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#内村鑑三
中江藤樹──村の教師 内村鑑三
中江藤樹──村の教師 内村鑑三著 内村美代子訳
1 日本の教育
《われわれ西洋人が君たちを救いに行く前、日本の学校教育はどんな形のものだったのですか。君たち日本人は異教徒の中では最も賢い国民であるように思われる。何らかの道徳的、知的の訓練を受けたればこそ、君たちは過去においてまた現在においてこれほどになり得たのだ
上杉鷹山 (下) 内村鑑三
代表的日本人 上杉鷹山 内村鑑三著 内村美代子訳
5 社会と道徳との改革
東洋的考えの一つの美しい特徴は、経済を道徳と切り雎して取り扱わなかった点である。東洋の哲学者にとって富は必ず徳の結果であり、富と徳との相互の関係は実と木との関係にひとしかった。木に肥料を施せば、努力せずに実を得ることができるように、人々に愛を施せば必ず富をなすことができる。それゆえ偉人は木を思って実を得るが、小
後世への最大遺物 4 内村鑑三
さて、私のように金を貯めることの下手なもの、あるいは貯めてもそれが使えない人は、後世の遺物に何をのこそうか、私はとうてい金持ちになる望みはない、ゆえにほとんど十年前にその考えをば捨ててしまった、それでもし金をのこすことができませぬならば、何をのこそうかという実際問題が出てきます、それで私が金よりもよい遺物は何であるかと考えて見ますと、事業です、事業とはすなわち金を使うことです、金は労力を代表
後世への最大遺物 3 内村鑑三
また有名なる慈善家ピーボディーはいかにして彼の大業を成したかと申しまするに、彼が初めてベルモントの山から出るときには、ボストンに出て大金持ちになろうという希望を持っておったのでございます、彼は一文なしで故郷を出てきました、それでボストンまではその時分はもちろん汽車はありませんし、また馬車があってもただでは乗れませぬから、ある旅籠屋の亭主に向い、「私はボストンまで往かなければならぬ、しかしなが
後世への最大遺物 2 内村鑑三
しかるに今われわれは世界というこの学校を去りまするときに、われわれは何もここにのこさずに往くのでございますか、その点からいうと、やはり私には千載青史に列するを得んという望みがのこっている、私は何かこの地球に Memento を置いて逝きたい、私がこの地球を愛した証拠を置いて逝きたい、私が同胞を愛した記念碑を置いて逝きたい、それゆえにお互いにここに生まれてきた以上は、われわれが喜ばしい国に往く