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民家の「あかり」に惹かれて:飛驒民俗村 飛驒の里

こんにちは

飛騨高山の古い町並のお話をさせていただきましたが、今回は飛騨地方の伝統的な民家が移築された民家園を訪ねたお話になります。

訪ねてみると、日本人より海外からのお客さんの多さに驚きました。
民家を見学していてもその方たちとボク(日本人)という構図がほぼ。

海外の方は日本的なものを求めているんだなぁと感じつつ、それはそれで面白い体験でした。

ということで、本題に入っていきます。

お手すきの際にのぞいてもらえたら嬉しいです。


|飛驒民俗村 飛驒の里

では、まずはどんな場所なのかというお話から始めていきます。

「飛驒民俗村 飛驒の里」は市街地から離れた場所にあります。
飛騨地方で消滅しかけた伝統的な民家を移築させ、地域の歴史や文化を伝えていく民家園という位置付けだと思います。

飛騨の里 道中
この道のどこかでカメラのレンズカバーを無くす

昭和30年から40年代の高度成長期には、ダム建設や過疎により、飛驒地方ではいくつもの村落が消滅の運命にありました。飛驒民俗村・飛驒の里には、こうした運命から救った合掌造りなどの古い家屋30軒以上と民具約8000点を収集・保存しています。

私たちは民家や民具を単に展示するのではなく、皆さんになるべく当時の生活に触れてもらえるよう努めています。囲炉裏には火が入り、小川が流れ、水車が回る…。かつてはどこにでも見られた農山村の風景が、飛驒の里には再現されています。入館者は、柱に触り、囲炉裏に腰掛け、昔の人の営みを肌で感じることができます。これが飛驒民俗村・飛驒の里設立当初からの理念、すなわち「生きた博物館(Living Museum)」です。

飛驒民俗村 飛驒の里HPより抜粋
飛驒民俗村 飛驒の里
五阿弥池(ごあみいけ)の奥に見える旧西岡家

飛驒の里に入ってみると、中央に広がる池と奥に見える合掌造りの建築が印象的です。

ただ、ボクは閉園時間まで残りが少ないところで入館したので全てを見学するにはだいぶ時間が足りなく、厳選して(国指定重要部下材の民家を中心に)見学させていただきました。

旧吉真(よしざね)家 国指定重要文化財
旧若山邸 国指定重要文化財

それくらい飛驒の里は敷地も広く伝統的な民家など見どころが多いところです。


|一つ一つが際立つ

飛驒の里にある民家に入ると印象的なものの一つが「光」です。

伝統的な民家は現代の生活環境から見ると不十分な備えに感じるかもしれません。
ガラス窓や断熱された壁はなく、暑さ寒さの気候の影響をより受けますし、照明器具はなく火の灯りや外から差し込む日の光が頼りなので、今のボクらからすると「暗い」です。

しかしその分、どうしたら少しでも良い住環境になるのか、が落し込まれていると思います。

旧田口家 国指定重要文化財
旧田口家 障子
光が拡散される

例えば、障子。
民家内部の外に面する場所が障子が納まっています。
障子は日の光を柔らげると同時に光を拡散させます。
直射では届かなかった部分にまで光を広げられるので、特徴的なぼんやりした明りの部屋になるんだと思います。

旧田口家
住民の寄り合い機能も持っていた民家
よって建具も多く、部屋も広い

また障子以外の建具の開け閉めで、風の通り道を作ったり、
囲炉裏の煙や熱を利用して保存食や家の保護につなげたり、

今の暮らしとは真逆に近い環境ではあるものの、その分自然の力を借りて少しでも住み心地を良くしようとした形伝統的な民家ではないかと思います。

囲炉裏
火を焚くことによって
柱や梁といった構造材の保護や
防虫などにも効果があった


光、風、火、音など一つ一つが際立ち自然と共に暮らしてきたことを知りますし、日本的な空間ってどこかデンマークのヒュッゲの文化にも通じるような気もします。

旧吉真(よしざね)家
障子の面白さがここにあった
外に映り込む影は、、▼
旧吉真(よしざね)家
影は内部にも映し出される、まるで影絵
障子紙という透通す素材の面白さ


そこで暮らしたことがあるわけでもないので、本当の良し悪しの理解まではできません。
ただ、伝統的な民家の体験から感じ取れたことや気づきを今の暮らしに活かせるアイデアになればと思っています。

温故知新的な。

旧若山邸
屋根裏の構造
今WHAT MUSEUMで開催されている
感覚する構造展にある合掌造りの模型と比較

ということで、
自然と暮らしが共に生きてきたことを体験できるステキな場所ですので、飛騨高山に行かれましたらぜひ立ち寄ってほしいなって思います。

それでは今回はこの辺りで失礼します。

ではまた

そっ、と差し込む光がいい



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