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【日記】4月5日〜4月11日

4月5日
雨が降る寒い日。
バッグが入った巨大な箱達を天井近くまで積み上げる月曜日の朝。今年はバッグをたくさん作る流れのようだ。それ以外はいつもの月曜日。

ラジオで"終活はいつから始めても良いし、今すぐにでも始めるべき"というような話をしていた。この先、運良く大病を患うことがないならば自分はある時を境に永井荷風のように生きて、いつか荷風と同じような最期を迎えるのだろうと思っている。果たして自分にとっての終活とは何なのか。しばし考える。

夜、ビートルズ「ホワイト・アルバム」を聴く。我が家にあるアナログ盤はステレオ盤。いつかモノラル盤を手に入れてみたいと思う。ものすごく高いが。

4月6日
秋のような爽やかな気候。
しばらく続いた値札付け替え作業もとりあえずひと段落した模様。あとは付け替え途中で値札が足りなくなって交換出来ない物を残すのみ。

夜、デヴィッド・ボウイ「トゥナイト」を聴く。
「ヒット作を作ってやるぜ!」という強い決意のもと、ナイル・ロジャースとタッグを組み製作したところ世界中で売れまくった"レッツ・ダンス"も「俺は1987年のロックスターになるって言ってんだ馬鹿野郎!!」って更に気合い入れて作ったものの結果的に滑った"ネヴァー・レット・ミー・ダウン"も好きだけど、自分はその2作の間にちんまりと存在するこの作品がEMI時代のボウイで一番好きだ。

4月7日
またしても大量のバッグと格闘したことを除けば静かな日。コロナの影響か、かなり商品の生産を絞っている様子。

帰り道にネットで取り置きしていたフランス・ギャルのレコードを受け取りに行く。取り置きしていたお店はパンク・ハードコアロック専門店。爆音で超高速ハードコアパンクが流れる店内を眺めて"何故ここにフランス・ギャルのレコードが入荷したのか?"と不可思議に思いつつレコードを受け取って会計を済ませた。

フレンチポップ、特にフランス・ギャルはレコードはどれも高額でなかなか手が出せない。これは格安で買えた。あとで調べてみるとこのレコードは選曲の良さもあってかなりの人気盤らしく、なかなか手に入れにくいという。

4月8日
気づけば倉庫内の在庫が少なくなっている。まるでセール中のようだ。反対にバッグの在庫だけは大量にある。

夜、ザ・スペシャルズを聴く。ノリノリ。

4月9日
例年非常に慌ただしくなるこの時期としては考えられないくらいに穏やかな日。コロナの影響はまだまだ続いている。とは言え、ゴールデンウィークが近くなると急に忙しくなるはず。今は嵐の前の静けさなのかもしれない。
  
夜、セルジュ・ゲンスブール「ラヴ・オン・ザ・ビート」を聴く。

4月10日
ずっと探していたCDが電車で数駅先にある中古屋に入荷していると知り、朝から出かける。休日に電車に乗るのは久しぶり。素早く買って慌ただしく帰宅する。

アーマッド・ジャマルを初めて聴き、あっという間にハマる。
この方のことは小西康陽さんのディスクガイドブックで知って以来、ずっと気になっていた。が、聴きたい作品がどうにも見つからないこともあり、なんとなくずっと聴かぬままだった。

ところが最近になって、ニューウェイヴバンド・カタカナのヒガシノメーコさんから「アーマッド・ジャマル、とても良いですよ」とおすすめしていただくという幸運に恵まれた。そこでいくつか作品を教えてもらい、早速CDを購入した。さらに今日、ずっと探していた作品も手に入れた。アーマッド・ジャマル入門の準備は完璧に出来上がった。

まず聴いたのは1958年のピアノトリオライヴ盤。メーコさんが教えてくれた作品のひとつ。これが素晴らしい作品だった。ピアノ、ベース、ドラムが奏でるのは多幸感に溢れた楽しげで心地良い演奏。会場のリアクションも暖かい。特にアーマッド・ジャマルが高音のキーを叩きながら生み出すフレーズ、音色が表情豊か。

"またまた素晴らしい音楽に出会えた!"

そんな喜びに浸りながら次に買ったばかりの「ジャマル・アット・ザ・ペントハウス」を手に取って驚く。先程まで聴いていたライヴの数ヶ月後に録音された作品で、演奏曲もいくつか重複していた。感動したばかりのピアノトリオの演奏にストリングスが色を添える、そんな内容。勿論悪いはずがなく、こちらも素晴らしかった。ストリングスによって多幸感が増幅されて聴きながらうっとりしてしまう。演奏時間は29分という短さ。欲を言えばこの編成で「枯葉」を聴いてみたかった。

アーマッド・ジャマル、これから少しずつ聴いていこうと決意。全くの偶然とは言え、出会いのきっかけをくれたメーコさんに心から感謝。

東直己「札幌刑務所4泊5日」をひたすら笑いながら読む。意図的に刑務所に入った体験記。

4月11日
朝、前夜に放送された「アド街ック天国・東村山編」を見る。思い入れのある場所なのにまだまだ知らないことが多い。

少し前にデイヴ・パイク「パイクズ・スピーク」のアナログ盤を手に入れたので聴く。デイヴ・パイクがヴィブラフォンを叩きながら時折鼻唄みたいにフンフン歌っているのが人間味に溢れていてとても好きだ。

それから一日中家にあるレコードを色々と聴いたり、前に読んだ本を読み返したり、読みかけの木山捷平「酔いざめ日記」を読んだりする日曜日。
明日から"蔓延防止等重点措置"というものが発令されるからか、都内は人で溢れている。その様子を7時のニュースで見ながら不安な気持ちになった。"日本人は危険に対して無神経であり過ぎる"。伊丹十三氏の言葉をふと思い出す。

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