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実はそこまでレアではない?10人に1人はいるギフテッド教育の実態

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共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


「ギフテッド」と聞くと、

歴史的な偉業を達成したような天才。
IQの高い常人とはかけ離れた人。

というようなイメージをもつ人が、日本では多い気がします。

それは身近にギフテッドと認定されている子どもを見かける機会が極端に少ないからでしょう。

ということは、それを裏返せば、日本のギフテッド教育が如何に遅れているのかということの裏返しでもあります。

実は、ギフテッドと呼ばれる能力をもつ子どもというのは、そこら中にいます。

筆者も、自分が担任してきた子どもたちのことを思い浮かべると、毎年、1~2人は、

「ギフテッドだな」

と思える子どもに出会ってきました。

この記事では、

「ギフテッドとはそもそも何なのか」
「どのような基準で判定しているのか」
「ギフテッド教育の内容とは」

ということについて、お伝えすることができればと思います。

ギフテッド教育は、これからの日本が間違いなく意識していかなければならない教育の1つです。

日本の未来に起こりうることを考えながら、是非、最後まで読んでくださればと思います。



ギフテッドの定義とは?

ギフテッドの定義は、表明を出している団体によって微妙に違います。

例えば、米国連邦政府の定義は、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

知性、創造性、芸術性、リーダーシップ性、または特定の学問での偉業を成し遂げる能力がある個人を指す。また、その能力を開花させるために特別なサポートを必要とする個人を指す。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

とされています。

一方で、全米天才児協会による定義は、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

例外的な論理能力と学習能力の才能を持つ個人を指す。分野は大きく分けて二つあり、一つは言語化・記号化された分野(数学、音楽、言語等)と、二つめは、感覚運動能力の分野(絵、ダンス、スポーツ等)がある。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

となっています。

共通して言えるのは、座学のような学問に限らず、芸能の分野も含めた突出した能力ということです。

つまり、オリンピック選手になるような人は、スポーツ分野のギフテッドであると言えます。

そして、この「偉業」や「才能」「突出」などの言葉に日本人は惑わされてしまうと思いますが、

海外と日本の「常識」は違います。

日本人の「英語が話せる」は、限りなく流暢に日常会話を英語でこなせるレベルを指している場合が多い。

対して、「コンニチハ」「サヨウナラ」が言えるだけで、「I can speak japanese.」と日本語を話せる主張をしていくるのが海外の考え方です。

日本は「できていない部分」に注目する文化ですが、海外(筆者の経験上、欧米、南米、東南アジア、中東アジアなど)は「できている部分」に注目する文化なのです。

ですので、能力の高さを少しでも感じると、「才能」「突出」と親が考える傾向があるということです。

本当にギフテッド判定がなされるかは別にして。

その証拠に、2006年の時点で、アメリカの公立校に通うアメリカ生徒のうち、約7%がギフテッドと認定されている調査結果が出ています。

7%ということは、30人学級で言えば、2人はいるということです。

しかも、公立です。

私立やホームスクーラーなどは、もっといると考えてもよいでしょう。

それぐらい、ギフテッドというのは、思っている以上に身近な存在なのです。


ギフテッドの基準とは?

アメリカでは、ギフテッドの認定基準は2つあると言われています。

それは以下の2つです。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

◆定量的方法(成績、IQテスト等)
◆定性的方法(QAメソッド等)

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

IQテストというものは、単純な記憶力や知識力を問うテストではなく、日本でも行っている発達心理検査のようなもの。

つまり、基礎的な処理能力や、ワーキングメモリ(記憶保持・探索能力)、自分がもっている知識や経験から答えを導き出す応用力、未だ見たことがない問題に遭遇したときの問題解決能力などを測る検査です。

WISCやK-ABCといった検査が有名です。

定性的方法(QAメソッド等)の特徴は、専門家が対象となる子どもと実際に40分ほど時間を共にして一緒に遊び、話をすることで、

その子どもの論理的思考能力、表現力、優先順位の立て方、遊び方等を総合的に理解できるところです。

筆者は療育施設で、子どもが遊ぶ様子を観察しますが、LEGOブロックなどは、子どもの能力が顕著に現れます。

視覚的にイメージしたものを創り出す力が高い子どもには、とても筆者は追いつけません。

遊びも、ギフテッドを測定する1つの基準であるということです。

ただ、これだけではイメージができないと思うので、簡易的なギフテッドを診断できる項目を紹介します。


簡易的ギフテッド診断テスト

ギフテッド開発支援センターの簡易的な診断テストを日本人向けにアレンジしたものです。

【簡易的ギフテッド診断テスト】

※「とてもそう思う」「そう思う」の場合はA
※「分からない」「そう思わない」の場合はB

・論理的に考えられる (  A・B  )
・物事を早く学ぶ   (  A・B  )
・語彙が非常に豊富  (  A・B  )
・記憶力が非常によい (  A・B  )
・長い間物事に集中できる (  A・B  )
・敏感である・傷つきやすい (  A・B  )
・共感を示す (  A・B  )
・完璧主義者である (  A・B  )
・感情が激しい (  A・B  )
・モラルに関して敏感 (  A・B  )
・強い好奇心がある (  A・B  )
・興味があることには忍耐強い (  A・B  )
・エネルギーにあふれている (  A・B  )
・年上と遊ぶのを好む (  A・B  )
・幅広いことに興味がある (  A・B  )
・ユーモアのセンスに長ける (  A・B  )
・読書が好き (  A・B  )
・正義や平等に感心を寄せる (  A・B  )
・年齢の割に大人な判断をする (  A・B  )
・観察力がある (  A・B  )
・はっきりとした創造力がある (  A・B  )
・非常にクリエイティブである (  A・B  )
・権威に疑問を抱く傾向がある (  A・B  )
・算数が得意 (  A・B  )
・ジグソーパズルが得意 (  A・B  )
・一人で考えることができる (  A・B  )

『アメリカギフテッド教育最先端に学ぶ 才能の見つけ方天才の育て方』


全部で26項目ある中、Aであった項目が、20個以上あった場合はギフテッドの可能性が高いと言われています。

この診断を行った子どもで、4分の3以上にAを付けた子の内、84%に高い知能能力があったという調査結果に基づいてつくられた項目であるようです。

お気付きの方も多くいると思いますが、上記の項目にある特徴は、どれも、ADHDや、ASD、LD、HSPの人々がもつ特性と被っているものばかりです。

つまり、神経発達症(旧発達障害)や繊細な人の中には、ギフテッドが多くいる可能性が高いということを示唆しています。


どうやってギフテッドを発見するか?

ギフテッドに関する考えが進んでいるアメリカでさえも、ギフテッドを見つけるということに関しては課題をもっています。

それは、ほとんどの場合、親が「ギフテッドかもしれない」と気付くことがスタートだからです。

ということは「ギフテッド」についての知識をもっている必要があります。

ところが、貧困層の親の場合は、ギフテッドに関する知識をそもそも持っていない場合が多く、

アフリカン・アメリカン(黒人)のギフテッドに関しては、

「約2人に1人は、本来いるはずなのに見逃してしまっているギフテッドがいる」

というデータが出ています。

さらに、特異な才能に気付いたとしても、人と違うことでいじめに遭う可能性もあります。

そうなると、親によっては、

「能ある鷹は爪を隠す」
「出る杭は打たれる」

ということわざのように、才能を発揮させないように子どもを教育する場合が生じるのです。

それが顕著なのが、アメリカの貧困層や、日本の教育。

ただ、「ギフテッド=才能」という考えをもっているアメリカの家庭の元、認定をされたギフテッド児に関しては、きちんと整備されたギフテッド教育を受けることができる。それがアメリカです。

日本には、残念ながらそのような制度がほとんどありません。

14歳の時に、カナダでギフテッド認定された日本人の大川翔君は、

——————————————————————

ギフテッド、天才児は日本にもたくさんいるが、日本にはギフテッド認定制度や飛び級制度がないから、それが顕在化しないだけだ

——————————————————————

ということを指摘しています。

それだけ遅れをとっているのです。

ただし、特定の分野によっては、ギフテッド教育が作用しています。

それは、芸能の分野です。

スポーツで才能がある子どもは、スポーツの強い学校に推薦枠で入れたり、スカウトされたり、プロ系列の下位チームから育成される機会を得たり・・・と様々な選択肢が用意されています。

音楽や絵画などもきっとそうではないでしょうか。

自身に才能があり、それを認めてくれる人がいたお陰で、現在活躍できている・できたという人たちが中心となり、若い才能を埋もれさせないようにと動いている。

学問やリーダーシップ、ITなどの分野でも、そのような選択肢が用意されてもよいと思いますし、

少しずつ、そのような流れに傾いてきている気がします。

KADOKAWA・ドワンゴが創っている、N高、S高なども、その一例ではないかと思います。


ギフテッド教育の内容

ギフテッド教育の内容は、その子どものどの部分が突出しているのかによって、カリキュラムが変わってくると思います。

あくまで、その子どもの長所や才能を伸ばしていく教育ですから。

ただ、幾つかの例を示すことはできますので、3つほど紹介します。


❶小学校低学年でロボット工学

アリゾナ州にあるファイヤーサイドという公立の小学校。

ここのギフテッドプログラムでは、小学1、2年生がロボット工学を学ぶそうです。

車型の形状をしたロボットを、様々な障害物があるコースを走らせるのです。

それも、障害物を避けたり、当たったらどのように行動するのかをプログラムしながら。

聞いているだけでワクワクします。

グーグルなどのIT企業がソフトウェア開発をする時に使っているようなプロジェクト管理手法を、そのまま使っている。

このような子どもたちが中~高生になる頃には、即戦力と呼ばれる実力が備わっていそうです。


❷高校レベルの読書をする小学生

生徒が興味関心をもっている分野の本を一緒に読み解いていくようなプログラム。

高校レベルの読書をするための語彙力も同時に養うように設計されています。

ただ、単純に単語を暗記形式で覚えさせるような教え込み教育では決してなく、独自の単語力を養う楽しみ方を一緒に学んでいる印象。

単語カードを使ったすごろくのようなゲームで、意味に該当する言葉を推測し、それが合っていれば進める、間違っていれば〇マス下がるのような、アクティビティを通して単語力を養成している。

その子どもが求めている単語力を、その子どもに合った思考力を問う形で提供する。

これなら、子どもの語彙力や読解力は倍速で上達していくでしょう。


❸古代エジプト文化×IT

これは宗教学の授業のようです。

メソポタミア文明の学習で、古代エジプト文化のコラージュを、iPadのアプリを使って作ってみるといった授業。

古代エジプトにおいての重要な建物やものをイラストや説明を合体させたアーティスティックな作品に仕上げて発表するという内容です。

それを小学1年生が取り組んでいるのです。

将来役立つもののみを教え込む

ではなく、

一見何の役に立つか分からないが探究心をくすぐられるもの

にとことん付き合っていく中で、真の探究力や、究明力、思考力を培っていくのでしょう。


ギフテッドは、年齢に関係なく、様々な異年齢集団で授業が構成されていることが1つの特徴であり、

成績はあえてつけず、他者と比較しない文化の中で、人間が本来もつ知的好奇心を大切にしていく特色があります。

是非、日本の教育界も、参考にしていきたい部分です。


まとめ

これはまた、別の記事でお伝えするつもりですが、アメリカではホームスクラーに、ギフテッドが多く存在するようです。

ということは、日本の不登校の子どもたちの中にも、ギフテッドが多く存在する可能性があります。

そもそも、不登校は、現在の学校の、「考えない人間を育てるような教育システム」に疑問をもつ子どもたちが一定数含まれています。

ということは、鋭い感性をもち、且つ、学校に行かないという勇気あるアクションが起こせる行動力をもつ子どもであるという見方もできるのです。

ただ、ギフテッド教育はそう単純ではありません。

年収が高い家庭の子どもや、IQが高い子どもは相対的に、精神疾患を抱えたり、自殺したりする子どもが圧倒的に多いのです。

それだけ繊細な感性をもっているのでしょう。

だからこそ、家庭、社会、教育機関がそのことをしっかりと見守ることができる中で、教育できる環境理解者が必要なのです。

その辺りの整備をするためには、まだまだ課題が山積みであるような気がします。

ただ、ギフテッド教育と言えるかは分かりませんが、多様な教育の形が、世界、そして日本でも段々と生まれ始めていることは確かです。

そのことは、また、別の記事で形にしたいと思います。

読者の方々と、一緒に日本のよりよい未来の形を考えていけたらなと思っています。


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