7:ごめんなさい、好きかもしれません。

まず、表題でなぜ謝っているのかというと、彼はいわゆる
"好きになってはいけない人"
だからだ。

こんなこと言いたくないけど、彼のことがすごくすごく気になってしまう。

いや、今まで言わないようにしていた。

でも考えないように、気持ちの波を荒立てない様にすればするほど、何故か私の中でその気持ちを逆撫でしてしまう。

彼が、付き合っている彼女と九州へ旅行に行っている間、彼から連絡が来ることも無ければわたしから連絡することもできない。

1日、たった丸一日連絡が取れないというだけで、何がそんなに変わるのか。
そう安易に考え、
「じゃあまた３日後ね。」
とLINEを終わらせた昨日の私を思い出す。
なんて罪深い…

「私たち友だちだしいいんじゃない？」

そう言うことが最近多かった。
私が言い聞かせていた。
自分にも彼にも。

「普通の友達とはちょっと違うけどね」

彼のこの言葉にも耳を貸さないでいた。
彼は、私が彼の事を好きになるのを待っているみたいだった。

私は好きになったら負けだと思っていたが、そう思っている時点で負け戦だった。

彼女と別れるつもりがないのに、なんでそんな思わせぶりなことを言うのか私には理解できない。
馬鹿だから彼のことは好きだけれど、絶対に好きだとは言いたくない。

今日のお昼、仲のいい女の先輩が、
「私、結婚するの。」
と言っていたことを思い出す。

私には当然結婚相手などいない。
結婚はしたいと思うが、今の私に出来ないということぐらいは分かる。

なんでいつもこうなんだろう。
好きになる人はいつも他に相手がいる。
付き合う人の事は好きになれなくて誰も望まない別れをしてしまう。
理想は高いくせに自己肯定感は低くて、
自分のことが好きで、でも大嫌いだ。
男運が悪いのか、見る目がないのか…
付き合う人にも好きになる人にもしっくりくる人はいた事がない。

彼からインスタのDMが来た。

「こっちなら話せるかも！」

私は懲りずにまた返信してしまう。

お互い依存してるのはもう間違いない。

だけどなんか、フェアじゃない。

相手がいない同士なら綺麗な恋なのに。

わたしも漫画やドラマのような、

人の男を略奪して幸せになれる悪い女になりきれたらな。

Ckw.