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#短編小説
短編【悪魔のストラップ】小説
「あれ?姉ちゃん、珍しいね。日曜日なのに家に居るなんて」
「だって、予定無いもん」
「デートは?毎週毎週、彼氏と出歩いてたのに」
「別れた」
「また?付き合ったばかりでしょ?」
「だって、いい男、見つけちゃったんだもん」
「見つけちゃったって…。今度の彼氏、原子力発電会社で働いてるエリート社員で金持ちだったんだろ?」
「そ。ご飯奢ってもらったり、バック買って貰ったり、旅行に連れて行ってもらったりし
短編【科学者の幸福論】小説
幸福とは何か?いにしえから多くの哲学者や宗教学者が、この出口の無い迷宮に入り込み、答えのない答えを模索して来た。ソクラテス然り、アリストテレス然り。
ソクラテスの幸福論は『生きる事以上に、良く生きる事』を重視した。つまり、ただ日々を生きるのではなく、正しく物事を知る事が即ち幸福であると説いたのだ。
しかし、本当にそうだろうか?知ると言う事は幸福以上に不幸を招くものだと私は思う。悩みというのは知
短編【回るゴーストライト】小説
一幕。
僕は小説を書いて生計を立てているプロの物書きだ。大学を卒業して、ある小説家に弟子入りをしたのは五年前。今時、小説家になるために弟子入りをするなんて珍しい。だけど、僕はどうしても安西武彦先生の下で文学を学びたかった。僕は安西先生の弟子となり、安西先生の小説のサポートをした。初めは資料集めや取材の手伝いだったけど、いつしか先生の作品も書かせて頂くようになった。つまりゴーストライターだ。僕が書
短編【節約と倹約の果てに】小説
1
節約とは無駄を省いて切り詰める事をいい、倹約とはお金や物を遣わない様に努める事を言う。ならば、無駄を省いて切り詰めつつお金を遣わない様にする事を何て言うかご存知だろうか。…それは、ドケチと言う!
私の妻がまさにドケチなのだ!妻は昔からドケチだった訳ではない。結婚当初は、それはそれは可愛い女だった。私の財布の中身をチェックして小遣いが足りなければソッと入れ足していたりもしていたのだ。
そん
短編【レッテル】小説
一年間の講演回数42回。取得した資格は134。執筆した本は180冊以上。
私がこれまでどんな本を書いてきたのかというと【頭が良くなるイメージ将棋】【三日坊主ジョギング入門】【細胞から変える、超深呼吸美容法】。将棋の本を書いたりジョギングの本をかいたり美容法の本をかいたり、とにかく色んな本を書いている。
だから、周りの人から「先生は子供の頃から頭が良かったんでしょうね」と言われる。だが、実は小学
短編【願いが叶うまで】小説
「まだ、胃は痛みますか?」
「少しは良くなりましたけど、まだ少しシクシク痛みます」
「夜は眠れますか?」
「最近はあまり眠れません」
「そうですか」
「先生、この胃の痛みは何なんですか?」
「ストレスですね」
「ストレス?」
「少し、お仕事を休んで、のんびり過ごしてみて下さい」
ストレスぅぅぅ!!冗談じゃない!自慢じゃないけど、俺は今まで一度もストレスを感じた事はない!思った事はズバズバ言うし、