マガジンのカバー画像

読書記録_本

228
読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co…
運営しているクリエイター

2019年10月の記事一覧

『宝石の国』『市川春子作品集』市川春子

『宝石の国』『市川春子作品集』市川春子

私の2019年ベストマンガ暫定1位。『宝石の国』。というか、市川春子さんが素晴らしい。短編集もすばらしい。マンガサイト「アル」に『宝石の国』レビューを書いたので、お好きな方はぜひお読みください。(アルは許可済の作品に限っては、コマの引用ができて、好きなコマを引用させてもらってます…!)

彼女の作品から高野文子さんを思い浮かべる。インタビューに書いてあったのだが、市川さんも高野文子さんがお好きだそ

もっとみる
『つみびと』山田詠美

『つみびと』山田詠美

山田詠美は女神だと思う。自らの世界で迷い、怒り、過ちを犯し、愛する人々を、慈しみ見守る。でも苦しむ人々にパンやお金をあげたりはしない。
母親による幼児のネグレクト、虐待死をテーマにした作品。私は読んだり見たりするものの気持ちをえらく引きずる人間なので、辛いのがわかっている本は読まない。虐待に関する本、しかも実話をモチーフにしているなんて気が重くなること間違いなしなのだが、山田詠美ならどう書くのかが

もっとみる
『いつかティファニーで朝食を』14巻 マキヒロチ

『いつかティファニーで朝食を』14巻 マキヒロチ

“涙袋”って言い得て妙だな、と14巻のそれぞれのストーリーごとに涙の水位が、頭蓋骨と顔の皮の間で上がっていくのがわかった。涙が溜まるのは、この“涙袋”ってところだ。というくらいに、それぞれの登場人物が自分の道を見つけていくのがわかって本当に嬉しかった。マンガサイト『アル』のレビューに書いているけれど、私はもう彼女たちが他人には思えない。

連載当初28歳だった主人公たちのお話は7年を経てついに連載

もっとみる
『創太郎の出張ぼっちめし』1-3巻 マキヒロチ

『創太郎の出張ぼっちめし』1-3巻 マキヒロチ

「ほんっと創太郎腹立つわ~」と思いつつ「でも男子ってこんな感じだよな」と思い、「でも悪気はなくてわかりやすい人かもしれん」と思い、「あんたしょうがないね!」と受け入れだした自分の変化に驚く。

創太郎は、ドラマにもなった女子の朝食マンガ『いつかティファニーで朝食を』の主人公にフラれた元彼である。出版社の営業で、顔はまずまず、オシャレで年収800万円だが、別にモテない。彼は全国の書店巡りに行っても名

もっとみる
『対岸の彼女』 角田光代

『対岸の彼女』 角田光代

外国のフェミニストな本を続けて読んでいたせいか、図書館でこの本の背表紙に目が留まった。『対岸の彼女』。独身女性と既婚子有女性の話ではなかったか。直木賞受賞だし、ドラマ化もされて、確か有名だったけど、まだ読んでいなかった。彼女たちがいがみ合うような話だったら、しんどいと思っていたのだ。

読んでいてアルファベットの「Y」を思い浮かべる。独身女性で会社を営む葵の過去と、既婚子有女性の小夜子の現在が交互

もっとみる