検討して返事ができるまでに丸1週間必要だということです。余裕を持ったご連絡が必要です。
(7)取材原稿の掲載前確認・修正について
取材原稿の事前確認については、完全にNG、ファクトチェックはOKなどメディアによって対応が異なりますが、基本的にはできない(取材対応時点で過不足なく、誤解なく情報を伝えることが原則)と考えておきましょう。
以下、ITmedia エンタープライズ 編集長 原田さんがその理由を分かりやすくお話ししてくださっています。状況に合わせて「広告出稿」を視野に入れることも必要です。
以上、【続・広報ノウハウ】広報担当者が知っておきたいメディアインサイト7選でした。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
ぜひ日頃のお仕事に生かしてくださいね。。°◌̊(*゚▽゚*)
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