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「定年退職の仕方」手続きからその後の生活まで

私が退職してだいぶ月日が経ちましたが、ここで、改めて退職に伴う手続き一式や、その後の生活について整理したいと思います。

定年退職

まず定年退職前後には、すべきこと、しなければいけないことが多いので、まとめてみましょう。
通常の退職とは違うところもあり、怠ると損をすることもあるので、よくチェックする必要があります。


<退職前にすること>

(住まいのこと)

個人的な準備として、まず挙げられるのが、住まいのことです。

老後の住まいは?

ローンを完済して、スッキリされているなら問題ありませんが、まだ残っている場合、借り換えて毎月の返済額を減らせるのか(年金生活者がまとまったお金を借りるのは難しいです。)、退職金で返済できるのか、返済が難しいようなら売却して安い物件に引っ越すのか、残っているローン残高が無くなるまで、別の仕事をすることはできるのか、自分の体と家族の生活と合わせてよく考える必要があります。

(今の生活にいくらかかっているか)

そしてやっておきたいのが、今の生活でいったい毎月いくらかかっているかを把握することです。
次のステップの仕事を続けなければいけないのか、退職金の受け取り方はどうするのか、年金で賄えるのか、これらを判断する材料になるからです。
これらを考えるためにまずは現状把握しましょう。

(仕事のこと)

住まいのことは別としても、定年退職した後、働くのか働かないのかも重要なことです。

まだ働ける?

収入面では出来るだけ長く働いた方がいいのは間違いありません。
しかし、それには本人の体力的な事、精神的な事、能力的な事など様々な点を考慮したうえでは判断すべきことです。
働く場合、今のスキルを活かせる仕事に就くのか、全く別の仕事にチャレンジするのかも検討すべきことになります。
中途半端に今のスキルを活かそうと意気込んでいても、新しい会社の元からいる社員の反発を買うだけでうまくいかない場合もあります。
新しい仕事にチャレンジと言っても、今から新しいことを覚えるのは大変な事です。
もう一つには、今までの経験や知識を生かして独立や起業するという選択肢もあります。しかし、これこそ相当のエネルギーが要ります。資金もいるでしょう。退職金をあてにして使ってしまった後で失敗したら、目も当てられません。
働くことにした場合、収入によっては年金が減額されることもあります。2024年度の在職老齢年金の支給停止調整額は月に50万円になっています。
退職後は働かないつもりなら、何をして過ごすのか、何がしたいのか、家族とのことも考えながらリストアップしてみましょう。一つ一つ計画して実行していくのも楽しいものです。

ハローワークのホームページは下記の通りです。

(会社に対して)

定年が就業規則で決まっている場合、再雇用されるのか否か、給与面や期間などの条件はどうなるのかを具体的に確認する必要があります。
退職するつもりなら、あらかじめ早い段階で会社に申し出ておく方がいいでしょう。
その際、退職金の概算額が分かれば聞いておきましょう。

その退職金をどのように受け取るかも考えておかなければいけません。
一括で一時金として受け取るのか、分割して年金として受け取るのかです。一時金として受け取る場合は、会社で源泉徴収してくれます。
その場合、退職所得控除が適用され、税負担が軽くなります。
勤続年数20年以下の場合40万円×勤続年数、
20年を超える場合、800万円+70万円×(勤続年数ー20年)の金額を退職金から差引し、残りに課税されることになります。
例えば、勤続10年の場合は400万円、勤続30年の場合は1500万円の退職所得控除を受けることができます。

年金として月々受け取る場合は、こうした控除は無くなりますが、急に収入がなくなってローン返済や月々の支払いに困るような場合には助かる制度になります。
どちらが長い目でみて得になるのか、よく検討してみましょう。

退職日が決まれば退職届を提出します。

(退職金の使い道)

退職金が大体いくらになるのかがわかれば、その使い道も考えておきましょう。

何に使う?

貯蓄に回すのであれば、何にするのか、株式投資か、債券を買うのか、FXなのか、NISAなのか、金投資なのか、銀行定期なのか、一口に貯蓄と言っても、様々あります。
それぞれの特徴をよく吟味して慎重に検討しましょう。
先日のような株式市場の乱高下も想定しておかなければいけません。
投資対象が決まったら、どの金融機関を利用するのかも調べなければいけません。手数料や金利など会社によってまちまちだからです。

ローンの返済に充てたり、家の修繕を行ったり、家具や車などの大きな買い物をしたりも、この機会にならできるかもしれません。

ここで気を付けてほしいのは、投機色の強いものはいくらまで、予備費として堅実なものに回すのがいくら、使えるのはいくらまでかと、将来的な事も考えて配分しなければいけないということです。
最初のうちは毎月の収支がマイナスになるかもしれません。
老後破産などにならないよう、それらをある程度想定した検討が必要になります。

一度に大金が入ったからと言って、使いすぎないようにしましょう。

また、使い道を金融機関に相談するのは考え物です。真にこちらの利益になるようなアドバイスは見込めないからです。
自分で調べて自分の判断で決めましょう。

運用は、金利の高いネット銀行や、手数料の安いネット証券を利用するといいでしょう。

家の修繕やリフォーム、車の購入といった大きな出費をする際は、必ず2~3社から見積もりを取るようにしましょう。無駄に高い支払いをしなくて済みますから。
値切ったりすることは、なにも関西人だけの特技ではないのです。

(年金はいくらか)

いつからもらうか

60歳を過ぎたら定期的に届いている「ねんきん定期便」で自分の年金受け取る額が月額にするとどのくらいになるのかよく見ておきましょう。
退職金の概算と合わせて、これをもとに退職後の生活設計を退職前に必ず行うようにすべきです。

そして65歳になるとすぐに年金受け取りを開始するのか、繰り下げ需給にするのか検討しましょう。
よく受け取り開始を何歳からにするのが一番お得だという記事や動画がありますが、あくまで自分のライフスタイルに照らし合わせた上でどうすべきか考えるべきです。
余計な情報に振り回されないようにしましょう。

このころには郵便物の見落としがないようにして、配達されてきた「年金請求書」を提出します。
放っておいても年金は支給されません。必ず提出します。

年金手帳も出して番号を確認しておきましょう。

(雇用保険被保険者証)

年金手帳を出してくるときに、雇用保険被保険者証も一緒に確認して用意しておきましょう。

失業手当か高年齢求職者給付金か

65歳の誕生日の2日前までは失業保険。誕生日の前日以降は、失業保険ではなく、高年齢求職者給付金が受給できます。
これはハローワークで申請するので、最寄りの場所や連絡先を確認しておきましょう。
申請には写真もいるので、スーパーなどにある写真機で撮っておくと慌てずに済みます。

(給与明細をためておく)

いつもは破って捨てているかもしれませんが、定年退職が見えてきたら給与明細はすてずに6か月分は保管しておきましょう。

6か月分

失業保険や高年齢求職者給付金申請手続きに必要になります。
前年の源泉徴収票も一緒にまとめておくといいでしょう。

(健康保険)

会社の健康保険がある間に、つまり退職してしまう前に自分の体の健康チェックは済ませておきましょう。
異常があれば早めに直しておかなければいけません。

会社で入っていた健康保険を退職後どうするかも問題です。
以前あった継続療養の制度はすでに廃止されています。
選択肢は3つ。
今の健康保険を(2年間)任意継続するか、
国民健康保険に移行するか、
家族の扶養に入るかです。

どの保険に入るか

健康保険の保険料支払いは、会社と個人とが折半していました。
任意継続すると、会社負担分も自分で払うということになります。
在職中も結構な金額だと思っていたものが、倍になるのでびっくりしますが、扶養している家族全員分がこれで賄えます。もらっている給料が高い場合は、任意継続の方が支出は低く抑えられるでしょう。
継続すると言っても、いったん家族全員分の健康保険証は返却し、あらたに任意継続の健康保険証として、扶養家族全員分の健康保険証をもらうことになるのでそのまま持ち続けてはいけません。

任意継続の2年が過ぎれば、国民健康保険に加入することになります。
この場合は、家族一人一人別々に加入し、別々に保険料を支払うことになります。
保険料計算は前年の収入を基に行いますので、給料から年金にシフトして収入が下がっているので、保険料も下がります。

家族の扶養に入ろうというときは、年収が180万までならという条件付きになります。

(職歴を書き出す)

再就職を考えている場合、履歴書を作成することになります。
事前準備として、自分の職歴がどうだったか、思い出して書き出しておきましょう。
あとあと自分に何ができるのか、考えるきっかけにもなります。履歴書作成用というより、自分史を振り返るつもりで振り返ってみましょう。

<退職時にすること>

(身辺整理)

定年退職が決まれば、後任への大事な仕事の引継ぎが始まります。
何を誰にどのくらいかけてどの程度まで引き渡すのか、項目ごとにリストアップしておくといいでしょう。
あとでこれはどうなっているかと連絡が来るのもうっとうしいものですから。
準備ができ次第早めに始めておいた方がいいと思います。
引継ぎがある程度進んでくれば、時間的余裕も出てくるので、自分の身の回りの備品や机の整理を始めます。
ロッカーなどに私物があれば順次持ち帰り最終日までに空にしておきましょう。

いるもの、いらないもの

そして仕事でお世話になった方への退職の挨拶を考えます。
メールでも、一斉送信する人、個別に文章を作って丁寧にあいさつする人を分けて考えましょう。
お客様への挨拶も忘れてはいけません。
案内状としてハガキを作成してもいいでしょう。
あいさつ回りで直にお会いして退職をお伝えすることが出来ればそれに越したことはありません。
誰にどのような形で伝えるか、これもリストアップが必要です。

(手続き)

会社に返却するものはコピーをとっておきましょう。

社員証や身分証、ⅠDカード、バッジや制服、名刺、健康保険証など、事前に漏れがないか確認します。

返すものは控えを取ろう

会社からもらうものとしては、離職票、健康保険資格そう喪失証明書、退職証明書、退職金・給与の源泉徴収票などがあげられます。財形貯蓄の解約 社内で積み立てがあるならそれも忘れずに解約します。

<退職後にする手続き>

(年金)

60歳を超えていれば国民年金への切り替え手続きは不要です。(働かない場合)
配偶者が60歳未満の場合、国民年金第1号被保険者に切り替えて保険料を納付することになります。
詳しくは下記年金機構ホームページを参照ください。

(健康保険)

前述のように任意継続か国民健康保険か家族の扶養にはいるかの手続きをします。
出向くことなく、書類のやり取りだけで済ませることができます。
任意継続の詳細は下記のホームページを参照ください。

国民健康保険に切り替える場合の参照は下記ホームページで。

(住民税)

忘れたころに住民税の納付書が地元自治体から届きます。
今までは会社で天引きで払っていたので気にならなかったと思いますが、あらためて見ると結構高額なことに驚かされると思います。
心の準備をしておきましょう。
税金に関する相談は下記ホームページでチェックしてください。

<退職後のダウンサイジング>

(生活基盤)

ここからは、定年退職後働かないという選択をした場合について考えてみます。

冒頭でも述べましたが、退職後働くことをやめると、基本的に収入は年金のみになります。
その水準に合わせた生活設計が必要になります。
在職中とは変えていかなければいけません。
しかし、極端に何もかも切り詰めるとかえってストレスとなるのでるので、どこを切り詰めてどこにお金をかけるのかをしっかり見直すことが大事です。
生活を楽しむことが出来るようにしましょう。

定年後は物価水準の低い土地に移住するという手もあります。
その最たるものが、タイやマレーシアなどの海外に移住するというものです。日本国内でも田舎でのんびりというのもあるかもしれません。
海外にせよ国内にせよ、旅行ではなく生活の基盤を移すことが本当に自分にできるのか、そこに住む人々に溶け込むことができるのかよく考える必要があります。
契約したり購入したり、本腰を入れて引っ越す前に、数週間なり数か月なり、旅行ではない形で長期滞在を試してみることを強くおススメします。
国内の人気都市は、首都圏では東京都世田谷区、関西では大阪市のようです。
下記参照ください。

老後の海外移住で人気の国は、マレーシア、タイ、フィリピンあたりです。一番人気のマレーシアは、インフラもよく整備されており、治安もよく、英語が使えるので暮らしやすいようです。親日国というのも大きいですね。
タイは、物価が安いです。
フィリピンは移住ビザが取りやすくなっています。
海外移住に関することは、下記ホームページに載っています。

(車)

ダウンサイジングということが目に見えてわかるのが、車です。

車のダウンサイジングも考えよう

退職金が入った定年退職祝いと言って、在職中に乗っていた車より高級車に乗りかえるのは考え物です。
やっと解放されたという気持ちはすごくわかりますが、冷静になって考えるべきです。
次に乗り換えるタイミングでは、逆に今と同じグレードが必要かじっくり考えてみるべきです。
一回り小さなサイズやグレードに出来ないかディーラーに実車を見に行くなりして早めに検討しましょう。
買うときは、せっかくまとまったお金があるのですから、無駄な金利を払うローンは組むべきではありません。
現金一括払いで買いましょう
車は大変大きな買い物なのですから、金利だけでも大変な金額になります。金利というのは、何も生まない、何も残らない、全く無意味な出費です。
出来るだけ避けましょう。

(携帯電話)

携帯電話のキャリアを変える検討をすることも必要があるかもしれません。

安い携帯でもいいかもしれない

引退するとそれほど使わなくなるので、高機能な機種も必要なくなるケースもあります。
退職後の様子を見てからでも遅くないので、忘れないで検討しましょう。

(生命保険)

すでに掛け替えされているかもしれませんが、高額な補償も定年まで無事に務めた後は不要になります。

高額な生命保険はもったいない

大手の生命保険で数万円払うより、共済で数千円で済ませた方が効率的です。

(遊興費) 

私も、何かにつけて外食しに出かけていました。

たまになら外食も

費用的にも健康面でもほどほどにした方がいいでしょうね。あまり自宅にこもっているのも逆に不健康なので、ほどほどということで。

<退職後の健康管理>

健康管理は、在籍中のような定期健康診断はもうありません。

健康診断より専門医へ

自分で定期的に健康診断を受けることもできますが、健康診断ではうわべだけの検査が多いので、少しでも気になることが出てきたら、その段階ですぐに専門医に診てもらうのがベストな選択だと思います。

<退職後の過ごし方>

こうやって一通りの整理がついたら一段落ですね。

生きがいを見つけよう

あとは日々の生活で何をしますか?

仕事が生きがいだった方も別の生きがいを見つかなければいけません。
「新たな生きがいを見出す」こと。これはすぐに出来る事ではありません。いままでやりたかったことで出来ていないこと、これまでの趣味を本格的にすること、いろいろあるでしょう。
一度リストに全部書き出してみましょう。
書き始めると結構いろいろ思いつくのではないですか。「あれもやってみよう」、「これも始めてみたい」、「あれもできるようになる」、「これもできるんだ」と、考え出すと時間が足りないのに気付いて、嬉しく楽しくなりますよ。

<在宅で収入を得る>

余裕が出てきたら、家にいながら何か収入を得ることができることをしたくなります。
選択肢は限られてきますが、いくつか挙げてみましょう。

(ノーコードWEB制作)

WordPress等を使って、面倒なコードを勉強しなくても、ホームページ制作ができるというものです。
これでWEBページの作成を請け負うことで収入得ることができます。
難しいようで簡単といいますが、実は簡単なようで難しいと思います。

(クラウドソーシング)

ランサーズなどのクラウドソーシングに登録し、簡単なタスクをこなすことで収入が入りますが、1件の報酬は低いです。

(Youtubeを開設する)

Youtubeのような動画が得意なら、Youtuberになって稼ぐというのもいいでしょう。
人気が出るかが問題ですが。

(ブログを書く)

有料または無料のブログサービスを利用して記事を投稿し、そこに広告枠を設けて、読者にクリックされるたびに課金されるしくる仕組みです。
広告に即した記事を書く必要があります。

(noteを利用して有料記事を書く)

このnoteで有料記事が書けると、収入につながります。
これも人気勝負の面があるのは否めませんが、ブログに比べて書く記事に自由度があります。

私がnoteを選ぶ理由を記事にしていますので、参考にしてください。

(メルカリ等で不用品を売る)

私はネクタイが好きで、エルメスやダンヒルなどのブランドのネクタイを300本ほど持っていました。
定年退職後は働かないことを選択したため、ネクタイなどの小物類が使われなくなり、メルカリでまとめて処分しています。
なかなか思うようには売れませんが。
定年後に使わなくなった物を点検し、売れそうなものを出品してみましょう。

リサイクルショップに持ち込むのもいいでしょうね

断捨離してお金にしよう

<年賀状仕舞い>

毎年年賀状を出している方は、退職の翌年の年賀状を出す前に、今後もずっと出していくのか、考えましょう。
定年退職をきっかけに、年賀状を出すのをやめる選択肢もあるからです。
私は結構大量に毎年出していたので、そうしました。
はがき代や印刷代、考える時間など様々な負担から解放されるチャンスです。
定年退職の案内と共に書くのが自然な終活の一つでしょう。

定年退職を機に年始の挨拶を遠慮すれば?

ここまでが定年退職で考えておくべきことのまとめでした。
準備にも数か月かかるものもあるので早めに取り掛かり、退職後も手続きに期限があるものもありますので、早急に一つ一つ片づけていきましょう。

お読みいただきありがとうございました。良ければスキ・フォローをお願いします。これからもいい記事を書くよう努めますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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