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旅と本を手掛かりにして、つながらなくてもいい居場所を模索中です。

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体験格差とトラウマ本。正の体験を増やすより、負の体験を減らしてほしい

最近よく目にする「体験格差」に関する話題。 この場合の体験というのは、旅行や習い事だったり、親と過ごす時間だったり、いわゆる質の良い「正の体験」を意味するようだけれど、個人的には「正の体験」を増やすより「負の体験」を減らす方が、子どものためになるんじゃないかと思う。 というのも、楽しかった正の体験よりも、苦々しい負の体験の方が記憶に残りやすい気がするので。 自分の子どもの頃の記憶で、強烈に覚えているのは、眠くもない時間にお昼寝を強制される保育園が大嫌いだったとか、拾って

    • 【未来小説】毒親の遺言

      私の母はいわゆる毒親だった。 過保護で過干渉で、そのくせ子どもの心情には無関心。 幸いにして早い時期に気づいたので、就職と共に家を離れ、実家とは疎遠になっていた。 毒親対策マニュアルに「完全に関係を切ってしまうとストーカー化する可能性大」という記載があったので、そのアドバイスに従ってチャットアプリでのやり取りだけは続けていた。 あの人はチャットでのやり取りでも相変わらずうるさかった。 娘を心配しているように見せかけて毒を吐くようなメッセージが、延々と続く。 メッセージ

      • 【未来小説】喜怒哀楽の値段

        20XX年。AIの進化により、人類は労働から解放された。 国は社会保障の一環として、各企業に一定人数の雇用を義務づけた。 個人は名義上いずれかの企業に属し、給与という名目のベーシックインカムを一生涯もらえるようになった。 俺の所属する会社では、福利厚生としてメタバース上に仮想オフィスを設置している。 実際にはAIが自動的に業務を行っているので、出社の必要性は全くないのだけれど、暇つぶしと好奇心からきまぐれにリモート出社していた。 隣の席の新卒の山田さんという女性のアバタ

        • ゲーム中毒とメタバース『世界2.0』を読んで

          小学生の頃、ゲームのやり過ぎが原因で入院した。 発売当時、子どもたちの間で爆発的人気となった任天堂ゲームウォッチ。 お年玉でようやく手に入れてから2週間後のある日、プレイ中に片目が閉じなくなった。顔面神経痛だった。 地元の医療機関では治療する術がなく、遠方の病院で手術を受けることになり、手術前検査のために事前入院となった。 小児病棟の同室の子たちは、院内学級に通っているような、長期入院の子ばかり。どんな病気か想像もつかなかったけれど、母親も付き添って宿泊していたり、夜間

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          始めるは易し辞めるは難し。もし退職のしやすさをウリにする会社があったら?

          退職代行サービスが人気というネット記事を読んだ。 「自分で電話1本かけるだけで済むことに、わざわざ2万円も払って代行してもらうなんて」という意見もあるようだけれど、その電話1本ですら避けたいという心理もよくわかる。 「タイミー」「シェアフル」などの単発バイトアプリが人気なのと同じ理由だと思う。 タイミーを眺めていると、条件のよさそうなバイトは1か月先まで既に応募でうまっている。同じ人が毎日同じバイト先に応募しているのだろうか。 1か月先の予定までいれるくらいなら、一般の

          始めるは易し辞めるは難し。もし退職のしやすさをウリにする会社があったら?

          ぼっち好きへの福音書『 「居場所がない人」たち 超ソロ社会における幸福のコミュニティ論』を読んで

          しばらく「つながらなくてもいい居場所」について考えていた。 すごく自分勝手かもしれないけれど、自宅以外に居場所が欲しいのに、「居場所」という言葉にもれなく付いてくる「コミュニティ」「つながり」は欲しくない。 というのは、誰かにとっては大好きな居場所でも、他の誰かにとっては居心地が悪いかもしれないから。「つながり」は常にポジティブに作用するとは限らない。 たとえば「居場所」の一例としてあげられることも多い、スナックやバー。 一見客に慣れている店なら、通りすがりに立ち寄って

          ぼっち好きへの福音書『 「居場所がない人」たち 超ソロ社会における幸福のコミュニティ論』を読んで

          ボーディングスクールの学費高騰にビックリ。アメリカのインフレぶりを垣間見た。

          最近、ネット記事で目にすることが増えた国内外のボーディングスクール(全寮制学校)の話題。 もう30年も前になるけれど、アメリカの全寮制学校に短期留学したのを思い出した。 今ではボーディングスクールと言えば、「富裕層が~」という枕詞とセットで使われるけれど、その頃は「ザお金持ち」って感じでもなかったような。 在校生は外出時に見かける地元の高校生よりは洗練されていたし、ルーツは分からないけど外観だけで判断するとほぼ9割が白人。 平均値よりは裕福な家庭の子女だったのかもしれな

          ボーディングスクールの学費高騰にビックリ。アメリカのインフレぶりを垣間見た。

          若さチートを使いそびれた氷河期世代は渋谷ハロウィンが羨ましい

          いつの間にか10月の恒例トピックとなってしまった渋谷ハロウィン。 「こんな人混みに好んで出かけて行くなんて何が楽しいんだろう?」と、例年冷ややかにニュースを眺めていたれど、今年はなぜだか妙に羨ましく感じられた。 ハロウィンの日に仮装して渋谷に繰り出せるのは、若者だけの特権だ。 ニュース映像で見る限り、ほとんどが20代。30代以上も全身仮装ならいけるかもしれないけど、恐らく居心地悪いと思う。 自分の20代といえば就職氷河期だった。 一番出生数の多いベビーブーム世代、20代

          若さチートを使いそびれた氷河期世代は渋谷ハロウィンが羨ましい

          旅行のデジタル化。スマホを手にして得たものと失ったもの。

          久しぶりに遠方に旅行に出かけた。 ほぼ6年ぶりということもあり、旅のデジタル化がぐっと進んでいることに驚いた。 飛行機はオンラインで事前チェックイン、搭乗券もスマホのQRコード。 新幹線もネット予約で、手持ちのSuicaと連携するだけ。 ローカルバスの1日乗車券もオンライン購入、乗り降りの際にスマホ画面を提示するだけ。 支払いの面でも、クレカやQR決済を使えなかったのは2か所だけ。現金の出番はほぼなかった。 ガイドブックもスマホにダウンロード。 旅行アプリならさらに便利

          旅行のデジタル化。スマホを手にして得たものと失ったもの。

          「本」という言葉に感じる日本らしさと本の未来

          「本」という字は、中国伝来の漢字のはずなのに、大和ことばのような、翻訳された和製漢語のような、どことなく日本っぽい印象を受ける言葉だなと思っていた。 というのも、日本語と中国語で使い方がだいぶ違うから。 日本語では「本」と「書物」はほぼ同義のように使われるけれど、現代中国語では書物はあくまで「書」であって、「本」という字は使わない。 中国語では「本を読む=看書」「勉強する=読書」。 「本物」「本当」「本音」といった単語も、中国語にはない。 中国語では「真貨」「真実」「真言

          「本」という言葉に感じる日本らしさと本の未来

          ChatGPTは子どもの敵か味方か 親目線で考えてみた

          ChatGPTの教育利用の是非の話題について、もう一度考えてみる。 シロウトが触ってみた感想としては、現状のChatGPTはまだノイズを含んでないもしくは限りなく少なく、自分の思考域に干渉してくる感じを受けないので、12歳以下の子どもが使用しても実害はないと思う。 ホンモノの人間(特に身近な大人)のノイズの方が、子どもの思考域に干渉して、しかもより影響力が大きいので、教育という点ではむしろChatGPTの方が向いているかもしれない。 一個人としてはそんな風にポジティブに考

          ChatGPTは子どもの敵か味方か 親目線で考えてみた

          もう一つの知の革命。マッチング理論

          Youtubeチャンネル「ReHacQリハック」の経済学者の小島武仁さんの回で知ったマッチング理論。 ChatGPTもすごいんだけれど、「マッチング理論」も同じくらいのディープインパクト、革命の幕開けだと思った。 「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」 アドラーの言葉だったかな。 「対人関係問題=マッチングの失敗&人間間の不必要な頭脳ゲーム」と考えるなら、ビッグデータを基にしたマッチングで、人間関係のゲーム性を排除すれば、人間の悩みの大半は解消されるんじゃないだろうか

          もう一つの知の革命。マッチング理論

          知の解放。ChatAIについて考えてたらなぜか共産主義が浮かんできた

          しつこくChatGPTの話。 前回のnoteで、ChatGPT登場は「黒船」表現がしっくりくると書いたんだけれども、ちょっと違う気がしてきた。 開国を迫るディープインパクト~という意味では黒船と似ているけれど、視覚的な威圧感があるわけでも、全く予期されていなかったものでもない。 どちらかというと「革命」?しかも革命完了のような。 「情報革命」「IT革命」が気づかぬうちにコンプリートしていて、ChatGPTから「終わりましたよ」と告げられたような感覚。 「無音革命」「ステルス

          知の解放。ChatAIについて考えてたらなぜか共産主義が浮かんできた

          ChatAIの登場=人間のスペック競争の終焉か?

          子どもが学校教育にお世話になっているけれど、時代の変化に合わせて教育現場も変わろうと試行錯誤しているのを感じる。 小学校でも中学校のように教科専任制(一部の先生がクラス担任をせずに算数や理科の授業のみを担当)を取り入れたり、算数はクラス越えで習熟度別に班分けして授業をしたり。 タブレットもフル活用、英語の授業ではタイピングとアルファベットとローマ字を同時進行で学ぶ。 2020年から施行された「新しい学習指導要領」を受けてなのか、教科書をながめているだけでも「思考力」重視の

          ChatAIの登場=人間のスペック競争の終焉か?

          シンギュラリティが来たらのび太は勝ち組になれるか

          世代のせいか、AIと言えばドラえもんが脳裏に浮かぶ。 うろ覚えだけど、ドラえもんは工場で出荷前にネズミに耳をかじられて、不良品として安く売られてたのを、セワシくんが買ったんだったよね? ドラえもん、そのせいで失敗も多くダメロボット扱いだ。 現代の日本のメーカーなら、バグがあるとわかっている自社製品をディスカウントして世に出すだろうか? 耳を直してからプロパーで販売するはず。 未来の世界ではバグ製品を売ってると言うことは、安ければクオリティーを気にしない層がいるということ

          シンギュラリティが来たらのび太は勝ち組になれるか

          ChatGPTは子どもの敵か味方か

          「12歳まではChatGPTの利用を制限すべき」という佐藤ママさんの意見に対し、堀江さんが反論したという話題がバズっていた。 ちょうど数日前「うちはChatGPT使用をどうするのか?禁止する?」と子どもに聞かれたところだった。 「子どもにとっていいのか悪いのかは分からないけど、試してみて私よりAIの方がずっと頭がいいのは分かった。」としか言えなかった。 続けて「人間がAIに勝てることはないの?」と聞かれたので、「訳わからんおもろい変なことを考えたり言ったりすることくらいし

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