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【撮りたい世界が地元にある/tomosaki1章】なぜ地元を撮るのか?

写真家Akine Cocoさんとtomosakiさんの「地元」がテーマの共著・写真集『L&SCAPE 撮りたい世界が地元にある』。
ここでは、本書に収録された【tomosaki / 1章 地元を撮ること】の中から「なぜ地元を撮るのか?」を公開いたします。



なぜ地元を撮るのか?

地元・福井は、ジブリに出てきそうな「田舎の原風景」に溢れています。元々昔ながらの風景が好きという気持ちはぼんやりあったのですが、シャッターを切るたびに明確になっていきました。

©tomosaki

例えば「入道雲」。今まではただの視界に映る背景だったものが、写真を始めて入道雲を追いかける中で、「福井には高い建物がないから、こんなにも入道雲がきれいに見えるんだ」という発見があったのです。


©tomosaki

今は地元が大好きですが、昔は「田舎から早く離れたいという気持ちが強かったです。「地元は殺風景で何もない、面白くない」と勝手に決めつけていたんです。
だからか、県外によく旅行に行っていました。人気の観光スポットや「インスタ映え」するような場所へ。カメラを買ったのも旅先で友達との思い出をきれいに撮りたいと思ったからです。

転機は新型コロナ。自粛で時間を持て余している中、Twitterのタイムラインに流れてきたのがAkine Cocoさんの写真でした。

初めてAkineさんのことを、そして福井の方だと知り、「福井でもこんな写真が撮れるんだ」と感銘を受けたのです。
これをきっかけに引き出しに眠っていたカメラを取り出し、地元で写真を撮ってみようと思い立ちました。

©tomosaki

地元を撮り始めると、同じ地元の人をチェックするように。
雪の写真は、誰かのスマホでされた写真を見て、「一眼レフの写真は見たことがない、撮ってみよう」とトライしたもの。何度も通い、どの時間帯・雪の量がいいか試行錯誤しながら撮影しました。

SNSに投稿すると、「こんな場所があったんだ」「福井も捨てたもんじゃない!」とコメントをいただき、福井の方と一緒に地元のことを好きになれたきっかけでもあります。

©tomosaki

地元を知るにつれ、当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃないと気づかされました。
「何もない」は価値があり、尊い。
自分の理想の風景は、昔から近くにあったんだとわかったのです。

最近では、地元の方にも「こんな場所があったんだ」と思ってもらえるようにSNSの発信を続けています。
あのときAkineさんの写真で感じたことを、今の自分のフォロワーの方に届けられているのが何よりうれしいです。


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