サイドのポイントからの攻撃
「ミドルの攻略」の中で、前回はインテリオールのボールの受け方について触れました。それでは、ゲーム中にCBからインテリオールに連続してブロックの間にパスを入れられる場面が続いた時に、予想される守備側の心理を考えてみます。
もし自分が守備側のボランチだとすると、ボールサイド(自分が左ボランチとして自らの左横)にパスを通されない為にスライドのスピードを速くする事と、より左側のパスコースへの予測を働かせると思います。それでも通されるなら、左サイドハーフが開き過ぎていないか、が気になるはずです。
ちなみに守備時のサイドハーフのポジショニングは改善するのが難しい要素とされます。基本「ゾーンマーキング」の感覚や論理、TRの積み重ねがない選手がやりがちなのは「攻撃側のサイドバックが高い位置を取った時に引っ張られる」という事でしょう。それはそれで「ゴールを守る」ことは出来るので、いい側面もありますが、「ボールを奪う」つまりプレッシャーをかけるのは難しくなります。
難しいとされるサイドハーフのポジショニングを攻撃側がつくとしたら「守備側のサイドハーフが絞り過ぎた時に空いてくる攻撃側サイドハーフへのパスライン」ではないかと思います。この時、サイドハーフのポジショニングで気をつけるべき点は「相手サイドバックからのプレッシャーを受けず、尚且つ出来るだけ高い位置」になってきます。上がり過ぎると下手するとインターセプトされるリスク、又はコントロール際を狙われ「ポイント」を作れなくなります。下がり過ぎると相手のDFラインの背後までの距離が遠くなり、有効なパスを出しにくくなる。
一つの目安は相手が1−4−4−2だとしたら「サイドバックとサイドハーフの間」に位置する。そこで安全にボールを受けられた時に効果的なサイド攻撃が出来る状態が整います。当たり前かも知れませんが、やはり「前向きでフリー」は攻撃側にとっては凄くパワーのある状態で、得点に直結させやすいので、如何にしてそういう状況を沢山作れるかが試合を左右します。
先ず選択してほしいのは「ソロでの突破」が育成年代では望ましいです。高い位置でフリーなら先ず仕掛けるスピードとテクニックは「ウインガー」には求められる資質になります。それを強く感じたのは2014年に自チームのU16を率いてオランダの「RKTVCトーナメント」という大会に出た時の事でした。オランダの育成は当時(今もかも知れません)1-4-3-3をフォーメーションとして用いるクラブがほぼ全部で、ウイングにボールが渡れば先ず仕掛けてきました。こちらとしてはやってくる事が分かる分、戦いやすかったですが、彼らはそんな事はおかまいなしで「その試合、大会で勝つ事を目的にしていない」ような感じがしました。大会の結果よりも試合で「個の成長」を一番に考えているので「ウイングは仕掛けてナンボ」という価値観が定着していました。だからオーフェルマウス・ゼンデン・ロッベン・ファン・ペルシーなどその他大勢のサイドアタッカーが生まれたのだなと思います。その大会でもAZにいたウイングは強烈でした。
今回は多少の脱線がありましたが、読んでくださりありがとうございました。次回も「サイドのポイントからの攻撃」の続きとなります。
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