不育症:糖代謝・PCOS・高プロラクチン
こんばんは(^ ^)クマです!
今日は不育症の中でも糖代謝、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)、高プロラクチン血症についてお話していきます。
それぞれ内容自体は簡潔にまとめられそうなので上記3つを1つの記事にまとめてご紹介しますね。
◎糖代謝異常
血糖値が高い状態が続くと、酸化ストレスが生じてしまいます。その酸化ストレスは受精卵や胎芽・胎児の細胞の細胞死や分化障害を引き起こし、発生異常や奇形の原因となります。
よって、コントロールの悪い糖尿病の場合、妊娠初期の流産や妊娠中期以降の子宮内胎児死亡・死産が起こりやすいのです。
不妊治療開始時や、妊娠初期の妊婦検診で血糖の検査が入っているのは上記の理由があるためです。
空腹時血糖だけでなくHbA1cという中期・長期的な血糖レベルを反映するものも検査していく必要があります。
もし検血糖の検査で異常値が出た場合は、通院中の産婦人科だけで経過を診てもらうだけでなく、必要があれば糖尿病に詳しい内科でも並行して診てもらい血糖のコントロールをしていくと安心です。
◎PCOS
PCOSの詳しいお話は以前の記事でも紹介しましたが
今回は不育症に関するところを紹介していきます。
PCOSでは高黄体化ホルモン血症、高アンドロゲン血症、インスリン抵抗性などが起こりますが、これらが原因で子宮内膜の機能が正常に働かなくなってしまい、流産の原因になると言われています。
PCOSにおいてしっかりと治療しなかった場合の流産率は20〜40%と高くなっています。しかし、適切な治療を行えば流産率は必ずしも高くないとの研究データも出ています。
よって、まずは適切にPCOSの診断をしてもらい、診断されたら適切な治療を開始することが大切です。
◎高プロラクチン血症
高プロラクチン血症では卵巣でのホルモン合成を阻害してしまいます。そのため卵胞発育不全や黄体機能不全を引き起こしてしまいます。
この機序を考えると不妊症や不育症の原因になると言えます。
しかし、高プロラクチン血症が不育症に関連があるという明らかな研究データは出ておらず、高プロラクチン血症だから必ず不育症とは考えにくいです。
不妊の原因にはなってきますので、不妊治療中から高プロラクチン血症に対する治療を行っていれば妊娠後もあまり問題にはならなそうですね。
今日の内容は以上です。
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