金川幸司

サッカーのこと、サッカーの指導のこと、自分が考えていること、少しでもどなたかの役立つ情…

金川幸司

サッカーのこと、サッカーの指導のこと、自分が考えていること、少しでもどなたかの役立つ情報が書ければ幸いです。

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オーガナイズのもと、プレーした方がいい

小学生であってもオーガナイズのもと、プレーした方がいい というのは最近4種を指導をする中で感じたことです。 「オーガナイズ」とは、僕の中では「攻守において、チーム全員がプレーイメージを共有する為にポジションを取ること」と認識しています。 攻撃であれば、FWは深い位置に、サイドの選手はワイドへ、中盤の選手は ミドルのスペースを取り、ボールに対して菱形あるいはトライアングルを意識します。 守備なら、ボールが移動したら自分達もそれぞれのポジションに則って移動する。その時あく

    • 第45回関東U-12サッカー大会に優勝した日中に共有したかったこと

      本日、上記の大会に大宮アルディージャU12は優勝しました。ただ、決してそれを自慢したい訳でも、「どうだ!」と言いたい訳でもありません。誤解を恐れずに言うと、むしろ優勝した事自体には大きな価値はないと思っています。 大会自体は45回も続いていて、運営もスポンサーもグラウンドも素晴らしく、選手にとってはこの上ない経験となったはずです。ただ、自分は「優勝した」という事実ではなく、選手たち自身が「この大会で優勝するんだ!」という意志を表に出し、ピッチで表現してくれた事により大きな価

      • サイドのポイントからの攻撃

        「ミドルの攻略」の中で、前回はインテリオールのボールの受け方について触れました。それでは、ゲーム中にCBからインテリオールに連続してブロックの間にパスを入れられる場面が続いた時に、予想される守備側の心理を考えてみます。 もし自分が守備側のボランチだとすると、ボールサイド(自分が左ボランチとして自らの左横)にパスを通されない為にスライドのスピードを速くする事と、より左側のパスコースへの予測を働かせると思います。それでも通されるなら、左サイドハーフが開き過ぎていないか、が気にな

        • インテリオールがターンするもう一つのアイデア

          CBが相手の1stラインをブレイクできた後の選択肢を「ミドルの攻略」としていくつかアイデアを出していますが、その中でインテリオールを相手のDFラインとMFラインの間でターンさせるもう一つの方法は、という所で前回終わったので続きを書いていきます。 このプレーは大前提として相手のDFラインとMFラインがコンパクトだとしたら、成立しにくいものになると思います。相手がコンパクトだと、単純にスペースがない為、ボールを受ける瞬間に相手のプレッシャーを受けるか、又はプレスバックを受けるか

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        オーガナイズのもと、プレーした方がいい

          ミドルの攻略

          前回でビルドアップの項目が終了しましたので、エリアを一段前にして「ミドルの攻略」に入っていきたいと思います。 ミドルの攻略は以下の ①TOPにパスを入れて、前向きサポート ②MFがバイタル(主にDFラインとMFラインの間)でターン、又は前向きサポート ③サイドのポイントからの攻撃 ④サイドチェンジ の4項目となります。①から書いていきます。 ビルドアップからの繋がりになるので、基本パスは相手の1stラインをブレイクしたCBから出ているとします。相手がリトリートし

          ミドルの攻略

          その他のビルドアップの方法

          過去2週間に渡りビルドアップに関して書かせて頂きました。プレーモデルの図の残りが、 ③アンカーが落ちて3枚でドリブル進入 ④SBから前方のスペース ⑤DFライン裏に一発ロングボール となっているので、一気に書いていきます。当然、この5つ以外にも方法はありますし、相手との噛み合わせで注意する点は変化してきます。 ③アンカーが落ちて3枚でドリブル進入 とは、自分たちがビルドアップする際に、2CBの間に「1-4-1-4-1」のアンカーが落ちる(入る)ことを指します。目的

          その他のビルドアップの方法

          プレーモデルのシンプルな説明②

          前回、プレーモデルの図と共にそれについての文章を書かせて頂きました。その記事の発信後、ある方から「あれはプレーモデルじゃないよ」というご指摘を受け、「プレーモデルとはその時にいる選手、リーグにおけるチームの位置でどのポジションを狙いにいくクラブなのか、そしてそのクラブのスタイルが関係してくるべきものだよ、あれがただ単にやりたいサッカーってのなら分かるけど」と言われました。聞いた瞬間、恥ずかしくて変な汗が出てきましたが、発信したからこそ自分の無知を知れたということで良しとする事

          プレーモデルのシンプルな説明②

          プレーモデルのシンプルな説明

          去年の1回目の緊急事態宣言の時に、プレーモデルについての図を作りました。まだまだ完成ではありませんが、noteに出させて頂きます。正直、自分自身、プレーモデルというものの理解度は高くないですが、だからこそ易しい表現で、分かりやすい説明が出来るのではないかと思いトライします。 まず作成段階で、自分の場合「攻守において主導権を握り試合を進める」という事をコンセプトとして考えるようにしました。そこには自分が選手時代に「どうすればパスを繋げるのか」や「何を基準に守備をすればいいのか

          プレーモデルのシンプルな説明

          親が子供に与えにくい経験

          これまで職業上、多くの保護者の方々と対話してきました。やたら子供に厳しい、自分の子供だけが良ければいい、チームメイトの長所も理解している・・・etc  そんな沢山の方々の中で、一つの当たり前の共通項があります。それは「我が子が大切」と言う普遍的な項目です。 これまでの経験上、これだけは御多分に洩れず共通しています。「チームが負けても、自分の子が点を取ったから」というのは口にこそ出さないけれど、どこの家庭にも少なからずある感情だと思います。それほど我が子は特別な存在だし、この

          親が子供に与えにくい経験

          選手は話を聞いて当然という幻想

          自分自身、TRを行う中で「選手はコーチの話を聞いて当然」というのが基準の時期がありました。今から考えると我ながら未熟でした。ただ、日本の教育現場では「生徒は先生の話を聞いて当たり前」という考えが土台にあり、教室で先生の話に耳を傾ける生徒たち、という光景は個人的に普通だとは思います。 サッカーのトレーニングとの違いは、選手はサッカーをプレーしに来ているのであり、話を聞きにグラウンドにきている訳ではないということ。例えばミニゲーム大会をして、その日全くコーチが話さなくても選手は

          選手は話を聞いて当然という幻想

          ポジティブ共有とネガティブ説明

          この考え方を知ったのは、3年前のことで、トレーニング動画を観てもらい、ダメ出しや良い点などをぶっちゃけて伝えて貰う友人から、教えられたのが最初でした。とても有益なコーチングの仕方なので、共有します。 通常、コーチは練習中に起きた現象に対して「〜したから(しなかったから)〜されてしまった」というような、選手が取ったアクションに対して、ネガティブな結果を指摘してしまいがちです。 例えば 「絞ってなかったから、間に(パスを)出されたぞ!」 というような感じです。これを起きて

          ポジティブ共有とネガティブ説明

          何をもってして成功なのか

          「何をもってして成功なのか」 これは自分が、2002年から2006年にかけて、オーストラリアのクイーンズランド州のリーグでプレーしていた時に思っていた事です。当時Aリーグはまだなく、NSL(ナショナルサッカーリーグ)を目指して自分はプレーしていましたが、どういう経緯でそうなったのかについて書いてみたいと思います。 2001年当時、僕は大宮アルディージャで選手としてプレーしていましたが、泣かず飛ばずで、JFLのチームにレンタル移籍をしていました。そこで何とか結果を出して新た

          何をもってして成功なのか

          パスでボールを運ぶ3つのシチュエーションについて

          今回は、ビルドアップにおいて、パスでボールを前に進めていく時に生じる3つのシチュエーションを挙げていきます。 その前に、自分なりの「ビルドアップ」の定義は「意図的に高い位置にフリーマンを作っていく」ことで、3つのシチュエーションとは「フリーマン」を高い位置で作る際に、起こりうる3つの場面となります。 例えば、右CBがボールを持った時に、相手の左SH(相手が4−4−2という前提)に対してどういう駆け引きが行えるか、というのがポイントになります。 ①相手の左SHがSBにマン

          パスでボールを運ぶ3つのシチュエーションについて

          コーチにおける父性と母性

          以前から常々、他の指導者の練習を観る時、その人のコーチングが父性的か母性的か、またその人自身がどちらに当てはまるか、が気になることがあります。 では、何をもってして「父性的」「母性的」と言えるでしょうか。簡単にいうと父性は「間違いを正すこと」や「規律を守ること」でそれに対し、母性は「ドラえもん」が象徴するもので、要するに「無償で無尽蔵の愛情」と捉えています。 例えば、ある選手がドリブルが得意だとします。父性的な視点だと「ドリブルでもいいけど、相手を抜きにかかるエリアを考え

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