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恋の、さっきの話

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苦くても盲目で、甘くても俯瞰した、 あなたも少しだけ共感できるかもしれない日記
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#眠れない夜に

11:夜に紛れた声は、きっとあなたに届いてしまった。

11:夜に紛れた声は、きっとあなたに届いてしまった。

「眠いね、」

彼がそう言ったから、この更ける夜になら本当のことを言ってもいいような気がした。

そんなときはいつも、言い留まって、言わないでおくのだけど。

彼は最近、大学四年を卒業し、院生になった。
一応のお祝いで、ささやかなプレゼントを。と、
重いプレゼントにしたくなかったから、Amazonでインスタントコーヒーとおすすめの本を買って梱包して渡した。
とても喜んでくれた。
本はその日のうちに

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10:"私"って、結局あなたの何なわけ?

10:"私"って、結局あなたの何なわけ?

「仕事終わったら、連絡して。」

そんなLINEに舞い上がって、すぐ近くにいた"事情を知っている仲のいい女上司"に「今日ご飯行くんです〜」
と報告する。

私の舞い上がり具合を見て、誰と行くとは言わずとも気づいたようだった。

朝6時から働いていたので、16時頃には仕事も終わり、LINEを入れ、一旦家に帰ってシャワーを浴びて髪とメイクを直してからまた家を出た。

18時に彼の家に着き、連絡をしたら

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8:分かってる。私だって諦めたいよ、

8:分かってる。私だって諦めたいよ、

第三者から言わせてもらうと、やめといたほうがいいんじゃない?って思うけど。

昨日、先輩に相談した時に話していたこの言葉が、ずっと私の中を廻っている。

そんな昼間だった。

旅行中の彼に気を使わせまいと、彼から来た連絡を無視し続ける。

彼女に見られたら不審がられるから連絡出来ないといっていた昨日の彼はどこへ行ったんだろう。

そして彼からの連絡を心から待っていた私は一体いつ顔を隠すのだろう。

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7:ごめんなさい、好きかもしれません。

7:ごめんなさい、好きかもしれません。

まず、表題でなぜ謝っているのかというと、彼はいわゆる
"好きになってはいけない人"
だからだ。

こんなこと言いたくないけど、彼のことがすごくすごく気になってしまう。

いや、今まで言わないようにしていた。

でも考えないように、気持ちの波を荒立てない様にすればするほど、何故か私の中でその気持ちを逆撫でしてしまう。

彼が、付き合っている彼女と九州へ旅行に行っている間、彼から連絡が来ることも無けれ

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