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③「罪人の使徒~使徒の仕事は疲れたので神様殺すことにしました~」
第三章
夕食は地獄だった。担当のユダが悪いのではない。
黙々とスープを口に運ぶリリィの隣で、コゼットが物憂げな顔をしているからでもない(少しはそうかもしれない)。
私は殺していない。
リザードマンを送った後の一連のできごと。決して誰かに話してはならない。
侵入者がいたことも。
誰かに話していないのに、どうしても周りを窺ってしまう。
溺れた目がユカと八合わせる。彼女が意地
②「罪人の使徒 ~使徒の仕事は疲れたので神様殺すことにしました~」
2章
森の中心、私たちが暮らす大きな木造りの家、アトリエに着くと、コゼットを含む数人の同僚が、私に声を掛けた。
「お帰り、ノクリア」
「ノクリアお姉ちゃんお帰り」
リリィの無気力な声に続いて、コゼットの明るいお帰りが聞こえた。
コゼットの隣に座ったリリィは、何が楽しいのか薬草をいじっている。
ウルフカットの彼女の髪の色は、ピンクに近い紫色だ。彼女の雰囲気は独特だが、寡黙だから私に害