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馴染んだ暮らしの中に在った!

こんにちは

前回は日本の伝統的な建築では腰を下ろし座ったときに良さが引き立つように作られている、個人的な話としては座って過ごす時間に心地良さを感じる、ということを綴らせていただきました。

これからお話しする内容は前回のお話しともリンクしているんじゃないかなと思います。

お付き合いくださると嬉しいです。



では今回のお話に入っていきます。

家業、倉島木工所の自社製品に木と和紙で製作した椅子
【紙木365】(シキサンロクゴ)という商品があります。「紙木折々-しきおりおり-」シリーズ商品の1つです。

紙木365

紙木365は
一年、365日に想いや願いを込める縁起など日本の習慣からアイデアを膨らませ形作った商品です。スツールにおいては幅、高さ、奥行を365mmの立法体となっていて文脈から寸法を含めて365日がデザインされています。


機能面に視点を移してみると座る高さは先ほど言った通り365mm、これはベンチタイプも共通しています。一般的な椅子の高さは450mm前後と言われていまして、それに比べると約100mm(10cm)低いです。
この差は椅子の高さにおいては大きな差で、明らかに周囲の見え方は異なります。

紙木365で縁側的に


ではそんな低さから見えること、感じることってなんでしょうか。


■当たり前の中にあった本当の良さ

いま、現代の暮らしでは椅子に座る生活がすっかり馴染んでいます。
けれど和室と言われる部屋が少なくなってきた現在でも、ソファに座っていても何故だか床に座って座面を背もたれ代わりにしたりする場面もあるかもしれません。

無意識の動きとして床座りをボクたちはしているといえます。

床に腰をおろして座る生活スタイルは日本人にとっては慣れ親しんだ習慣であり、大昔から今に至るまで続いてきた日本的な文化だと思います。
そうした床に近い位置で生活をすることを「ロースタイル」」または「ユカ座」といわれ、その様式は日本人にとって馴染んでいる暮らしの形です。
※今回は「ロースタイル」の言い回しで進めていきます。

昔の暮らし
ロースタイルの特徴は
床に近いことで足を伸ばし、ゆったりくつろげる、座った時に低い視点から見ると部屋の高さや広さといった「ゆとり」を感じられる、部屋のコーディネートとして低めの家具で統一していくことで部屋に余白が生まれ、空間としても「ゆとり」のある部屋となる、
などの事柄がロースタイルの利点と言われています。

ということは、ロースタイルから得られる利点は色んな物事に時間が取られやすい現代だからこそ必要な、ゆったりとした余白のある時間、なのかもしれません。

しかもそれはボクたちが当たり前にしている習慣の中に隠れていた、

そんな風に思います。

それを踏まえて「紙木365」の座面高さは
床とまではいかなくてもロースタイルならではの、視覚から得られるゆとり、身体から得られるくつろぎ、を感じられることが特徴です。

ロースタイルは和室を作らずとも家具の高さで調整してコーディネートしていけば取入れられる生活スタイルであり、「紙木365」はそのお手伝いが出来る家具だと思います。


■おわりに

と、ここまでもっともらしくお話してきましたが、
今回の内容は元々知っていたわけではなく紙木365を設計しているときに学んだことです。

一般的な椅子の高さより低いってなんだろう?から始まり、調べたり、読んだり、聞いたり、座ってしばらく過ごしてみたりをしている中で感じたことを綴らせていただきました。
ですので、まだまだこれから学ぶことも多いだろうし、身近な習慣の中に潜んでいる「良さ」を見つけていたいと思います。
ゆくゆくはKURAMOCO的ロースタイル空間を提案してみたいとも。

スケッチメモ

また何か発見したらお伝えしていきますね。

それでは今回はロースタイルから得られる利点を紙木365を交えてお話させていただきました。
前回と合わせると2部作的になって読めると思いますのでよろしければのぞいてみてください。

ここまでご覧くださりありがとうございました。

ではまた



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