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前回は「感覚」について書きました。

今回はその先にある知覚と認知について。

まずは定義を理解しましょう。

知覚(perception)とは
感覚よりもさらに情報処理の過程が進展した段階を指し,対象(環境における物事やその変化)を知ることを意味する。それゆえ、知覚が感覚と区別できるところは、感覚よりも主体的な空間や時間の意味概念が加わっているとい うことである。

認知(cognition)とは
知覚のより主体的過程を指し、 人間が予め持ってい る情報に基づいて対象に関する情報 を選択的に取入れ、相互関係を規定したり新しい情報を 蓄積したり、また、外界に伝達したりする行為などを総 称す るものである。それゆえ,判断,決定,記憶,推論, 理解などの広範な情報処理活動を指すことを意味する。

と前回紹介した論文に記載されています。

感覚障害があっても知覚、認知に働きかける事でアプローチが可能です。

例に出すとすれば、

「くすぐったい」という現象は自分でやると感じにくいですが、人にやられると感じますよね?

脇腹などをくすぐるとして、感じている受容器は同じです。感じているのは皮膚に存在する受容器です。これは誰が行っても変わらないですよね。

しかし自分で行うと平気で、人に行われると
「くすぐったい」と感じます。

これが知覚・認知の乖離により起こると考えられています。この事から

感覚障害=異常感覚(痺れ等)

は=にならないという事です。

もちろん感覚障害があれば知覚・認知の乖離は起きやすいと思います。そのため痺れなどの異常感覚がでます。

しかし、必ずしも=ではないという事を理解しなければなりません。

この場合、運動機能が残存しているのであれば、運動機能から知覚・認知させて行きましょう。

運動を行い、探索活動を行う事で物体を押すという認知、ザラザラしているという触感(テクスチャ)が認知出来るかもしれません。

運動機能も障害されている場合は視覚、聴覚、嗅覚など残存している機能を使いましょう。
そして、受動的でもいいので障害されている四肢に認知してもらいましょう。

上肢は中枢部の支配の影響が大きいですが可能性は0ではありません。

上肢を箸と同じように受容器として認識してもらいましょう。受容器は残存していますので。

下肢は末梢機関での代償が可能ですので歩行をしましょう。CPGを使う事が出来れば歩行時の痺れなどは軽減するはずです。

乖離が起きるから異常だと脳は認識するのです。

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まとめ

✅異常感覚は脳の認知の乖離により起こる

✅感覚障害=異常感覚(痺れ等)で決めつけない

✅残存している機能を使うこと

この3点を理解する事でアプローチの仕方はかなり広がると思います。

次回は参考書籍を紹介したいと思います!



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