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『センスは知識からはじまる』くまモンを生んだクリエイティブディレクター・水野学が教えるセンスの習得法

タイトルにずきゅんとやられて、まんまと読んでしまった。

個人的に「センスが良い」って言葉は、なんだかその人のこれまでの経験や努力を軽んじているように聞こえる場面もあって。思考停止っぽくて、なんとなく好きじゃなかったのです。

「センスは知識の集積であり、努力をすれば、誰もが磨けるものだよ」って本でした。読めばあなたも、「わたしはセンスがないからな~」なんて、言えなくなるはず。

ご当地キャラ「くまモン」や、電子マネー「iD」のロゴなどを生み出した、クリエイティブディレクター、水野学さんによる1冊です。


現代社会では必須となった「センス」というスキル


まずは「デザイナーやクリエイターじゃなくても、センスって必要なの?」というお話から。例えば、資料の作成が必要な会社員の方、多いと思うのです。

会議資料をまとめる作業や企画書の作成は、多くのビジネスパーソンが日々直面するシーンです。しかし、読みづらい書類ばかりを提出する人が、仕事がデキるように見えるでしょうか。

……そうね、ビジネスパーソンには必須スキルだわ!

では、そんなセンスはどのように磨いていけばよいのでしょうか?


センスとは知識の集積である


著者の水野さんは、センスが良くなりたいのなら、まずは対象の「普通」を知ることが大事だと述べています。

普通とは、「いいもの」がわかるということ。
普通とは、「悪いもの」がわかるということ。
その両方を知った上で、「一番真ん中」がわかるということ。「センスが良くなりたいのなら、まず普通を知る方がいい」と僕は思います。

普通を知るには、たくさんの対象物を知ることが必要。この本では、効率よく知識を増やすコツとして、三段階のアプローチが紹介されています。それがこちら。

① 王道から解いていく・・・その分野の王道って?
② 今、流行しているものを知る・・・王道との違いは?
③ 「共通項」や「一定のルール」が無いかを考えてみる

詳細はぜひ本を読んでみてほしいのですが、すぐに実践できるようなものばかりで、読んでいるだけでモチベーションがあがります。

あと、このシズルについての考えも興味深かった。シズルがそのものらしさで、消費者が「なんか良い」って思う要素の一つだとすれば、確かにたくさんの知識が必要になってきますね。

売れるものには必ず、「シズル」が存在します。シズルとは本来、「肉がジュージュー焼けるさま」を表す英語(Sizzle)。転じて広告業界では、美味しそうに見せる演出を指します。僕は更に広く捉えて、「そのものらしさ」をシズルと表現しています。


興味のあることを、たくさん吸収して、知識をつける。普通を知って、それを基準に新しいことを考える。そうやって「知識の上に磨かれていくセンス」を身に着けるためのヒントがつまった1冊です。

あなたも、いっしょに「センス」を磨いていきませんか?


■この本が気に入った方には、こちらもオススメ

本の中で、Apple社のセンスについて言及する部分があり、そこでこの本の内容に触れていました。iPhoneの分解話など、プロダクトデザインに関わる方にはきっと勉強になる内容が盛りだくさんでおすすめです。

紹介記事も書いていますので、良ければこちらもご覧ください!


■他にも、おすすめ揃ってます!
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