『広告がなくなる日』SNS時代の今、元博報堂コピーライターが語る未来の広告とは?
わたしたちの毎日は、広告であふれていると思う。
YouTubeで好きなチャンネルの動画を見るとき「はやく5秒経たないかな」って思いながら見るし、外に出れば、ポスターやらなんやらで膨大な情報が目に入ってくる。
今回はそんな「広告」の未来について、広告業界の方が語った『広告がなくなる日』をご紹介。
あとで説明しますが、読書好きな方は、きっと著者の牧野さんに親近感を覚えると思う。
というのもね、この本には、ある「仕掛け」がしてあるのです。そのうちの2つめを読んで「わたしもそう思うよ!」って、思わず前のめりで共感してしまった。
1つめから、紹介していきますね。
仕掛け① 縦開きのデザイン
まずね、ぺらぺらとめくってびっくり。
始めと終わりのあいさつ以外、ぜんぶ縦開きで読むスタイルになっているのです。伝わるかしら。本を右に90°、くるっとして読むの。
「本」という成熟した形状への挑戦というこの仕掛けは、いかに相手に面白がってもらうか、という広告業界の人ならではって感じがする。
本は「横開き」が「当たり前」です。ページのめくりやすさの観点だけでも合理的だし、長い歴史の中でその形状に落ち着いたことへの理解と敬意はあるつもりです。でもまずは、それがどんなものであれ、「当たり前」も疑ってみることが必要だと考えています。
歴史に敬意をはらいながら、当たり前を疑うこと。大切ね。
仕掛け② 本屋でしか売らない?
この本、電子書籍化しないって。そして、基本的には本屋でしか売らないって。もちろん流通の仕組み上、Amazonでも買うことができますが、書店に足を運んでほしい、という思いからだそうです。
なので、いつもはわたしもAmazonのリンクを貼っておくんだけど、今回は貼らない。ぜひ、近所の本屋さんに足を運んでみてほしい。
「便利な暮らし」に依存していると、必要な「何か」が抜け落ちてしまう。そんな「便利さ」へのカウンター的仕掛けです。
その「何か」とは、例えば「本屋に歩いて行ってみる」というようなことです。たくさんの知らない本に触れ、紙の匂いに包まれて、膨大な文化と歴史に触れるというようなことです。その「何か」とは、感覚的で情緒的で「人間的」な「何か」です。
広告はコストである
さて、中身も少しご紹介しておきます。
広告は、商品を売るために、より多くの人に知ってもらう手段だったりします。だから、何もしなくても商品が売れるんだったら、お金もかかるし、広告なんて出したくないのが売る側の本音。
いまはSNSでいくらでも宣伝できるし、広告は分岐点にいるんじゃないか、では、存在意義は何だろう?ということを、著者が考察しています。
ぱらぱらめくりながら、プレゼンを聞いているような感じで読めます。おすすめ。
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