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父が私に焼き付けた「血の海」妄想のタチの悪さ

これは私、脱処女40代の苦労ねこルネが、病院に行くことなく挿入障害を克服した実体験のブログです。

挿入障害とは男の人のペニスを「挿れられない」「挿れようとすると痛い」「挿れても気持ちよくない」という女性のお悩みのことです。

あなたは、なぜ自分は、自分だけが挿れられないのかと悩んでいませんか?
「普通の体」になりたくて隠れて涙を流していませんか?
これを克服できた人はいるのか、いるとしたら一体どうやって克服したのだろうかと、実例を探していないでしょうか?

そんなあなたのためにこのブログを書きました。
あなたにとっても、私の経験が何かの役に立てば嬉しく思います。試しに読んでいってください。

洗脳された当時、何をすると「血の海」になるかは知らなかった

私は変質的な父の執拗な暗示によって、
「新婚初夜の行為で新婦はシーツが一面血の海になるような大怪我をする!」
という洗脳を幼い頃に施された。

(その他、父が私に何をしたかはこちらに告白した)

この「血の海」の洗脳は後年私に、20年続く「人生台無し」級の苦しみを与えた。
私の場合、挿入障害の最後の難関は父によるこの暗示だったのだ。

しかし、こうして振り返ってみると不思議なのだが、父が洗脳を施した幼女の私は新婚初夜に新郎新婦は一体何をして、そのうちのどの行為が大怪我に繋がるのか、について具体的なイメージを持っていなかった。

なのに「大怪我をする!」という妄想だけが、その行為の結果100%起こることのようにがっちりと紐付けられてしまったのだ。

そしてその後、その妄想は私が成長し、環境が変わり、新しい知識を身につけていくに従って、それでも同じ結論に至るようにねじ曲がっていった。

これは潜在意識に焼き付けられた洗脳、妄想、そしてリミッティング・ビリーフといったものがどれほど人の考えを歪めるものか、ということについてのとても良い例になると思うので、まとめてみることにした。

小学5年生のとき図解で知った大出血にいたる具体的な行為

「血の海」妄想に最初の大きな変化があったのは私が小学校5年生の時である。

学校で性教育をされるような年齢になり、周りの同級生たちも初潮を迎えたりしてお年頃になっていく中、教室の中ではだんだんと、ちょっとエッチな情報が飛び交うようになってきた。

そんな中、私はある不穏な情報を小耳に挟んでいた。
少女漫画のような素敵な恋愛、ついにキスをして結ばれたその先で、オトナの男女は「あること」をするというのだが……それは私にはちょっと信じられないことだった。
いや、こわくて信じたくなかった。
複数の情報筋で確かめたことなので、他の事ならとっくに本当なんだと受け入れているくらい確実な情報だった。
だがさすがに、女子のコレと男子のアレをソレするなんて、そんな、いかにも怪我しそうなことは……恐くて想像もしたくないし、私はしばらく見て見ぬふりを続けていた。

しかし、無情にもそれが事実だと受け入れなければいけない時はきた。
学校で教師から生理の話を聞いたのと同じ頃、私の学年で大はやりした「おんなのこ物語」という漫画があった。
後年、有名な漫画家が同じようなタイトルの漫画を出して埋もれてしまったが、私達が教室で回し読みをしていたのは小学館のドリーミーライフシリーズ、「おんなのこ物語: 初潮のほん」だ。
その出版社の内容情報にはこう書かれている。

出版社内容情報
「専門の先生方が成長期の女の子の心とからだの悩みにまんが仕立ての物語も交えながら、Q&Aでわかりやすく解説します。」

紀伊國屋書店ウェブストアより


その漫画のわかりやすい図解によって、私は何が大出血に至るのかを衝撃とともにひとり合点することになった。
図解で明らかになったところによると、新郎新婦が新婚初夜にする行為とはつまり、女の子の狭い穴の中に男の子の棒状のものが入ることだった。
「それは当然、大怪我をするに違いない!」私は身ぶるいとともに納得した。

暗闇の中、寝室のベッドに押し倒された新婦は狭い穴に棒状のものを突き立てられ、身の毛もよだつような悲鳴をあげる。そして翌朝、全身から血の気が引き、苦悶の表情を凍りつかせたあわれな新婦が横たわるシーツは一面、真っ赤な血の海となっていた…

苦労ねこミステリーシアターより


火曜サスペンス劇場かなにかの見すぎである。

やや誇張はしているが、私は小5以降、だいたいこのようなディテールを備えてしまった妄想を、挿入を伴う新婚初夜の行為によって、100%起こることだと本気で思い込んだ。
誰かがそれに「それなら式場併設のホテルには毎晩救急車が殺到するんだね」とか、「もう新婚初夜は病院の手術台で決まりだね」とか、「新婚旅行なんて計画してもだいたい1泊目で中止だね」とか、現実との矛盾を突っ込んでも残念ながらほとんど無駄なことだ。
潜在意識に強烈なイメージが焼きこまれてしまっていると、人はそのイメージありきで、無意識にあらゆる情報をそのイメージに合うよう歪めたり無視したりしようとしてしまう。

そのような洗脳状態を解除するには、人の心の仕組みによった、正しい洗脳解除の手順を踏まなければならない。

周囲の女子たちが「血の海」にならない現実に合わせて歪んでいった妄想

小学校を卒業して中学、高校と進学していくと、私の周りにはだんだんと「血の海」妄想とは噛み合わない現実が増えていった。
早々と処女を卒業してセックスを楽しむ友人たちの存在である。

私が本気で信じ込んでいたところによれば、彼女たちは少なくとも最初の1回、大出血をして死にかけなければいけない。
だというのに、すぐそばで見ていても彼女たちにはまったくその様子が見られなかった。
本人たちに話を聞いても「え?そりゃ最初はちょっと痛かったけど~」程度のものである。
ついでに「サルよ!私はもはやサルよ!もう、今のカレシが相性バッチリすぎて最近毎日ヤってるわ」などという雲の上の人々の話を聞かされて、相手のあてが全くない、はるか周回遅れの自分がみじめになるばかり。

それでもなんでも、私の潜在意識の結論は、「ペニスを挿入すると大怪我をする」ので「絶対にペニスを挿入させない」なのだ。

だから、妄想に反する現実に囲まれて、もはや辻褄が合わなくなってきた時、私の潜在意識は妄想に姑息な修正を仕掛けてきた。

「新婦はみな大出血する」、というイメージから、「私だけは大出血する」というイメージにすり替えてきたのだ。
そして、念のいったことにそれに信憑性を持たせるため、「なぜなら私の穴は少し奥に大きなイボのある奇形だから」という、自分で指を入れたことも、女性器の表面を鏡で見たことすらないのにどうやって分かるのか不明な追加の妄想と、「そんな私が大出血を避けるためには挿入のとき洪水のようにビショビショになっておかねばならず、そのためには当然睡眠も十分で体調は最高、メンタルも最高潮にエロく昂っていて……」と延々と続く、その最悪の事態を避けるための非現実的な設定を作り出した。

20歳ごろ、1人目の彼氏とのセックスが激痛で挿入できずに終わったとき、その新しい妄想は私の中で完全な真実となってしまった。
そしてそれは女としての自尊心を深く傷つけ、エロ関係の発展に強烈なブレーキをかけるようになった。
さらにはセックスが不発に終わるたびに、すべての理屈をすっ飛ばして「やっぱり私が奇形だからだ」という妄想の強化と落ち込みにつながるようになってしまった。

輪をかけてタチが悪いのは、そんな妄想に操られていながら、普段はその自覚がほとんどなかったことだ。
もし奇形が本当なら真っ先にどうにかしなければならない自分の性器のことをほったらかしにして、私は普通に彼氏とイチャついてセックス未遂を繰り返して落ち込んだり、処女を卒業させてくれる理想の相手を妄想したりしていた。

これはもし病院へ行くなどして事実を確認してしまったら、「ペニスを挿入すると大怪我をする」ので「絶対にペニスを挿入させない」という結論の根拠が崩れてしまうからだ。
そうなればまた新しい根拠を作り出さなければいけなくなるので、ただ結論を変えたくないだけの潜在意識にとっては、普段は妄想のことを忘れさせ、私が何も対処せずにいた方が都合がいい。

ここぞという時には私達を完全に支配するのに、普段はそんな妄想の存在を思い出すことすら難しいように、裏から私達の意識を操作する。
潜在意識とは、なんとおそろしいものだろう。

洗脳、妄想、リミッティング・ビリーフ=潜在意識ですでに決まっている結論

これが、潜在意識に焼き付けられた洗脳、妄想、そしてリミッティング・ビリーフというものの凶悪な働きの一例だ。

こういった潜在意識の怪物たちが本気で暴れているとき、努力とか理性とか意志の力などというものは、その土台ごと吹き飛ばされてしまう。
対抗するための足場となるはずの、ものの道理が通用しない。
相手はどんな不正でも使って人の意識の隙をついてくる。
結論、結果が潜在意識によって釘付けにされてしまったままなら、私達はどう足掻いてもそこ以外に行き着けるわけがない。

ところで、さきほどから洗脳、妄想に「リミッティング・ビリーフ」という言葉を付け加えている。
「人間の自然な欲求を禁止されることで出来てしまった、物の見方や考え方、感じ方を制限する思い込み」が「リミッティング・ビリーフ」の意味だ。
これも、人の潜在意識の中で私の「血の海」妄想のような悪さをしている、タチの悪い、よくある思い込みだ。
たとえば「私は女性であってはいけない」「私はセクシーになってはいけない」「私は幸せを感じてはいけない」
こういう、そりゃ人生が不幸になるでしょうよ、という思い込みを、私達は抱えていると気づくこともできずに抱えていることが、とてもよくある。

あなたのその悩みはどうだろう?

もし、タチの悪い潜在意識の思い込みがあなたの悩みを作り出しているとしたら、その思い込みはどういうものか?

もしそうだとしたら、あなたの人生はどんな結論に向けて潜在意識に引きずられていることになるだろうか?

もし、そのまま私のように10年、20年が経ってしまったとき、あなたの人生はどうなってしまっているのだろうか……

それをあなたにも考えてみてもらいたくて、幼少期に変質的な父に焼き込まれ、20歳ごろから20年にわたって私を苦しめ続け、人生を狂わせたおかしな妄想を、勇気を振り絞ってここにさらけ出している。

どうか、あなたも今、振り返ってみてほしい。
そして運良く何か発見があったら、すぐにそれを解決するため行動してほしい。
わたしのように20年もの歳月を失ってしまってからでは、その時間は取り返しがつかないのだから。

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