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『校閲記者の目』毎日新聞メンバーが教える校閲の仕事!知識と想像力を駆使して、正しく伝える大切さ

校閲(こうえつ)ってどんなお仕事か、イメージできるでしょうか?

校閲は、「文書や原稿などの誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりする」(大辞林)という仕事です。

2016年に、この「校閲」というお仕事を取り上げた、石原さとみさん主演の『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』というテレビドラマが放送されていました。そこで初めて知った人もいるのでは。

今回ご紹介する『校閲記者の目』は、毎日新聞の校閲メンバーが、その仕事内容について教えてくれる1冊です。

日本語が好き。言葉に触れるのが好き。そんな人には、かなり楽しめる内容だと思う!


校閲は、「楽しい」間違い探しではない!


第1章では、間違いがある記事を使って「校閲体験」をするところから始まります。

これがね、けっこう難しくて!ぜんぜんわからんのです。けっきょく、わたしは1割くらいしか間違いを見つけられなかった。

間違い探しを7ヵ所限定でできれば「楽しい」かもしれませんが、「あるかないかわからないもの」をひたすら探し続ける――それが校閲の仕事であるとも言えます。

ちょっと話は飛ぶのですが、昔2ちゃんねるで流行った、タイポグリセミアってご存じですか?単語の始めと終わりの文字があっていれば、あいだの文字の並びが入れ替わっても読めちゃうってやつ。「こんちには」で「こんにちは」って読める、みたいな。なんか、それを思い出しました。

ちょっとの間違いだと、脳内補正で読めちゃうよね。そういう、見落としがちな間違いも見逃せないなんて、大変なお仕事だ。


日本語という素晴らしい言語を、正確に使おう

日本語は歴史があって示唆に富み、表現力が高く実に素晴らしい言語です。一方で誤りや取り違えも多くなるものですが、読者の事を考えれば、正確でわかりやすい言葉を選ぶべきであり、そのために必要なのが「校閲記者の目」です。

くぅー!かっこいー!

文章を日常的に書いている人はもちろんのこと、日本語を愛し、大切にしたい!という気持ちがある方は、ぜひ読んでみてください。

個人的には、ふだん文章を書いているとき、洋数字と漢数字で迷うことが多くて。このあたりも書き分けの基準が載っていて勉強になったよ。



■この本が気に入った方には、こちらもオススメ

冒頭でご紹介したテレビドラマの原作。
お仕事モノとしても、とっても楽しいです!


■次はこれ読んでみて!似たテーマのおすすめ作品
『なんだ、けっきょく最後は言葉じゃないか。』伊藤公一――有名コピーライターが教える、目的別の言葉の伝え方
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