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【日記】8月23日〜8月29日

8月23日
週末の売り上げはおとなしめ。とは言え、秋フェアも始まるのでここからグイグイ忙しくなっていくだろう。その直前に現れた穏やかな月曜日を存分に味わう。

母親が大腸の内視鏡手術を受ける。先日見つかったポリープを切除。加齢によるポリープなので経過観察でも良かったものの、コロナで病床数も救急車も足りない今の状況で"もしものこと"があったら嫌だ、ということで思い切って取ってもらうことにしたそう。これから約10日間は刺激物の喫食や飲酒は禁止。

8月24日
フェア直前には珍しく発送なし。大量のニットが届くも検品の結果ほぼ全て送り返すことになった。ニットは縫製や生地だけでなく納品時の畳み方、さらに間に挟み込まれた薄紙の種類や位置までチェックしているのでなかなか厳しい。

8月25日
チャーリー・ワッツが亡くなった。
「ラヴ・ユー・ライヴ」という素晴らしいライヴ・アルバムに収められている"ブラウン・シュガー"を聴いて自分はグルーヴというものの正体を知った。いつどんな時に聴いても思わず身体が反応してしまう、それがグルーヴの魔力。チャーリー・ワッツは魔法使いのようだった。

秋フェア直前、多忙な日。大量のコートが届く。さらにラジオからはおせちの先行予約のお知らせが流れてきて思わず愕然とする。

夜、ローリング・ストーンズ「ラヴ・ユー・ライヴ」を爆音で聴いて追悼する。

8月26日
大量のニットを各店舗に振り分けていると突然上司の悲鳴が聞こえてきた。
「んだよ!毛虫踏んだ!!」
気がつけばどこからかやって来たのかシャッター付近の地面に何匹もの毛虫たちがウニョウニョ蠢いている。上司はそのなかの大きめなものを踏んだらしい。毛虫を踏んだ感触があまりにも気持ち悪かったのかニットを抱えている自分にスーッと近づいてきては、
「踏んだとき"プチュ''って水が出るような感じがしたんだよ。プチュって」
とプロ野球の"囁き戦法"の如くしつこく繰り返すので思わず、
「やめろー」
と言いたくなるのを必死に耐えた。

いよいよ秋のフェアがスタート。出荷量も増えてきた。

帰りに電器屋の食料品売り場へ行くと"岩下の新生姜フェア"をやっていたので思わず立ち止まってあれこれ見る。そして新生姜ミュージアムに想いを馳せる。もう何年も行っていない。ミュージアムで食べた生パスタの新生姜カルボナーラをいつかまた食べてみたい。

8月27日
朝、いつものニュース番組を流しながら爪を切っていると突然、
「はぁーい、おつたえしまぁーす」
と普段は聞かない間の抜けた声色が聞こえてきて思わず動きが止まった。画面を見ると浴衣姿の声優の方が気象予報士のかわりに目をぱちぱちさせながら天気予報クイズを伝えていた。自分は女の子が沢山出てくるようなアニメ(ほとんど見たことない)や街中でティッシュ配りをしているメイド服姿の女性などが意図的に発する所謂"アニメ声"が心底大嫌いなので朝から不愉快な気分になった。

蒸し暑さは続く。毛虫たちは相変わらず地面をのそのそ動き回っている。
フェア1週目の金曜日。慌ただしい日。検品があるので以前のように商品が届いたら矢継ぎ早に箱へ入れていくことはなくなった。おかげで少々余裕が出来た代わりにいざ作業が始まった時にリズムを掴むのがとても難しい。

夜、奥田民生「GOLDBLEND」を聴く。

8月28日
6年半ぶりに証明写真を撮る。別に加工する必要なんてないのに最初から「美肌なんとか仕様」しか選べず800円もかかった。納得いかない。

昼、コンビニで買ったペペロンチーノスパゲティをオリーブオイルとともにフライパンで温めたものを食べる。先日見たとある夫婦系YouTuberの"コンビニパスタを手作りと偽って旦那に食べさせたら気づくのか?"という動画で見かけたやり方。普通に美味しかった。ナポリタン以外のコンビニパスタはフライパンでちょびっとオリーブオイルと絡めたらより美味しくなるように思う。あんまり身体には良くないけれど。

ウェイン・ショーター「スーパー・ノヴァ」を聴きながら群ようこ「日常生活」を読む。1992年の1年間を綴った日記エッセイ。きっちり365日分ではないものの結構読み応えあり。真夏の蓼科旅行のくだりはまさに"ひと夏の思い出"といった内容でとても切なくなる。逆に図書館のあまりに酷い対応には読みながら自分まで憤りを感じてしまった。

夜、録画していた「水曜日のダウンタウン」を見ながらゲラゲラ笑う。クロちゃん企画にハズレなし。

8月29日
朝7時起床。遅くまで最近お気に入りの「たまゆら学園」という吉本興業所属のお笑いコンビのYouTubeチャンネルをあれこれ見てしまい少々寝不足気味。動画の最後での「クソが!!!」「そうでしょ!?」のくだりで毎回笑ってしまう。ボーッとしたまま朝食に塩昆布と梅干しのお茶漬けをさらさら食べてなんとか目を覚ます。

マイルス・デイヴィス「ビッチェズ・ブリュー」を聴きながら久住昌之「食い意地クン」を読む。ページをめくるたびに猛烈に腹が減る罪深き一冊。基本的に一人称を「俺」としているエッセイはあまり好きじゃない。が、久住氏の文体には断然「俺」が似合う。「俺」がカレーライスやおにぎりや焼き肉や天丼や秋刀魚の塩焼き定食を食らう、それがたまらなく美味しそうに見えるからだ。

猛烈にお腹が空いたので昼に先日も作った「わさび丼に豚バラ肉&大葉」を作って食べる。自分は勝手に「わさび丼の魔改造」と呼んでいる一品。頬張りながら頭の中で「美味いっ!」って何回も何回も叫ぶ。もはや大好物だ。あえて深めの丼にふうわりと盛って食べるのがお気に入り。

夜、奥田民生「月を超えろ」を聴く。我が家のポータブルプレーヤーは45回転にするとピッチが激しく狂う。が、しばらく聴いていると安定し始めて気づけばほぼ正確になる。それもまたアナログらしくて良い…のか?

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