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第8章 1カ月の隔離入院で起きた2つの奇跡的な体験

この章では1カ月の隔離入院生活をする中で、実際に体験した2つのエピソードについて話します。この体験を通じて「なぜそんなことが起こったのか」説明できないことも起こるんだなと知ることができました。今振り返ってみても不思議な体験だったので、ぜひ読んでみてください。


1.「もうだめかもしれない」と思った日に起きた不思議な出来事

1つ目の奇跡的な体験は前章でお伝えした「もうだめかもしれない」と思った日の出来事です。この日はもう体力的にも限界が来ていて、生きる気力すらない状態でした。この日が闘病生活を通してドン底の日でもあり、運命が変わった不思議な日となりました。

この時の私の状態は、常に40度近くの熱が出ていて、1週間以上何も食べられない。さらには腕にも足にも管が通っていて、24時間点滴と繋がれている状態でした。体力も気力もなくなってしまっていて、自分で生きている感覚はなく、薬と機械に生かされている状態だったと感じています。

もしかしたら今日が生きていられる最後の日かもしれないとなぜか直感で感じました。そして後悔ないように遺影を残そうと思い、少しの体力を振り絞って自撮りをしてから眠りにつきました。私は普段夢を見ることがあまりないのですが、この日は眠りについた瞬間から夢が始まりました。その日に見た夢は「自分が亡くなる夢」。病室のベットで自分の息が止まって、多くの人が悲しむ瞬間を真上から見ていました。自分が亡くなる瞬間を客観的に夢で見ていたというなんとも不思議な感覚でした。

朝になって起きた時、自分がまだ生きているのが不思議で実感が湧きませんでした。でもそれ以上に生きていることが嬉しくて「こんなところで終わるわけにはいかない」と感じました。絶対に生き続けようという強い意志を持つことができた日となりました。

後から調べて知ったのですが、実は夢占い通りの結果となっていたのです。夢占いとは、夢の中に出てきた印象的な出来事から今の自分の姿がわかるというものです。例えば「歯が抜ける夢」は大きなストレスが溜まり、心が疲れているときに見るそうです。私の場合は自分が亡くなる夢を見ました。夢占いでは「死=再生」を意味し、運気の好転を表すみたいです。

夢占いの一部を参照

この日を境に次第に体調が回復し始めました。今振り返ってみても闘病生活で一番どん底の日は間違いなくこの日だったので、夢占いの話を知った時は当たりすぎていてとにかくびっくりしてしまいました(笑)。


2.叔父さんが亡くなった日に起きた不思議な出来事

実は、この1カ月の隔離生活を送っている間に叔父さんが亡くなりました。叔父さんと私は距離の近い間柄でした。小さいときからよく遊んでもらい、お菓子を買ってもらったり、家の前で花火をしたり、とにかく楽しませてくれる人でした。大人になってからは仕事面でとても尊敬をしていました。営業一筋の人で、とにかく成果を上げることにこだわり、成果を出し続けている人でした。他社からヘッドハンティングされて役職や年収をあげてもなお成果を出している姿はいつも参考にしていました。

そんな叔父さん、実はわたしがガンになる数カ月前からガンになっていました。私より先に闘病生活を始めていたので、抗がん剤治療なども経験者の視点からたくさんアドバイスをしてくれたり、どんなに体調が悪いときでも明るく連絡をくれたりと常に気にかけてくれていました。いつも互いに励ましあい2人で乗り越えようという気持ちを持てたので、まさに闘病仲間です。

隔離生活をしているある日、いつも通り体調が悪い状態で朝を迎えました。いつもならテレビを見たりして気を紛らわすのですが、なぜかこの日は外の様子が気になり窓の外を見ていました。この日の天気は入院していた中でも一番の快晴で、雲ひとつありません。そのまま外を見続けていると、とても強い太陽の光が窓から差してきました。感じたことがないほど強い光でした。それと同時に自分の心の中に何かが訴えかけられているのがわかりました。そしてそれが叔父さんの死であることをなぜか察知しました。

数時間経って、家族から「叔父さんが亡くなった」という連絡が入りました。もちろんわかっていました。頭では理解しているのに、いざその報告を受けると感情が追い付かず、気持ちが溢れてしまい、朝から病室で一人泣いていました。気持ちをどんなにコントロールしようとしても涙が勝手に溢れてきてしまうという初めての感覚でした。それと同時に他者に迷惑をかけるわけにはいかないと思い、何事もなかったかのように看護師に振る舞い、いつも通りの生活や態度を心がけたことを覚えています。

この日を境に、叔父さんの分も生きなきゃと強い気持ちを改めて持ち直し生活しました。リハビリもできるだけこなし、退院ができるまで体力を回復させることができました。この治療を乗り越えることができたのは叔父さんが背中を押し続けてくれていたからかもしれません。心から感謝して今後も叔父さんの分も強く生きていくことをこの時に誓いました。


どちらのエピソードも普段の生活を送っていては体験できないことだったと思います。ただこうした不思議な経験は誰しもがあるのかな?とも思ったので、もし不思議な経験をしたことがある方はぜひお話聞かせてほしいです。

次の章では、闘病生活最後の治療となる「陽子線治療」についてお話させていただきます。




最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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