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【noteで学ぶ腸内細菌23:『ビフィズス菌』がアトピー性皮膚炎にも効くという論文を読んでみた】

 
 こんにちは(o・ω・o)カエルです。

 
 こんなニュースがTwitterで流れてきました。
 

※画像をタップすると元ニュースに飛びます


■ニュースの概要

□アトピーによる痒みに対しては、抗ヒスタミン剤がほとんど効かない(虫刺されなどの痒み止め)
 
□痒みの原因となっているのが、IL-31というヘルパーT細胞が産生する物質
 
□これまでアトピーの治療に使われてきたのは、「ステロイド塗り薬」これは痒みは抑えるが、感染症にかかりやすくなるなどの副作用が起こる
 
□今回研究グループは、9600個の化合物からスクリーニングし、そのうちの1つIPHBAは、T細胞自体には影響を与えずにIL-31の合成を抑えた

□さらにIPHBAは免疫応答に重要なIL-2をはじめとする、他の免疫系には影響を与えなかった(副作用がなかった)

□マウス実験で、マウスのに引っ掻き行動が減った。つまり痒みを抑える作用があることが示唆された

□化合物IPHBAの人での効果を確認したところ、アトピー患者から採取したT細胞はIL-31を大量に産生していたが、IPHBAを加えるとその産生が抑えられた
⇒人体実験の成功

□研究グループは、さらにIPHBAを元にした化合物を合成し、その効果を検討したところ、IL-31の合成をさらに強く抑える物質の開発に成功
⇒アトピーの痒みを抑える薬の強化版の精製に成功
 
□今後、アトピー性皮膚炎の痒みを効果的に抑え、さらに免疫抑制の副作用が出にくい医薬品の開発につながることが期待される

 
 みたいな感じ(o・ω・o)こいつぁすげぇや。
 

 

■アトピー性皮膚炎とは

かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気。
アトピー性皮膚炎では、皮膚の“バリア機能”(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)が低下していることが分かっている

 
 乳幼児から大人まで、アトピーによって体調に不具合を感じる人は多く存在しています。
 
 上のニュースにあるように、新しく発見された『IPHBAを元にした化合物』がそんな人たちの助けになることを祈ります。
 
 
 という所までをニュースを読んで感じました(o・ω・o)そして、


「自分に出来る事は何かあるかな?」

 
 と考えた時に、「アレルギーに腸内細菌が効くのだから、アトピーと腸内細菌に関するデータもあるハズ」

 
 という所に行き着いた訳です。
 
 で、今回のテーマ。

【『ビフィズス菌』がアトピー性皮膚炎にも効くという論文を読んでみた】

 
 です。
 
 紹介する論文はコチラ。

※画像をタップすると論文に飛びます

『アトピー性皮膚炎患児に対するビフィズス菌末の投与が児の腸内細菌叢とアレルギー症状に与える影響の検討』
 

アトピー性皮膚炎の乳幼児に、ビフィズス菌を経口投与すると、アレルギー症状はどのように変化するか?


 というのを調査した論文です。
 
 論文を事細かに説明すると読み辛い長文になってしまうので、掻い摘んで要点をまとめると、


✅アトピー性皮膚炎患児には、健常乳児の最優勢菌である『ビフィズス菌(善玉菌)』の数が著しく低く、代わりに『ウェルシュ菌(悪玉菌)』が多かった
 

ウェルシュ菌『Clostridium perfringens 』
 
ウェルシュ菌とは、クロストリジウム属に属する嫌気性桿菌である。
河川、下水、海、土壌中など自然界に広く分布している。
ヒトを含む動物の腸内細菌叢における主要な構成菌であることが多い。
少なくとも12種類の毒素を作り、α, β, ε, ιの4種の主要毒素の産生性により、A, B, C, D, E型の5つの型に分類される。
 
□食中毒の原因になることがある

 

【noteで学ぶ腸内細菌18:クロストリジウム属という害悪細菌】|虫圭

 実は以前にカエルのnoteで紹介している『ウェルシュ菌』
 基本的に毒性を有する悪玉菌の一種です。

 
 で、そんなアトピー性皮膚炎患児に、
 
✅『ビフィズス菌M-16V』を経口投与したところ、アレルギー症状が緩和された

 
 森永乳業のサイトでも紹介されてました(o・ω・o)

※画像をタップすると森永乳業のサイトに飛びます

 
 さらに論文によると、


✅腸内細菌はアレルギー反応をコントロールする『Th1細胞』と『Th2細胞』の両方を制御している可能性があ
 
 としています。
 


■『Th1細胞』と『Th2細胞』って何ぞや?

 って話になるんですけど、

Th1細胞は、細菌やウィルスなどの異物に対して反応する細胞。
 
Th2細胞は、ダニやカビ、花粉などのアレルゲンに反応する細胞。
 
免疫バランスが崩れ、Th2細胞が過剰になるとアレルギー症状が起こる

 
 この『Th1細胞』と『Th2細胞』を、腸内細菌がコントロールしているかもしれない。
 
 という所までが、論文の内容になります(o・ω・o)
 

 ただし、論文は2003年のものであり、その後18年も経過しているので、データはかなり更新されていると思います。
 
 腸内細菌が『Th1細胞』と『Th2細胞』をコントロールしているかもしれないと表現していますが、現代科学では、腸内細菌がアレルギーに対して確かに効果をもたらすことが証明されており、花粉症などのアレルギー症状を抑制することも解っています。
 


■アレルギーに効くプロバイオティクス(細菌)は?

 アレルギーは複雑なので、「これだけ食べとけ!」みたいには言い切れないのですが、候補があります。

『ラクトバチルス・ロイテリ』
『ラクトバチルス・ラムノースス』
『ラクトバチルス・パラカセイ』

 
 ロイテリ菌については、前回紹介しました。ピロリ菌にも効く善玉菌ですね。

『ラクトバチルス・ラムノースス』を飲んだ場合、腸壁のバリアが修復し(リーキーガットの改善)皮膚炎に効果があった。という論文があります。

『ラクトバチルス・パラカセイ』を飲んだ成人から子供まで、花粉症の改善が見られたとのこと。
 
 アレルギー性の皮膚炎や、花粉症にお困りの方は試してみてはいかがでしょうか?(o・ω・o)カエルはピロリ菌を殺したいので、『ラクトバチルス・ロイテリ』から試します。

『ラクトバチルス・ロイテリ』入りのサプリです。

『ラクトバチルス・ラムノースス』
『ラクトバチルス・パラカセイ』
 入りのサプリです。
 
 
 ま、乳酸菌であるラクトバチルス属を多めに摂って困ることはなかなかないと思うので、気になる方は2つとも飲んでみても良いかも(o・ω・o)腸内に定着するのはほんの一部。毎日飲み続けることがプロバイオティクスは重要なので。
 
 
 いちお、森永乳業の『ビフィズス菌m-16v』のも載せておきますね

 低体重で生まれた赤ちゃんやミルクアレルギー、アトピー性皮膚炎の乳児に効果があるとされているのがコチラです。
 ご参考までに。
 
 
 

 今回はこんな感じでございました。
 
 アトピーの方や、花粉症など、多くのアレルギー症状が今より楽になりますように。
 
(蛙・ω・)<身体に悪い食べ物を減らす事もお忘れなく。サプリが無駄になりますので
 
 

 それではまた~(o・ω・o)ノシ









【参考資料】
アトピー性皮膚炎 | 国立成育医療研究センター
ヘルパーT細胞が持つ2つの顔/イムバランス
Th1細胞とTh2細胞(Th1 cell and Th2 cell)/腸内細菌学会
【腸内環境】症状別に効きそうなプロバイオティクスをまとめてみたぞー/パレオな男(有料版)

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