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プレーモデルのシンプルな説明②

前回、プレーモデルの図と共にそれについての文章を書かせて頂きました。その記事の発信後、ある方から「あれはプレーモデルじゃないよ」というご指摘を受け、「プレーモデルとはその時にいる選手、リーグにおけるチームの位置でどのポジションを狙いにいくクラブなのか、そしてそのクラブのスタイルが関係してくるべきものだよ、あれがただ単にやりたいサッカーってのなら分かるけど」と言われました。聞いた瞬間、恥ずかしくて変な汗が出てきましたが、発信したからこそ自分の無知を知れたということで良しとする事にし、同じスタイルで続けさせて頂きます。

前回がビルドアップの

①CBとアンカーで1stラインをブレイク

のところで終わっていましたので、

②2CBのみで進入 

について書いていきます。基本的に自分たちが「1-4-1-4-1」ならば2CBでボールを前に入れていくのが理想です。何故ならば攻撃に出来るだけ多くの人数を割けた方が、より多くの選択肢を作れる上、単純に攻撃する人数も増えるからです。
攻撃する上で人数が多い方が様々な連動を生み出せる分、相手DFの逆を取りやすくなります。

ただ、相手が2トップでプレッシャーにきた時に、ビルドアップを安定させるためには前述した「アンカー」のサポートが必要になります。

では2CBのみで進入できるのはいつなのか、というと単純に相手が1トップの時ですが、フォーメーションが何なのか、によって気をつける点は異なってきます。例えば攻撃側が「1-4-1-4-1」で守備側も「1-4-1-4-1」の場合は、1トップがプレッシャーのスイッチを入れて、一列後ろのインテリオールが連動してくる事が多いです。なのでビルドアップする側のCBは、もう一人のCBからボールを受ける際、出来るだけ高い位置を取りたいのですが(当然、1トップに引っかからないパスラインで・また高い位置を取れた方が、次に狙うべきスペースや人までの距離を縮められる)連動してくるインテリオールの状態も意識しておきたいところです。インテリオールのポジショニング・アプローチのタイミング・プレッシャーの速さ等を観た上で取るべきポジショニングが変わってきます。単純に相手の1トップを無力化できるポジショニングを取れたからといって、インテリオールにボールを奪われてしまっては元も子もありません。つまり、この場合のCBにとっての「良いポジショニング」とは「1トップの背中を取れる位置でありながら、同時にインテリオールからのプレッシャーを受けない位置」という事になると思います。

相手が「1-4-2-3-1」の場合はどうでしょうか。この場合も1トップでプレッシャーのスイッチを入れる事が多いですが、連動するには「3(1-4-2-3-1の)」の真ん中の選手のCBまでの距離は遠いように思います。なので、「3」の真ん中の選手はアンカーへのパスラインを消す役割になる事が多いです。そうするとビルドアップする2CBにプレッシャーをかけてくるのは「3」の両ワイドの選手になってきます。

例えば右側のCBが左のCBに横パスを出す際、守備側の「3」の右ワイドの選手は高めのポジショニングを取り、ボールが出た瞬間、背中からインターセプト又は左CBにプレッシャーをかける為にスイッチを入れます。この時、左CBのポジショニングが開き過ぎていると、相手右ワイドの餌食となってしまいます。なので、「1-4-2-3-1」に対しては、CB間の距離を縮めると、インテリオールへのパスラインを確保できると同時に、右ワイドからのプレッシャーを回避できるという2つの利点が生まれてきます。

もし、右ワイドの選手がより内側へ絞ってきて、左CBまでの距離を縮めてきた場合は、

①相手側に連動する選手がいなければ、右CBから左SBまで一つ飛ばすパスを出す

②左CBがビハインド(右CBからすれば、左斜め後ろ)のポジショニングを取る事で、相手右ワイドの選手までの距離を長くする事が出来ます。ボールを受けた時に左足でオープンに置き、そのまま左SBに逃がせたらok。それでも引っ掛かりそうで恐ければ、外側に出すモーションで相手に足を出させて、縦にドリブル進入し、左SBへパス。

という選択肢が出てくると思います。①の場合、ボールが空中に浮いている間に相手SBが寄せて来れる場合がありますので、ここには注意を払いたいところです。②の場合はCBのポジショニングを取る際の状況判断(自分の背中にいる選手のポジショニングを確認する冷静さ、咄嗟に自分のポジショニングの変更(距離を縮める)また、ボールを受けてからも相手の寄せる角度(切っているパスライン)を観た上で、プレーを判断し、実行するテクニックがあるか、が重要になります。求められる戦術理解と技術レベルは高度なものになりますが、CBから攻撃が始まるという点を考えれば、こういったプレーを整理して身につけていって貰えるように働きかけていく必要があります。



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