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嬉しさ+辛さ、野球ファンは一喜一憂

今日は 朝から ずっと雨が降り続いています。
気温も低く、冬のようです。

「ニュースで見たけど、箱根は雪で真っ白だったよー。」
北国でなくても、ところによっては 雪が降っています。

こざるカフェは、昼下がりの時間です。
遅お昼を食べ終わった 常連の営業マンのお兄さん、
なんだか浮かない顔をしています。
そして、ふーっとため息をついています。

「食後のコーヒーです。どうぞ。」
こざるちゃんが、コーヒーを持って行きます。

「ああ、どうもありがとう。」
お兄さんは、コーヒーを一口飲んで、
「うん、美味しいよ。」と、にっこりします。

「あー、よかったー。」
こざるちゃんは、ホッとします。
「あれ? 何か、おかしかった?」
お兄さんが、こざるちゃんに聞きます。

「今日は、いつもより ちょっと元気がないような気がしました。」
こざるちゃんは言います。
「さっき、ふーってため息もついていたし。」

「ああ、そうか、そうか。」
お兄さんは、こざるちゃんに言います。
「いや、ペナントレースが始まったからさ…」

「ペナントレース??」
「うん、プロ野球だよ。」

お兄さんは、あるチームの大ファンです。
子供の頃から、ずっとそのチームを応援しています。

「そうか、そうですねー。」
こざるちゃんは、ニコニコします。
「そうなんだよ、毎年、シーズンが始まると とても嬉しいんだけど、
でも シーズンが終わるまで、ずっと苦しいんだよ。」

お兄さんの応援するチームは、シーズンが始まって、しばらくは首位争いをしたりするのですが、
夏になって、秋になって、気がつくと 何故か 下の方にいます。

「勝てば嬉しいし、負けると辛いし、もう毎年、大変なんだよ。」
お兄さんは笑いながら言います。
「誰に頼まれたわけでもなく、義務でも、仕事でもないんだから、止めればいいんだけどさ。」

そうなんですよね、ファンって そういうものです。
そんなに苦しいなら、止めてもいいのに、止められません。
一喜一憂の毎日が続きます。

「これがビリでも 勝つと嬉しいし、
負けても よーし、また明日、頑張れよって思っちゃうんだよ。」
お兄さんは、嬉しそうに言います。
「嬉しい時はもちろんだけど、
同時に心配、辛さ、苦しさが もれなくセットでついてくるんだよ。」
こざるちゃんは、うんうん 頷きます。

赤ちゃんや、犬や猫、家族、
大切な、守りたいものが増えると、嬉しさ、楽しさ、喜びが増えますが、
同時に、心配なことも増えます。
大切だからこそ、です。

「コーヒー、もう一杯、いかがですか?」
「うん、お願いします!」

こざるちゃんは、コーヒーのおかわりを淹れて、
お兄さんに、おまけのバナナも一緒に持って行きます。

「おっ! バナナ、美味しそうだ! ありがとう、こざるちゃん。」
お兄さんは、早速、バナナを食べます。
「うまいっ! よーし、今年こそ、優勝だ!」
お兄さんも、こざる達も、他のお客さんたちも ニコニコします。

こざるカフェは、今日も ゆっくり始まって
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
今日は 真冬のようでしたが、明日はまた気温が上がるようです。
よい毎日でありますように (^_^)

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