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『ラオスにいったい何があるというんですか?』村上春樹の、旅行気分が味わえる紀行文集。『ノルウェイの森』執筆当時のエピソードも!

紀行文って、知らない土地の文化や雰囲気をのぞき見できて楽しい。旅行をあまりしないタイプの人間であれば、なおさら楽しい。

今日は、『ノルウェイの森』で有名な村上春樹さんの紀行文『ラオスにいったい何があるというんですか?』をご紹介。ふだん引きこもりがちなわたしでも、旅行したみたいでワクワクできた。

このご時世、旅行好きの方も、その機会が減ったと思います。そんなときは、紀行文で旅行気分を味わいませんか。


そもそも、ラオスってどこ?

ラオスと聞いて「ああ、ラオスね」ってピンとくる人は、どれくらいいるんだろう。わたしは、だいたいの場所すらわからなかった。国の名前か、都市の名前かすら、あやしい。

ラオスって、こんなところだそうです。

・東南アジア唯一の内陸国
・メコン川が流れる(ミャンマーとタイの国境になっている大河)
・国土面積は日本の約2/3(大半は山地と密林)
・IMFにより後発開発途上国にカテゴライズ

へぇ〜。詳しく知りたい方はWikipedia見てね。

ラオスには寺院がたくさんあるそうで、それらを見てまわったときの事が書かれています。読んでたら、行ってみたくなった。

ちなみにこの本のタイトル『ラオスにいったい何があるというんですか?』は、実際に村上さんがベトナム人に言われた一言。ラオスの紀行文の最後では、以下のように語っています。

それらの風景が具体的に何かの役に立つことになるのか、ならないのか、それはまだわからない。結局のところたいした役には立たないまま、ただの思い出として終わってしまうのかもしれない。しかしそもそも、それが旅というものではないか。それが人生というものではないか。

たしかに。役に立つか、立たないかっていう話じゃないよね、旅行って。

ラオス以外の土地の紀行文もたくさん


ラオス以外にも、さまざまな土地を旅した記録が載っています。

なかでもわたしがいちばん印象に残ったのは、アイスランドの首都、レイキャビクでのお話。アイスランドは、読書好きの国なんですって。

アイスランドに行っていちばん驚いたのは、人々がとても熱心に本を読んでいることだった。たぶん冬が長くて、屋内で過ごすことが多いということもあるのだろうが、読書はこの国では、とても大きな意味と価値を持っているらしい。家にどれだけきちんとした書棚があるかで、その人の価値が測られるという話も聞いた。

北極圏に近く、冬至の頃には1日のうち4時間程度しか日が出ていないアイスランド。時間の流れ方が、日本とはまったく違うんだろうなぁ。

そういえば、『ノルウェイの森』や『ダンス・ダンス・ダンス』執筆当時の話も載っています。

ハルキストでなくても楽しめました。じつは、わたしも『ノルウェイの森』しか読んだことない。ぜひ。


■この本が気に入った方には、こちらもオススメ

お笑いコンビオードリーとして活躍する若林正恭さんが、キューバを訪れた際の紀行エッセイ。旅にかかわる優れた著作を表彰する、斎藤茂太賞を受賞しています。

芸人さんのエッセイと侮るべからず。紀行文ですが、泣けます。わたしは新幹線の中で読んでしまい、うっかり泣きました。

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