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怒鳴られる

久々に泣いちまった。

今日仕事で電話に出た。
うちの店の不手際があったらしく、くだらない小さな事ではあったが、大げさに、何より異様に10分間怒鳴り散らかされた。

あれは紛れもなく "カスハラ" だ。











最初は余裕だった。
救いなのは "" のミスではないことから、自責心が死ぬほどある私にとって安心材料だった。

大丈夫とはいえ、ひたすら電話越しに割れるほどの声量で怒鳴り続けられると応えるものがある。

4分をすぎた辺りからプツッと何かの糸が切れたように私にも限界が来た。心臓がバクバクしてきた。
これは怒りなのか、怖かったのか、なんなのか分からなかった。

無事に拷問のような10分間が終わった。
私もなにげにクレームの対応に自己満していた。うまく交わせたし、いい感じなのではないか。
クレームの話の内容を整理する前に、その時の私にはクールダウンが必要だった。私は一直線に更衣室に逃げ込んだものの、他の社員には何かを悟られていた。











更衣室に逃げ込んだ私は安心感からなのか、口がへの字になり泣きそうになった。泣きたいわけじゃない。体が勝手にそうなっていた。

メイクもしているし、泣いてはいけない。そう思うとより込み上がってくる。悔しい。泣かない。

とにかくペンを握りしめ、紙にクレームの内容をまとめ書き留めた。しばらくすると涙も引っ込み全然大丈夫だった。私は何食わぬ顔で更衣室を出た。










他の社員は当然のように心配してくれた。
心配して欲しいわけではなく、むしろ心配されたくないのが本音なわけだが、その心配も裏を返せば優しさ。私は有難いと思える心を持った。

しかし店長が私を呼び出した。
そこで店長にこう言われた。

「電話でお客さんに何か言われたんでしょう?あなたは真面目だからクレーマーの言うことまともに受け取っちゃだめだよ。真面目なんだから聞き流せるようにならないと。今度対処法しっかり教えるからさ。ちゃんと身につけてこう」











店長なりの気遣いと心配と優しさと教育で愛があるのは分かった。だけど私はあのクレーマーなんかより奥深く刺さる傷をつけられた。

"真面目なんだから"

世界で1番嫌いな言葉だ。
褒め言葉で使われることさえ嫌うのに、こんな時にも登場するのかよ。ふざけんな。











クレーマーに久々に当たり、怒鳴られ続けると言う新鮮な出来事を経験できたのはむしろワクワクしている。楽しかったまである。感謝まである。

それに反して、真面目だからなんて言われた出来事は、吐き気がしてくるほど最悪な出来事だ。












この気持ちを成仏するには、とにかく自分を鍛え上げるしかないのだろうな。

私は弱そうに見られているからそう言われたのかもしれない。中身はそんなことないんだけどな。やっぱり私は見た目で損しているのかな。

悔しいな。
バネに、頑張るか。

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